ここでも、うしろから来るランナー何人かに抜かれていく…。
まだまだ諦めていない人達がいるのだ。それに引き換え早々にリタイアを決めたデビルの情けないことよ。
まだ行けるんじゃねーのか?いや、やっぱりもうだめだろう…。心の中で葛藤があったのは間違いない。それでもやはり自分の限界は見えていたのも事実なのだ。
こうして、なんとかよろよろと第5CPに辿り着いた…。
「デビル大丈夫?」
「もうだめだ…。」
「ああ、もう終電無くなっちゃったから、ここから帰るのは自力でね!」
「ゆっくり休んでいって!でも時間がきたら追い出すから~。」
「始発が動くまで峠で遊んで来てね♪」
「もうすぐそこまで台風が来てるから、この先は土砂降りだって♪」
この時デビルの頭の中にはキャンディーズの優しい悪魔がリフレインしていたのは言うまでもない。
しーちゃん、あんたデビル以上のデビルだよ…。
どうやらリタイアすることも許してくれないらしい。さすが
CPを出た瞬間、遂に雨が降り出してくる。
もう、芦ヶ久保の駅で始発が動くまで野宿でもする以外に俺の生き残る道は無い。覚悟を決めて正丸方面へ向かうデビルなのであった…。
【続く】

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