②ハッタマンが復活するのが先か?
家庭平和を守るためとはいえ、真夏の奥武蔵から一度もロングを走っていなかったデビルマン、おまけに体調不良で10日間くらい完全休足を余儀なくされた身の上だ。
zoffy兄さんからは
「一回り成長したな…」
と言われたデビルマンだ、はっきり言ってどうみてもランナーな体型ではない。フルマラソンを走るには準備不足すぎたのか?
地力のあるハッタマンが復活する方へ全部を賭けてもいい。
恐らくまともに走れるのはハーフまでだろう、そう思ったデビルは自ら破滅の道へと突き進んだ…。
(ロックオン…)
連発するロックオンにストップアンドゴーを繰り返してデビルは走る。どんなに視界が悪くても大丈夫、デビルアイが全てをお見通しなのさ…。
ガッチャごんとzoffy兄さん、ハッタマンと楽しく走ったここまででデビルは燃え尽きた…。次の瞬間
ガツッ!!
(あ…)
わずか一瞬の出来事、マンホールの周りが少しだけ盛り上がっている段差に脚をとられると、デビルは硬いアスファルトの上に崩れ落ちた…。
「大丈夫か?デビル!!」
大会で転んだのはこれが始めてだ。左の肘と膝を強打した…。デビル自らが地獄への片道切符を手に入れてしまったのか…。みんなに起こされて再び走り出すもすでに心が折れかけていた。
「デビルウィングは大丈夫だったかな?」
と、ハッタマンに確認する。こんな時でも命の次に大事なデビルウィングを心配してしまうあたりやっぱり俺はデビルマンなのさ…。
傷つき、折れかけた心であと半分、デビルはヨロヨロと所沢航空公園の周回コースを進むしか己の存在価値を示す術を知らなかった…。
《続く》
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