マラソンのスタミナ~ランニングマガジン「クリール」の特集の補足です。
初心者が走り始め、最初は1km走るのがやっとで、それでもゼーゼーしていたのが、徐々に2km、3km、5kmと走れるようになる。少しずつ、より長く走れるようになり、しかもだんだんと楽になってくる。そして気が付くと、ペースも以前より速くなっている~!
スタミナの向上によってこういうことが起こります。つまりは、より長く走れるようになるのも、より速く走れるようになるのも、スタミナアップによるものなのです。
この間、呼吸から得た酸素でエネルギーを生成する能力が段階的に向上していきます。たくさんのエネルギーを作れるようになるわけで、その分、より長く走れるようになります。
ただ、この点に限っては自転車や水泳をやっても同じことになります。しかし、実際に「走る!」という運動(トレーニング)をすることで、走るのに必要な筋力が発達します。この筋力増強が、より長く走ること・より速く走ることにつながっていきます。
この作用は、けっこうなレベルまで発達し続けます。個人差があるのは大前提ですが、たいていはサブ4前後くらいまで続きますし、中にはサブ3もしちゃう人もいますね。
いずれどこからか、もっと速いペースで走る練習も必要になってくるのですが、そのラインは多くの方が思っているよりもけっこう上の方にあります。
にもかかわらず、けっこう早い段階からスピード練習なんかを入れ過ぎちゃって、逆に思ったような結果を出せないでいるランナーも少なくありません。スピードに目が行き過ぎちゃって、肝心のスタミナアップが疎かになってしまうのです。
持久係数=<フルマラソンのタイム>÷<ハーフマラソンのタイム>
この数値が2.1よりも大きくなる人は、良く言えばスピード型、はっきりいうとスタミナ不足型です。ところがこのタイプのランナーは、けっこうな割合で、自分はスピードが足りないから目標を達成できない…と思い込んでいることがあります。
持久係数2.1で計算すると、フルマラソンでサブ3達成に必要なハーフのタイムはざっくりで1時間25分45秒程度。2.09で計算すれば1時間26分でも達成可能です。実際、きちんと練習していると2.08までアリですね。
サブ3.5ならハーフ=1時間40分、サブ4ならハーフ1時間54分となります。サブ4水準とかになると、圧倒的にスタミナ不足の方が増えてきます。トレーニング全般が、距離短め・ペース速めになっていて、マラソンの練習をしているつもりでも、実は(理論・方法論的には)ハーフマラソンの練習をしているのと同じことになり、ハーフのタイムはどんどん伸びるのに、フルのたむはイマイチ…みたいなことが起こってくるわけです。トレーニング内容のバランスの問題でもありますね。
ハーフのタイムがそんなで、サブ3.5やサブ4ができるはずはない!…と考えている方は、マラソントレーニングというものを少し見直してみると大きな改善がみられるかも知れませんよ。