急死されたプロボクサーの遺体写真が、一時、関係者によってX(旧ツイッター)にアップされた(削除に)ことが物議を呼んだとして、一昨日(25日)のヤフーニュースに流れています。
亡くなられたのは、坂間叶夢(さかまかなむ)さんという方で、今月17日、予定されていた試合の直前に20歳の若さで亡くなられた。死因は明らかになっていませんが、無理な減量が引き金になったとの見方が出ています。
ご遺体の写真は通夜で撮られたとのこと。実は、「通夜の遺体写真」については、私は強く印象に残っているものがあります。
97年に、「下咽頭がん」で亡くなられた勝新太郎さんのご遺体で、確か、写真誌「フォーカス」が掲載したものです。
奥様の中村玉緒さんが、笑みを浮かべながら、参加された方々にお酌をしている中、その真ん中で、勝さんがどーんと「ふてぶてしく寝ている」かのように映った写真です。
「がんで死んだのに全然やつれていないな」という参列された方々の感想が記事に挿入され、思わず、くすっとした記憶があります。
65歳とかなり若い死でしたが、銀幕の大スターの最後の名演かのように見え、笑顔の中村珠緒さんが花を添えた、ほっこりさせられた写真でした。
かつての日本の葬儀は、亡くなられた方の「新たな生に向けた旅立ち」を祝う儀式ととらえられ、まさに「お祭り」として、古代では1週間、数百年前に省略化して、「夜通し」で祝っていました。
功成り名を遂げた、「がんなのにやつれていない、威張っている」かのような勝新太郎さんのご遺体写真は、見る側をまったく暗い思いにさせないものでしたが、20歳という「道半ば」、無念の死を迎えたボクサーさんの遺体写真は、ちょっと…です。