獣医鷹子 32 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「ところで鷹子の方の事件は?」

「ごめん、遅くなっちゃった」

鷹子が入って来た

「大丈夫、今からだよ」

「よかった。で捜査は

どうなったの?」

「凄いことになっているよ。

国際事件だ」



「えっ、詳しく教えてくれ」

「実は三沢さんの土地が

山形県と岩木山の自衛隊演習場の

隣だったんだ」

「その土地の相続は母親の

早苗さんと晴美さんが相続する」

「もし、外国の誰かが土地を

買って何らかの工作をしたら」



「演習場が丸見え」

「その通り」

「でも相続はどれくらい進んでいますか」

「山なので延べを計測している」

「ああだから取り敢えず

香港のゴールドインベストメント社が

買うことになっているこの前、

土地を見に来た」

「今週中に売買契約じゃないか」

「誰が売るの」



「晴美さんの分だ」

「そうそう、あの土地は

源太郎さんが気がつき何年も

前から防衛施設庁に話を

していたらしいけど、

ぜんぜん取り合って

くれなかったそうですよ。

だから、どんなに貧しくても

絶対土地を売らなかったようです」



「それを、父親が死んだら

掌を返すように娘達が動き出した」

「大体、日本は危機感がない」

「防衛機密が簡単に漏れてしまうから」

「そうですね」

「耕ちゃん、よく調べたね」

「バカ、これでも警察庁キャリアだぞ」

「あはは、えらいんだ」



「仁さん何か言って下さいよ」

「何も言わん」

「あはは」

「あのな、塚本覚えているか」

「あの、ガリ勉の近所の

不良にいじめられた、へたれ?」



「あはは、そうそう、あの塚本は公安部なんだ」

「そんなにえらくなったの」

「ああ、それでお母さんと

赤星が調べた結果を推理して

晴子の旦那を調べさせたんだ」

「そしたら?」

「娘婿の守男が

元自衛隊の諜報部だった」



「じゃあ、あの土地の

利用価値は知っていた?」

「いや、それより海外の諜報部との

付き合いがあったはずだ」

「自衛隊情報部は退官後2年間、

監視がつくがその後はわからなくなってしまう」

「じゃあ、捜査は公安がやるの?」

「正式には動いていないので、

我々が引き継ぐ。もうすぐ大きな山が片付くから」

「俺の方も片付くから」御神が言った



「あっ、仁優ちゃんは」

「隣の部屋にいるよ、皆で慰労会している」

「今日の逮捕劇の立役者だからね。極楽蝶」

「そうか、警察のお手伝いしているんだ」

「そう、警察からの感謝だそうだ。あはは」

「そういえば、私のお礼は?こないだの

銀行強盗と車を見つけてあげたような気がする」

「ああ、すまん。いずれ又の機会に」

中村と高橋が頭を下げた。

つづく