初めて走ったウルトラも、初めてDNSしたウルトラも、初めて100キロ完走したウルトラも、初めて100キロ超えしたウルトラも、初めてDNSしたウルトラも、ウルトラの事はみんな富士五湖が教えてくれた…。
そんなウルトラの登竜門と言えるこの大会、もう、富士五湖は卒業してしまったあの頃のメンバーもいるが、デビルはまだ富士五湖デーモン達との闘いに終止符を打てずにいる。
112キロはかなりタフなコースなのだ。
そして今年もまた、富士の麓へ向かうのだ。
決戦の地に向かうバスの中では同じチームの人と一緒に酒盛りが始まっていた。そんな中、話題は自然と明日のシューズの話に。
「明日はソールが厚いのがいいか、薄いのにしようか…。」
「まあ、薄いどころかこちとらサンダル…
ああ!ルナサンダル忘れた~!!」
いきなり出だしから風雲急を告げる展開。まさかのシューズ忘れた事件勃発に富士五湖デーモン達がほくそ笑んでいるのが見えた気がした。
「まあ、なんとかなるでしょ」
人生(悪魔生?)1万42歳も生きていれば肝も座る。って言うかサンダルよりも走るのに適したシューズくらい現地に売ってるよなあと言う根拠のない自信がデビルにはあったりして。とはいえ、富士五湖のコースは結構荒れているところも多いし、雨の中リアル裸足っていうわけにもいかんしなあとちょっと考え込んでましたけどね。
風雲急を告げると言えば、すでにこの頃から雨が降り始めてきた。天気予報よりも早い降り出しがデビルを不安に陥れる。
昨年はDNSのために遭遇しなかった雨デーモンが待ち構えているのだ…。
(厳しい闘いになりそうだ…。)
そうこうしているうちに受け付け会場に到着し、NBブースを物色していると、ミニマスのブルーを発見!
そして恐る恐る値札を見てみると
12,000円也
子供3人を養わなければならないデビルにとってみたら大金だ…。しかも多分この大会以外で履くことも恐らくないであろう靴に大枚はたいてなどいられない。
この瞬間、デビルの心は固まった。
「ここら辺にワークマンはないですかね?」
最早引き返せない地獄の入り口をくぐった瞬間であった…。
《続く》

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