沿道の声援を受けながらデビルマンはひたすらデーモン一族と闘い続ける。
しかし、デーモンの攻撃は意外なところからやってくる…。
今回の改造手術で、視力矯正に成功したデビルマンであったが、ピンホールのような穴が開いただけなので、曇って見えなくなるのはこれまでと同じ。ただ、直径2mm程の穴が行く手を阻むデーモンを見つけるだけなので、視界の狭さは半端じゃない。
腕時計の表示すら見えず、自分がどれくらいのペースで走っているのかすら全く判らない状態に。
デビル体内時計に頼って進むしか方法はない…。
それでも何とか第1折り返しまで1時間47分程度できたから、デビル体内時計まずまずの精度。第一折り返しから先、25キロ過ぎまでは次々現れるデーモンも撃破したのだが…
デビルマンは足の先までデビルマンなので、足の指が無くなっている状態。つまりサイズの合わない靴下を履いているようなものなのであるが、それが災いしたのかどうやら足の指に豆が出来た模様。
さらに、指先がちょっとしたことでつりはじめる…
これもデーモン一族の仕業か…。
それでもデビルマンは走ることを止めないで闘い続ける。この美しいものを守るために…
「なんかデビルマンもかなり疲れてんなぁ」
「デビルマンなんだから飛べ!」
「デビルマンちょっとメタボ?」
どうやら沿道の声援に混じってデーモン一族が暗躍しているようだ…。
それでもデビルマンは給水所で立ち止まるもののなんとか歩くことだけは回避。そしていよいよ声援のない西湘バイパスへ。
孤独な闘いを強いられるものの、抜き去っていくランナー達から暖かい言葉を沢山いただき、デビルマン少々回復。なんとか大磯プリンスの前まできたところで
シレーヌの鉄の爪攻撃!!
なんとデビルウィンに穴を開けられたデビルマン、自慢のウィングがしおしおの状態に。プリンスホテル側で応援していた人達からも
「デビルウィングがしおれてるぞー」
の声。
デビルマンはここまで走ってきたのに、コースの端により立ち止まってデビルウィングに空気を吹き込まざるを得ない…。
デビルマンにとってはタイムロスするよりも、デビルウィングのほうが大事なのだ。
結局、最後の給水所付近でもデビルウィングに空気を入れ、ひたすらゴールを目指す。
そして残り2キロを切ったところで
ピカチュー発見!!そして一緒にいた姫さまも発見!!
ここまでへろへろだったデビルマンもいきなりテンションあげあげ状態に!飛び跳ねて喜んでたら
「意外と元気だな~」
と言う声も。
兎にも角にも、魔法をかけられたデビルマン、最後にもう一度デビルウィングを修復して、
デビルラストスパート!!
「おぉ!!ウィングが治ってる!」
「デビルマン頑張れ~」
という声援を受け、最後はフィニッシュまで猛ダッシュ!!最後の坂も一気に駆け上がり、これぞ正義のヒーローという走りを見せつけ、ゴール!!
そして、手元の時計を見てみると…
4時間20秒
デビルウィング治してなかったらサブ4だったよ…。
と言うことで、この美しいものを守るためにデビルウィングは実は空気で膨らましているのでありました。
次回『闘い終わって』に続く。