我先にスタート位置を確保するランナーなど皆無…。
さすがは年の瀬、皆さんこの大会の趣旨が良くわかっていらっしゃる。このクソ忙しい年の瀬に家族のことも顧みずフルマラソンを走ろうってんだからそれは一般常識など全く通用しない人の集まりだ。
「じゃあ、俺たちは定位置へ!」
D&Gはスタートラインの脇に陣取ると、全ランナーを見送る体制に入った…。
午前9時、遂に地獄への入口の門が開いた…。
マラソン大会だか仮装行列だかチンドン屋だか判らない大集団が一斉に動き出す。まさに阿鼻叫喚の地獄絵図とはこのことだ。スタート横に陣取ったD&Gは皆に手を降り、まるでスタッフのように見送る。デビルサンタの赤い衣装が、これから始まるデーモンとの死闘を予感させるように…。
「じゃあ、行きますか」
おもむろにコースに入り、走り出すD&G。
前行く面白おかしい人達をじっくりと観察しつつスルスルと抜け出して行く…。
「何か速くね~か?」
合流したジャックスパローとハッタマン達を幻惑するデビルマン。
そう、いつも以上にお得意の『デビルロックオン』を多用連発し、前行く美ジョガー達の溢れ出るフェロモンを吸いまくっていたのだ!
「俺は遂にここに帰ってきた…。」
すっかりマラソン大会であることを忘れて、ジョグ&ダッシュを繰り返しながらデビルロックオンを繰り返すデビルマン。やがて去年以上にはみ出し気味なミニスカポリスを捉えると心に誓う…。
もう一度ミニスカポリスをロックオンするまではたとえこの脚が砕け散ろうとも走り切る!
周回コースのいいところを熟知しているデビルマン、この無謀なまでのロックオンがこのあと地獄への近道になろうとはまだ考えてもいなかったのでありました…。
《続く》
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