獣医鷹子 30 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

その夜亜子が店を出て

駐車場へ向う途中

2人の黒い服を来た

男達が取り囲んだ。

「何ですか」

2人は無言で亜子を抱きかかえた

「やめろー」

後から来たユウは一人に飛びかかり

突きを入れた。そして、股間を

思いっきり蹴飛ばした。



もう一人の男にも蹴りを入れ、

泡を吹いて倒れた。ユウは構えた。

「強い。ユウちゃん」

「ユウ推参」

「ああ、すごーい。何者かしら」

「たぶん他に亜子さんが


金持ちなのをしている人」

「ひょとしたら、牧田かも」



そこへ呼び出された、仁が来た

「大丈夫か」

「ええ、ユウちゃんが守ってくれたから」

「良くやったユウ」頭をなでた

「ふふ」

「ところで私を襲ったのは」

「牧田でしょう。なっ、ユウ」



「ええ、牧田は不動産ブローカーで


バブルでかなりの借金が有るの、

それで、久保田議員に取り入って

ずいぶんと返したんだけど、

ここのところの不況で金が回っていないのよ



「もう調べてあったんですか」

「牧田は稲元の関係で工場の

経営者に若い女性紹介している

やばい仕事をしているわ」

「えっ」

「稲元はそのおすそわけを

いただいているようです」

「ええ、それでユウがガード

についたんですよ」



「今日、亜子さんが久保田に

5億円を渡してあるので、

牧田はどんな事でも出来るからな」

「借用書と念書を牧田が

私の代理と言って久保田に

渡せばお金を受け取れる」

「そうだ」

「私、お金貸してあるのに。

あー悔しい」

「いくら貸してありますか」

1千万円」

「取り返しましょうね」

「ホント?」

「ええ、大丈夫です」

翌日の夕方。


稲元と川野がリンプトン

ホテルで会っていた。

「今日私は転勤を言い渡されました」

川野が言った

「今の時期に」

「はい、札幌支社長です」

「まさかばれたわけじゃないだろうな」

「いや、ばれていたら支社長

にはならないと思います」


「そうだな。そうか、もう頼めないな」

「これからは、小川を」

「これからは、小川君に頼めばいいか。」

「いま、呼びましたから」

「今回のGPSの設計を


盗んだのはお手柄だったな」

「ええ」

しばらくすると、

小川がノックをした


「よお、お疲れさん」

川野が言った。

「川野さん、私、

今度移動になりました」

「なに、どこだ」

群馬の研究所の開発部長です」

「出世じゃないか、しかも今まで

以上に情報が取りやすく

なったじゃないか」

「そうですね」

「ジャパン電気は

バカばっかりだなあ」


「時期が来たら

うちへ呼んでやるよ」

「ありがとうございます。

がんばります」


つづく