獣医鷹子 17 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

それから、ユウちょっと

相談なだけど」

「はい?」

「探偵社を作ろうと思うんだけど、どうかな」

「あは、面白い。いいなあ、浮気調査楽しそう」

今までみんな手伝ってくれているから、

探偵社の方が動きやすいだろう。

それにそろそろ結婚する人もいるだろうし、

アルバイトにもなるからね」



「そうですね。御神さんは本当にいつも

皆の事を考えているんですね」

智代が言った

「うん、ありがとう。仁」

「いや、皆がいるから僕の

本業もうまく行くんだ」

「資金は充分ありますから、

大丈夫ですよ」



智世さん僕のお金どれくらい?」

「大丈夫、10億まで動かせるわ」

「じゃあ、ユウ探偵の希望者募って。

探偵学校へ入学してもらってくれるかな

OK


月曜日に御神は葛飾にある

菊地亜子の実家に行った。

「父です」亜子が言った。

「菊地です」亜子の父親は左手が


不自由そうだが目に輝きがあった。

「始めまして、御神です」

「本名言っていいの」



「お父さんの目を見たらね

「父に話をしてあるわ」

「はい、実は稲元との話を

聞きたいんですがいいですか?」

「はい」

菊地さん今何か研究して

いらっしゃるのではないですか

「わかりますか」

「はい、やる気に満ちていますよ



「気に入ったじゃあ、奥の研究室へ

菊地は仁の肩をおさえて部屋に入った

「お父さん、あの部屋に

他人を入れなかったのに」

亜子の母親が言った


しばらくすると部屋から出て来た御神

亜子に向かって親指を立てた。



「菊地さん、試作の方お願いします」

「どうしたの」

「わりと早くけりが着きそうだよ。


別な意味で亜子さん」

帰りの車の中で、仁は亜子に言った

「亜子さん、約束守りませんでしたね」

「はい?」



嘘をつかないで下さい」

「はい、ごめんなさい」

「あなたCOCOのオーナーですよね。

別にお金をむしりとる

つもりはなかったですよ」

「ごめんなさい、

オーナーがホステスなの変だし

愛人が相続するのも変に思われそうで、

ただ私は自分の働いたお金で

父の借金を返したんです」



ええ。あなたが、

お父さんの借金をどうやって

返したか良くわかっています」

「はい」

「そこで、シェスコの社長稲元に

接触する方法を考えてください

「大丈夫、あいつはあの

久保田誠一の後援会に入っていて、

後援会の牧田信夫が私のお客なの」



「大丈夫なの」

「この日のために、

個人的に付き合っていたから」

「そうか、じゃあその牧田に

あなたが投資先を探していると

言ってくれるかな」

「それだけでいいの」

「はい」

「じゃあ早速今晩」


つづく