獣医鷹子 40 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

手術室では、割れたあばら骨の摘出が始まった。

一つ二つと骨を取って行く中で問題が起きた

「原先生」鷹子が言った

「動脈のそばの血管に破片が刺さっているな」

「ええ、これを取ったら出血が起こり

心臓のすぐそばの血管が裂けるかもしれません」

「ああ、困った」


鷹子は決心をして見学室の方を

見上げた「すみません、みなさん」

周りにいる人たちは注目した

「みなさん今からやる事は、

ここだけの秘密にしてください」

鷹子が言うと全員がうなづいた



「でた、鷹子の心霊手術」仁が囁いた

鷹子は目をつぶり精神を統一した。

すると、鷹子の手が青白く光り始め

開いた胸の上に手を乗せると、

鷹子の手がユウの胸に入っていった。

そして、掌の血の中から白いとがった

破片が現れた。



OK

「取れた」

「わー」看護師が声を上げた

「もう一度レントゲンを撮って確認して、

他に破片が無かったら縫合します」

「はい」

「みなさんありがとう」

「マトリックスみたいですね」

拍手が起きた。

「まさに神の手だな」

原教授が言って鷹子の肩を叩いた


集中治療室では手術が終わった優子が寝ていた。

「仁もう大丈夫だからね、成功したから」

「ああ、ありがとう。鷹子」

「でも胸に大きな傷が出来ちゃったから・・・。」

「大丈夫、俺が一生優子の面倒見る」

沙良が病室のドアを開けた

「御神さんちょっと」

病室から御神が出ると

「ユウの具合は?」

「大丈夫だ。皆に伝えてくれ」

「はい」

「御神さん」小池かおりが言った

「どうした。なんで此処にいる?」


「今朝御神さんに脅迫FAXが届いたので、

ユウさんに連絡したんです」

「ユウを知っているって、

かおりとりりかは、極楽蝶か?」

「ええ、ユウに御神さんのガードを頼まれていました」

「それで、どんなFAXだ」

かおりは「御神、殺す!!」と言うFAXを見せた

それを、隣にいた鷹子に渡した。

「中村耕治警視は?」

「もうすぐ来ます」沙良が言うと

「犯人どもは」

「自殺しました」

「プロか」

「たぶん」


「仁の命を狙うなんて、優子ちゃんを

こんな事をしたやつらが許せない」

鷹子は唇をかんだ

「ああ、敵はわかったたぶん龍凰会だ。

なんとしても叩き潰す」

「どうして仁を」

「我々の動きを察知していて、

中村耕治は警察だから手を出せない



鷹子は以前失敗したし、最後は俺だ」

「あぶないわ」

「鷹子、ユウはどれくらいで完治する?」

1ヶ月くらい。どうして」

「ユウの回復を待ってから龍鳳会をつぶす、

あいつに見せたいからな」

「うん」



そこへ看護師が鷹子のところに来た。

「ユウが目を覚ましたそうよ」

「ああ」

「私も」

鷹子は沙良を止めた

御神が病室へ入ると優子は目を開けた

「大丈夫か?」

「うん、ちょっと痛い」

「ありがとうな」



「あはは」

「なあ、ユウ結婚しようか」

ユウは微笑みながら「やだ」

「なんでだよ」

「鷹子さんがいるでしょ」

「ばか、あいつは、いとこだし、

中村耕治がずっと好きなんだ。

何とかしてやらないと」

「ふふふ、警察庁のエリートも形無しね」



つづく