グッド・ジョブ媚薬8 黙示禄102 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

2人は目を合わせて笑った。

1時間後美喜とマギーは正一郎宛てにパンティと手紙を置いて
部屋を出て行った。
『素晴らしい夜をありがとう。美喜♡』

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翌朝、亮はキャシーの部屋で目を覚まし
テラスに出てコーヒーを飲んでいた。
「眠れなかったの?」
キャシーは白いガウンを着て出てきた。
「ええ、まあ。今日の事でちょっと興奮しています」
「大丈夫よ、他の株主だって不正を明かして欲しいはずよ」
「でも。不正を明かせば一時的に株価が下がります。
 それを拒否する株主もたくさんいるはずです。
 たとえ30%の株価を抑えて拒否権を発動しても
 残り70%の株主が反対したら会社は変わりません」
「亮ならうまく行くわ。みんなあなたの味方よ」
キャシーはキスをして亮を勇気づけた。

「朝からお熱いわね」
「ああ、おはよう。ケイト」
亮は下着姿で出てきたケイトに答えた。
「ねえ、今日のF電機の株主総会出ていいかしら?」
「それは無理ですね。前もって手続きをしないと・・・」
「じゃあ私の代わりに行ってくれるケイト」
キャシーがケイトの手を握った。
「本当!嬉しい。何着て行こうかな」
「キャシー朝ごはんは?」
キャシーが部屋に戻ろうとすると
亮が止めた。

「ああ、パンケーキ作って」
「分かった」
亮はケイトに合図を送ると心配そうにキャシーに聞いた。
「キャシー、体調が悪いんですか?」
「ううん、ちょっと家で仕事をしないと・・・」
「良かった。じゃあパンケーキ焼きます」

亮がキッチンに入って支度をしていると
美咲から電話がかかってきた。
「亮、塩見の逮捕状出なかったわ。
裁判所が塩見を詐欺と認めなかったそうよ」
「やっぱりそうですか。飯田さんの仕事評判悪いですからね」
「ええ、それに塩見はかなりこっちの
 人間とも繋がっているみたい」
「そんなに・・・」
亮は塩見の裏の世界の力に恐怖を覚えた。

「ええ、父があぶりだそうとしている警察の悪と
 つながっているかもしれないわ」
「やはり正面から向き合う事にします。
 今日の株主総会は荒れそうですね」
 亮はため息をついた。

「ごめんなさい、でも警視庁は塩見を逮捕したくて
うずうずしているはずよ」
「分かりました。今度こそ塩見を逮捕できる確固たる
 証拠を見つけます」
「お願いします」

亮は美咲との電話を切ってパンケーキを
焼きながら思いを巡らせていた。
「亮、うまく行かなかったの?」
キャシーが心配そうに聞いた。
「ええ、日本には総会屋と言って株式総会の運営をスピーティに
 する組織があるんです。そう言えば聞こえが良いんですが
会社内の問題を株主に対して隠ぺいする組織があるんです」

「どうしてそんなことするの?そんなことしたら
 株主訴訟を起こされて逮捕されるわ」
キャシーはアメリカと日本の会社の違いを聞いて驚いた。
「日本にはそれを堂々とやっている企業があるんです」
「本当!」
「日本は経済大国と言われていますがその割に会社運営がずさんで
それに対する法律が整備されていないようです。
もっと会社法を考えるべきでしょうね」
「そうね、国を裕福にするのには国に納税している企業を
 育て強化しなくてはいけないはず」