「頼んだよ」
「了解」
比較的穏やかな襷リレーを行うとデビルは速やかに加速。
「デビルマ~ン!」
「おお!?」
「なんか速いぞ。」
リレーゾーンにいる観衆はたちまち阿鼻叫喚の地獄絵図に…。
デビルも手を振って応えるが、いつもの長い距離の時とは違い余裕がない。
そう、今回の人体実験は
VFFで全力疾走できるか?
なのだ。
でっきるかな?でっきるかな?はてはてふふ~ん…
頭の中ではゴン太くんが巡っている…。
そんなこんなで、多摩川のランニングコースを疾走するのだが、いかんせんコース幅が狭い。
おまけに周りのランナーさんは明らかにスピードが遅く、追い抜く際にもデビルウイングが邪魔で前に出れない…。
やがて、後方から現れ、抜き去って走り去る多摩川EXのアンカー『おおしん』さんが…。
負けてたまるか!
一瞬付いて行くものの、明らかに車幅が違うため、ランナーさんにつかえては失速していく…。
くっそー!
それでもデビルは走る。
やがて、沿道で声援を送る『ふぃー』さんとチビちゃん発見!
駆け寄り、君と握手!
給水も取らずに走り続けるデビルマン、多摩川のランニングコースは未舗装路で小さな石が転がっている事もあり、VFFでは痛みが走るのだ。
しかも11月とは思えない気温の高さでデビルアイには水滴つきまくり…。
それでも時間にしたらあっという間に会場まで帰ってきた気がする。
「デビルマン結構速い!」
「なかなかやる!」
心肺機能が限界近くまで追い込まれたとき、最後の力を振り絞り脚をだす。苦しいのにスピードを落としたくない気持ちが勝り、ゾーンに入る手前で
正統伝承者
に襷を渡した…。
(終わり)
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