グッド・ジョブ媚薬8 黙示録76 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

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ヘリコプターで三島N大附属病院に着いた
五郎と小妹を院長が待っていた。
「緑川先生、お久しぶりです。現役復帰ですか?」
「ええ。まあ、それより患者さんは?」
「はい、隔離室に入っています」
「ありがとうございます。すぐに対応していただいて」
「飛んでもありません」

五郎は隔離室のまで防護服に着替えて
担当の看護師に聞いた。
「バイタルは?」
「体温が39度。血圧80、心拍数60です」
「白血球がかなり・・・」
「採血しているんですね」
「はい」
五郎は緒方の血液を顕微鏡でみた。

「違う!これはあのウイルスの亜種だ!、それより原種に近い」
五郎は興奮していた。
「それでどうなんですか?」
同じく防護服をしていた小妹が五郎に聞いた。
「うん、出来たばかりで臨床実験をしていないがこのワクチンを使おう」
五郎はポケットからボトルを取り出した。

「大丈夫?」
小妹が五郎の耳元で囁いた。
「大丈夫だ。亮君のレシピ通りに作った」
「なら大丈夫だね・・・」
小妹はニコニコと笑った。
「小妹さん、亮君は私の誇りです」
緒方に注射を打った、子供のいない五郎は亮を我が子のように思っていた。
「うふふ」
小妹は亮を思う五郎のほころぶ顔を
見てうれしかった。

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亮は井の頭線渋谷駅の出口で美喜を待っていた。
「亮!」
美喜は久しぶりに2人きりで会った亮に抱き付いた。
「美喜さん、今からお買い物をしましょう」
「本当!」
「まず109で洋服を買ってファッションモデルの幸
田美喜になって欲しい」
「うふふ、そう言われるとゾクゾクしちゃう、キュロットが良い?
ショートパンツが良い?ミニが良い?」

「ミニ・・・」
「えっ?聞こえない!」
「ミニチュカート」
「はいはい、チュカートね」
美喜は笑いながら亮と腕を組んで109に入って行った。
「そう言えばじっちゃんは?」
「ええとスカウトに行ったわ」
「スカウト?」
「ええ、海猿を観ていて感動したらしく国際救助隊に必要だって」
「なるほど確かにサンダーバードみたいに5人じゃ無理だ。

それにあれは2026年の話だし、でもちゃんと考えているのかな?」
「亮はまだ行っていないからわからなようだけど、本気で作っているわよ」
「そう、知らなかったなあ。飯田さんも教えてくれなかった」
「秘密基地だったからじゃない?」
「秘密基地なら大工さんはどうなんだって昔からの話がある」
「あはは、本当ね」
現役を離れて3年以上経っても元モデルの美喜は
どこでも目立ち後ろから女性たちが羨望の眼差しで見ていた。
そして、脇にいる亮にも女性たちは目をやり
こっそりと写メを撮っている女性が居た。

「美喜さん、ここ中々良い物がありますね」
「そうでしょう、安くておしゃれでしょう」
「やはりスタジオのニューブランドは必要ですね」
「そう、コンセプトに合わせて最低でも5つ以上のブランドは必要ね。
その方が販売が伸びるわ。チャイルド、スポーツ、フェミニン、エッジー、
アメリカン、そして亮の好きなガーリーなティーン・カジュアル、
あれOL系も好きだったわね」
「勉強になります」
亮は黙って頭を下げた。