一般的に会社で診断書を受け取るケースは

 

1 社員が不調になる
2 不調の訴えを会社に申告
3 会社側から 医師の診断書を提出してもらうよう指示を出す
4 社員は主治医から診断書をもらい 会社に提出する
5 会社は医師の診断書に沿って 休養、または就業時間や業務内容の調整を行う

 

この位でしょうか。

主に会社側からの発信が多いですが、たまに社員発信で診断書を提出される場合があります。

 

会社発信であれば 会社のルールがあるから診断書を出してもらい、その後は制度に沿った手続きをするわけですが、

 

会社にルールがなかったら・・・

 

会社のルールにない「事由」の診断書だった場合は どうしますか?

 

 

ある企業で実際に起こったことです。

営業部30代男性社員が 発達障害であることを診断書として提出してきた。
彼は 抑うつ状態、腹痛など身体にも症状が出ていたため 定期的な面談を行っていました。

 

私が訪問した時に定期面談を行い、その時に彼の口から診断書を提出した件を聞いた。 

勿論私には何の情報もなかったため、即人事部に問い合わせ。


提出は約1か月前。本人から営業部の上司に提出。営業部から人事部に届いた。しかし、対処方法がわからず、受理したままで特に何もしていなかった。私に質問されるまで 受け取ったことすら忘れていた、とのこと。

 

呆れてしまった私の感情はこの際脇によけておきます。(怒)


しかし、規定に無ければ どうしていいのか 悩んでしまった人事部のことは想像できます。
受理したこともすっかり忘れてしまったこの企業のケースは いつでもどの会社でも起こりうる話ですから、自社の場合はどうすればいいのか、考えておく必要がありますね。

そして、こういう時にどうするか、が本当に組織の力の見せどころなのです。


きちんと話しあって 誰にとっても納得感のある方法で対処すると 診断書を提出した1人の社員だけでなく、ほかの社員にも大きな影響をするのですよ。

みんな見ています。

間接的なことでも 会社の対応が エンゲージメントに大きく影響する、ということなのです。

 

本人は会社に何かを期待して 主治医から診断書をもらっているはずです。

医師の診断書にはすごい強制力がありますが、必ずしもわかりやすい内容が書いてあるとは言えません。でも何か対処する義務だけは会社に残ります。

 

すべての物事にルールや制度を作ることは 現実的には無理です。

だからこそ 誰に対しても同じようにきちんと向き合って話し、正しい判断をすることが必要なのです。


今回のように医師の診断書であれば メンタルヘルスの専門知識も必要になりますね。


何が正解か、100社あれば100通りあるでしょう。

ただ 絶対に無視してはならないことは「公的書類を受理した」という責任に しっかり向き合うことです。

 

この時に男性社員が提出した診断書については、きちんと主治医の先生や本人と一緒に話し合い、組織に合った形で本人の担務を考え、業務上の指示の仕方をレクチャ。

 

そして本人にもきちんと業務をこなすことができるよう トレーニングを受けてもらう、ということで決定しました。

 

その後、定期的な面談も継続していきましたが、周囲に理解してもらえ、対応方法も自分に合わせてもらえていることが とてもうれしい、仕事が楽しくなってきた、と笑顔が増え、それまであった急性腸炎でトイレに駆け込むなどの体調不良もほとんどなくなってきました。


本人も期待に応えたいとトレーニングにも力が入り、

 

1年後には 

 

なんと 営業成績ナンバー1。

 

トップ営業マンに成長したのです!!!

 

 

いつも必ず成功するとは限りませんが、本人、周りのメンバーが対応方法をしっかり理解していけば、こんな誰もがwinwinになる成果を出すことができるのです。

 

 


当然 この結果は社内でも大きな話題になりますから、ほかの社員にとっても 

 

会社への信頼感、安心感、帰属感 ➡ エンゲージメント 

 

につながっていくのです。

 

こういうひとつ一つの事例をしっかりと向かい合って正しく進めることが 組織作りには大事なことなのです。

 

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