そう感じながら雁の道を行くデビルとハッタマンの中身の人。ガッチャと赤い彗星は強制徒歩区間を終えるとすぐに前へ行ってしまった。
「あの~、これ落ちましたよ」
ああ!ウィングとバックパックを接続するジョイントパーツが早くも取れてしまった~!!がっちり接着した筈なのに、こんなにも早く破損するとは!!
幸いにも右側だけなので、ウィングが傾いてはいるもののなんとか走行は続けられる。
去年の反省から、序盤のコンビニ休憩は可能な限り避けるつもりでいたので、このまま傾いたウィングのままで進むことを決意。とにかくいけるところまで行くしかねえ…。
暫く行くと、ハッタマンの中身の人がトイレ休憩ということなので、その時間を利用してウィングの補修作業と可倒式ウィングを閉じた状態へと変化させる。
しかし、濡れたウィングに補修テープの粘着力は意味をなさない…。閉じた状態になったものの、傾いた状態に変わりはない。あと130キロくらいこの状態ではとてもじゃないが保たないぞ…。
降り続く雨の中進んでいくと、巨峰の丘マラソンに向かうバスの中から手を振られる。
おしゃれな感じのランナーの皆さんと戯れながら進んでいくと、デビルの所属するセレブなランチームTBRCの監督車が声をかけてくれながらパスして行く。
皆さんは昨夜お洒落な別荘で特上のお肉をたらふく召し上がってからの大会出走ということで、羨ましく思うものの、川又の誠ちゃんカレーだけを楽しみにデビルは進むのだ…。

(提供:いけのすけスポーツ)
こうして、ほぼ最後尾から前走者をあまり抜くこともなく、ポツポツしかいないランナーを見ながら行くと、前回冷やし桃を買った直売所へ。
ところがどこを探しても『冷やし桃あります』の看板が無いのだ。
「あの、冷やし桃ってやってないんですか?」
「ああ、あれは夏だけだよ。」
落胆の色を隠せないデビルマン。雁坂の楽しみが消えたと思ったその瞬間
「これで良ければ食べてきな。雨が降ると痛んじゃうんだよね」
所々黒い部分はあるものの、そこを取り除けば完熟桃だ!売り物にならないというだけで味は同じで格別だ!!
「ありがとうございます!!お金はここに置きますね」
「ああ、いいよいいよただで。峠を超えていくんだろ。頑張りなよ。」
流石はフルーツ王国山梨県だ。最高の補給をして再び走り出すものの、背中のウィングは限界を迎えようとしていた。デビルはここで重大な決断を下すのっであった…。
【続く】

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