大会事務局からのお達しである。
正装で境内に入ると警備員が飛んでくるということを事前の試走でニャンディーズが身を持って示してくれたお陰で、俺たちも無事にここを通過できる。
「ガッチャごんがヘルメットを取った状態なら大丈夫なのか?」
「仮面ライダーが、これはパジャマだと言い張ったら大丈夫なのか?」
「デビルマンがウィングを外したなら大丈夫なのか?」
どの程度までならOKなのか試してみたかった所ではあるが、そんな余裕はデビルには最早ない…。ガッチャには余裕シャクシャクであろうが…。
T師匠と一旦別れ、五重塔を写メに収めてから再び合流地点に着くものの、既にそこには師匠の姿は無く、先に行ってしまった模様。
(まずい…。ここで置いていかれたら完走がまじ危うい…)
とにかく必死で見えないT師匠を追いかける。
それと同時に、時間内完走ペースで集団を引き連れて来るzoffy兄さんの動向も気になる。
恐らく追いつかれたら自分より早いペースで移動しているということなので、ブチ抜かれて先に行かれてしまうだろう。そうなれば時間内完走は絶望的だ。
なによりそんなことにでもなろうものならここまで付き合ってくれたガッチャに申し訳がなさ過ぎる…。
この時ほど
必死なデビル
は過去には無かったのではないだろうか?浅草で人混みに紛れながらもとにかく進み続ける。お腹がゴロゴロしても進み続けるのだ…。
とはいえ、やはりトイレ休憩は必要な訳で、途中の公衆トイレに寄っていると、先に行ったと思っていたT師匠に追いつかれた…。
「追いつけねーから、結構いいペースで進んだんじゃねーか。」
再び、三人の御一行様で進んで行く。この区間は本当に長い距離だ。眠くなったら甘いものを取れというガッチャの言いつけを守り、コンビニで大福まで奢ってもらいながらどれだけ進んだのだろうか?時間の感覚が狂った状態で気が付くと見覚えのある場所まで進んでいた…。
《続く》

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