葉子が言うとみんながうなずいた
「どうかしら、亮はきっと学者にするつもりよ」
仁美が葉子の話を否定すると
「そうか才能は遺伝するものね。でも美人で頭が良かったら
男性が近づかないわ」
「あはは」
みんなが笑うと直子が仁美に聞いた
「仁美さん、どうしてタイミング良く日本に戻ったの?」
「綾香が亮の身に何かがありそうな予感がしたみたいで
ずっと泣き止まなかったんだけど、亮の写真を見せたら
ピタリと止まったの」
仁美が答えると
「すごい、さすが綾香ちゃん。超能力のあるのかしら」
智子は綾香の頭を撫でた
「それで、仁美さんはいつまで日本に?」
美喜が聞いた
「綾香を浅草の両親に会わせて、亮と一緒に帰るわ
明日はゴールドに行くつもりよ」
「よかった、仁美さんがお店に来れば猪狩さんの元気が出るわ」
「仁美さん、綾香ちゃん亮の両親には会わせないの?」
直子が聞くと普段は凛としている仁美が困った顔をした
「どうしよう」
~~~~~~~
隣のテーブルでは
「桃華、腕の具合は?」
亮は心配そうに聞くと
「大丈夫です」
桃華は包帯を巻いた腕を見せた
「良かった」
亮はホッとすると森が
「それより亮はどうなんだよ」
「あはは、アバラ骨にヒビが入っています」
「えっ?」
森が驚いて聞いた
「川に飛び込んで雷管のコードを抜いたら爆発してしまいました」
亮があっけらかんと答え
「でも、美人女医さんがついているものね」
亮が困った顔をすると小妹がケラケラと笑った
「では仕事の話をしましょう」
亮が真剣な顔をして言うと一恵が亮に聞いた
「亮一文字はどうなるの?」
「そう、元々は一文字がすべての元凶です。
なんとしても奴の犯罪をすべて
暴かなくてはいけないんです」
「警察ではどれくらい一文字の罪を立件できるのかしら」
一恵はまた一文字が保釈されてしまうんじゃないかと不安だった
「一文字は今、成田空港で取調べを受けています」
「本当!」
「はい、麻実さんが一文字をわざと襲って警察に捕まり
一文字は被害者として事情聴取を受けているはずです」
「被害者じゃせいぜい数時間の足止めだろう」
森は悲観的に思っていた
「ええ、そこで警察は別件でシャンプーの件と教会の件で
事情聴取するはずです」
「なるほど、それで京都の殺人はどうなるんだ?」
森は亮に聞いた
「容疑者のエリックとボニーとハリーは新潟からソウルへ出国しました。
たぶんそこからアメリカに戻ると思います、裏で有森が動いていた事が
分ったFBIがアメリカ中の国際空港を張り込むでしょう」
「なるほど、京都の事件は日本人だから本気じゃないが今度は
FBIのプライドがあるというわけか」
森が言うと亮は
「はい、そうだと思います」
「じゃあ、これで俺達の仕事は終わりか、なんかすっきりしねえな」
森が言うと一恵、小妹、蓮華、桃華、マギーがうなずいた
「僕もスッキリしませんが後は警察にお願いをするしか有りません。
それより明日のキャバクララブポーションのオープンとブルックのライブ
を成功させなくてはいけません、それが僕の差し迫った仕事です」