獣医鷹子 39 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

御神は「しのばずの池」から右に上がり

谷中霊園入り口ある花屋の前に車を止め、

花を買うと。鷹子と里佳子が来た。

「おばさんご無沙汰しています」

「仁さん久しぶりね」

「そうか、3人でお墓参りは去年のお盆以来ね」

「どうしたの?突然」

「いや、報告したい事があって、おじさんに」



「ははは、年貢の納めときか」

「おい、鷹子」

その時、数人の男達が御神を取り囲んだ。

その1人の男の持ったピストルの銃口が御神を狙った

「あぶない」

ユウは御神の前にバイクを走らせ

男にバイクをぶつけた。

男は10メートル弾き飛ばされ、

ユウはバイクと一緒に車に

ぶつかった。



そして、バイクに乗った女性が男達を取り押さえた

「ユウ」御神は駆け寄った

ユウは倒れたまま動かなかった。

「ユウ大丈夫か?」

「大丈夫?優子ちゃん」

「お母さん救急車よんで」



鷹子はユウの体を触った。

「おい、鷹子口から血を出しているぞ」

「ピストルの弾がアバラ骨

に当って肺に刺さっている」

「そりゃ、危ないだろう」

優子は激しく呼吸をしていた。

「私は、絶対死なせない、

病院へ運ぶわよ」

その時救急車が着いた。



「東大病院へ行くわよ、

沙良さんぜったいスピードを

落とさせないように先導

するようににみんな言って」

「はい」

救急車が到着する頃には

谷中霊園にはバイクが数十台集まっていた

救急車には鷹子と御神と

沙良が乗って走り出した


救急車は極楽蝶のメンバーの

誘導でスピードはまったく落とす事なく

走った。

「消防士さん具合はどうですか?」

「左肺の出血がひどい、

肺にたまった血を出さないと

呼吸が出来なくなる」

「やってくれ」

「でも、私達は医療行為が

できません」消防士が言った


「私がやります」

「でも」

鷹子は優子の胸にはりを刺した。

胸からどくどくと血が流れ出した

「これで、OKだわ」

鷹子は、電話をした。

「私、藤木鷹子です。

5分後に着くから緊急手術します、

それから原教授を呼んで。

執刀は私がやるから」


「ええ、鷹子さんがやるのですか?」

「ああ、彼女は元々外科医だったのだ。

それを突然獣医になって、

彼女の引退で医学界ががっかりしたんだぞ」

病院に到着すると、看護士が

ストレッチャーを用意して待っていた

「ユウ大丈夫か。なあ生きて

又一緒に仕事しようなあ」

御神は手を握りながら話をした。

「仁もっと、夢の有る話しなさいよ」

「ユウ、よくなったら結婚しよう」

「そうそう、優子ちゃん元気が出るから」

鷹子は手術室へ入った。


つづく

つづく