獣医鷹子 16 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「いらっしゃいませ」

ママのさやかがニコリと笑って

御神のお尻をさわった。

「随分高い所で、でもさっきは蝶屋、

今度は胡蝶、御神さん蝶が好きですね」



「ああ、経営者が一緒みたいですよ」

「そうですか。儲かっているでしょう。

オーナーは誰なんでしょうね」

「そうですね。

かなりの女好きでしょうね」

「あはは、確かに。

この店ボーイも女性ですね」

「森岡さん実はお願がありまして」

「怖いなあ、次のCMも頼みますから、

大丈夫ですよ

「いえ、個人的な事です」



「なんでしょうか」

「今のシュスコ電気の社長、


ジャパンさんに居たそうですが?

「そうです。

うちの開発部にいて大出世ですよ」

「そうですか、色々噂ありますよね、

ジャパン電気の機密を盗んだとか」

「よく知っていますね、まいったなあ、

5年前からかな、

うちが新製品を発表しようとするたびに、

前の月にシェスコが発表してしまうんですよ」



「やはり盗まれているのでしょうか」

「ええ、噂はありますね」

「なるほど、稲元さんはどんな人でした」

「部が違っていたので詳しくはわかりませんが、

女性問題の噂もありましたね。

新人社員の3人に手を付けていたらしくてそれで、

居づらくなって外資系の

シュスコ電気へ移ったらしいですよ」



「なるほど」

「その時のシェスコへの

お土産がコンデンサーか」

「なるほど読めてきた」

「ちょっと、シェスコ関係から

仕事のオファーが入っていて、

でも断りますよ。

社長の人柄が悪すぎますね」



「あはは、悪口は言いたくないけどね。

かなり強引だ」

「そうですか。

これからも時々聞きたい事

があるんですが、いいですか?」

「もちろんです。

御神さんがシェスコのプランナー

でないのが救いですよ」



ありがとうございます

そうだ、コンデンサー大量に

中国に輸出しているんだが、

何に使っているか解らないんだ

「えっ、そうなんですか?」

「はい」



「仁さんちょっと」


先ほど歌を歌っていた智代が言った

「森岡さんではゆっくりして

いってください」

「おお、いいのか」

「はい、今度は彼女達とカラオケでも」

「おお、いいねえ

りりかちゃんにかおりちゃんね

智代と御神は事務所へ入った。

そこにはユウとママのさやかがいた。

「おお、さやかさん、ユウ。ご苦労様」

「お疲れ様です。今月の売り上げです」

「ずいぶん売り上げが伸びていますね


智代さんが経理とお店


見てくれているおかげですよ、

しかも歌い手もね



「ありがとうございます、

おかげでホステスさんが足らなくて」

「他の店ではスカウトを雇って


人を入れているし、ボーイとか

マネージャーとか男性を入れた

ほうがいいですか?」

「いいえ、大丈夫です」

さやかが言った



やだな、ここはよそ者は入れたくない


ユウは不機嫌そうに言った

「そうね、せっかくみんなで


作ったお店ですからね

「さやかさん。じゃあ、

こんなのどうかな。

六本木のキャバクラから少しずつ

来てもらって教育するのは、

いきなり銀座のホステスは無理だろうから」



「そうか、そうしてみようか」

「そうですね」

「はい、智代さんとさやかさん

相談してやってください、


大変でしょうが。よろしくお願いします」

「わかりました。大丈夫です」


つづく