地獄タクシー 八章 舞鬼 ① | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

第七章 舞鬼


【二一八日の朝


 辺りはまだ暗く気温は度。

 吐く息が白く夜明けにはまだ遠い



 カーキ色に染めた幌のついたトラックが、

 S駅のロータリーに着いた。

 そこから覆面をした数人の男たちが降り

 大きな黒い塊を台車に乗せ

 シャッターの前止まった。


 そして、男たちが脇にあるボックス

 にキーを差し込み、色のボタンを押した。

 すると、シャッターガラガラと大きな音を

 立てて開き始め


 異常に早い時間にシャッターの

 開く音を聞いた駅員は驚いて走ってきた。

 作業をしていたうちの二人の覆面をした男は

 駅員に向かって走り出し、

 ためらわずにサバイバルナイフで

 駅員の左胸を刺した。

 


 血しぶきを逃れるように、二人の男は止まることなく

 階段を駆け上がって宿直室へ入り

 残りの男たちがその荷物を持って上がった頃

 人は宿直室から出てきた。


 宿直室の中はJRと地下鉄の職員を含めて

 血だらけになった八人の男が横たわっていた。

 


 ホームには台の電車がまっていた

 仲間の一人がその電車の前から

 五両目の非常コック扉を開け

 黒い塊車両に入れると、

 人の男が運転席のドアを開き飛び乗った。


 その男が無線で連絡をすると

 S駅の前に停まっていたトラックから

 次々に迷彩服に覆面とヘルメット

 をかぶったたちが降りた。


 手には、それぞれ木製グリップの

 自動小銃AK47を持ち

 足早にホームへ向かい、

 一列に並んでドアの開くのを待った。


 先頭車両の前に立った男が手を上げると

 ドアが開き、男たちは一斉に乗車した。


【四一五

 送電が開始され、M行きの電車はライトを

 光らせ、その集団を乗せて出発した。


【四二五

 電車が桜田駅にくと四〇人が降車し、

 そこにいた六人の駅員をナイフで刺殺し、

 警視庁の正面玄関へAK47

 構えながら入っていた。


 地下三階、地上一八階の建物に入って

 いった男たちのうち、二人は玄関に立ち

 屋上には六人がライフルを持って

 各方向に立っち外からの攻撃にそなえた。

 

 一〇階にある本部通信指令センターには

 職員が一〇人ほどおり、たちが入った

 瞬間にAK47を撃ち放たれ、

 一〇もかからずに全員が数メートル飛んで

 倒れた。

 

 男たちは各階に二人づつり、

 一〇〇人以上いた警視庁の職員、

 警察官のすべての人間を射殺していった。


 そして、警視庁内にあるすべての武器は

 一〇階の指令センターに集められ

 同時に警視庁のすべての入り口が閉ざされ、

 男たちが侵入してからものの

 二〇分で完全に制圧された。


三五

 電車が永田町に到着。警視庁で

 降りなかった残りの男たちのうち

 一〇がここで降車した。そして、


 一二人の駅員をナイフで刺殺し、

 改札を出て階段を階上がり

 7番出口から都道府県ビルへ入った


 ビル内にいたガードマンを刺殺し、

 一〇人のうちの四人はエレベーターで上がり、

 核爆弾をセットした

 

 爆弾をセットした四人はそのまま地下入り口

 閉鎖し、屋上にはライフルを持った四

 配置につき、ビルの玄関前には二人の男が立った


【四四〇

 電車は麹町駅到着。ここでは一一下車した。

 駅のホームの先頭出口より侵入して

 二名の駅員を刺殺し、

 男たちは階段を上がってジャパンTV

 正面口から突入した。


 ガードマン射殺し、地下入

 シャッターを下ろして閉鎖した。

 道路に面した二ヶ所の玄関に二人づつ

 計四人がライフルを構えて立ち、

 屋上には二人が配置についた。

 

 残り七人は、一〇階建てのジャパンTV

 各階に入った。ちょうどその頃、一階の

 奥のAスタジオで五時のニュースの準備を

 しており、アナウンサーを交えてスタッフが

 打ち合わせをしていた。


 そこへ、厚い扉を開けて男たちが入ってきた。

 男たちは機関銃をスタジオ内にいる全員に向け、

 男たちのうちの何人かが階段を上って

 副調整室へ入った。

 

 機関銃が偽物だと思って飛びかかった

 スタッフの一人は、首が無くなるほど

 弾を撃ち込まれ、悲鳴とともにスタッフ全員

 がしゃがみこんだ。

 

 Aスタジオが占拠されている最中、

 一〇階までの各階の職員は、

 ある者は射殺され、

 ある者は部屋に監禁された。


 つづく