月曜日。
幼稚園鞄に週明けの手提げ荷物、水遊びセット。
そこに虫かご2つと、
5歳には持ちきれない程の荷物をどうにか抱え、
牛歩のようにバスに乗り込んで行きました![]()
そしていつも通り帰宅。
バスから降りてきた長女は、
今にも笑い出しそうな口元に、
もじもじと目線を逸らす仕草。
明らかに何かを心に秘めて帰ってきた様子でした。
わたしのおかえりには返事をせず、ゆっくりと家に着いて靴を脱ぎながら、
「ママ?今日さ、帰りのバスの列に並ぶ時、みんなに囲まれちゃった。
みんな、虫かごの中見せてみせてって。
喋ったことない〇組の〇〇ちゃんとか、〇〇君とかも。」
俯いて靴を脱ぐ長女の顔は、
通園帽子に隠れて見えません。
でも落ち着いた口調とは裏腹に、
恥ずかしくも嬉しいような、高揚を隠せない、そわそわした声色。
帰り際に起きた出来事に、どれだけ心が躍ったのかが伝わってきました。
そしてまた次の日の帰宅後。
近所にアブラムシのついた草木を探しに行って、
子どもたちとアマガエルに餌やりをしました。
カタツムリの虫かごにはにんじんを入れて、
しばらく観察タイム。
次女と三女が虫かごの前を陣取って、
「おーい!」「おーい!」とカエルたちに話しかけています。
(次女、三女も生き物に興味津々で、
毎日幼稚園から帰ってきた後はしばらく虫かごの取り合い。
お世話がしたくて喧嘩という賑やかな感じでした
)
そんな姿を眺めていると、長女が横に来て
「今日はね、
いろんなクラスのお友達がわたしのクラスに虫かごを見にきてね、
みんなが
『これ持ってきたのは誰?』
『どうやって捕まえたの??』
って聞きにきてね、
なんだか忙しかったんだよ。」
と、また嬉しさを隠しきれない声色で
ぶっきらぼうに教えてくれました。
水曜日には、
幼稚園から帰ってきてバスを降りる時に、
「今日は小さい子たちに生き物を見せてくれてありがとうね!」
と年少クラスの先生から声をかけられていたり、
木曜日には他のクラスの生き物を持ってきている子同士で見せ合いっこをしてきたり。
一方で、
やはり生き物を毎日世話するのはなかなか大変なことで。
特にカエルを飼育するのはわたしにとっても初めての経験だったので、
毎日餌や環境について調べ、糞の掃除をし、子どもたちと一緒に試行錯誤しました。
しかしどうしても栄養がかたよってしまうこと、
狭い虫かごの中では、
自由に動き回れなくてストレスを溜めてしまうことなどを伝えて話し合い、
翌週末に元いた場所に帰しに行きました。
(もちろん事前に捕まえてはいけない生き物、
捕まえたら放してはいけない生き物を調べたり、
連れ帰った生き物たちが自然に戻りやすいように考えて1週間の飼育をしたりと、
できる工夫はしました)
ここで夫の謎サプライズ![]()
「よし、次はサワガニ探しに行こう。このまま山の中の公園行こう!」
と、またしても生き物探しが始まってしまいました![]()
次の公園は
山中を流れている小川の一部が、水遊びができるように整備されている場所でした。
イモリに魚にサワガニに、これまた生態系豊富な場所で、
次女、三女と水遊びをしている間に、夫と長女でせっせと捕まえてきました。
ひとしきり遊んで、
夫の宣言通り今度はサワガニを連れて帰りました。
アマガエルたちと同じように、次の1週間はまた
毎日サワガニの入った虫かごを持って幼稚園に通い、
帰宅するとみんなでお世話をする日々。
先週とはまた違う生き物
(しかも近所の公園にはいないちょっとレアなヤツ)
を持ってきた長女はまたしても幼稚園で注目を集めたようで、
帰宅すると
「今日は〇組の〇〇ちゃんに今度捕まえた場所教えてって言われた」
「〇〇君はパパとカニ捕まえて食べたことあるらしい!」
と、生き物の世話をしながらたくさんのお土産話を聞かせてくれました。
毎日誇らしげに生き物を抱えて幼稚園に行く長女と、
毎日長女のお土産話を楽しみにするわたし。
間違いなく、長女が幼稚園に通いはじめてから、
1番の幸せな時間でした。
以前にも書いたように
年長に上がる直前で幼稚園に転入した長女。
新しい環境に慣れるまでにずいぶん時間がかかり、
積極的に話しかけてくれる決まったお友だち以外とはなかなか関われず、
困った事があっても先生に話しかける勇気がなく。
先生からもたびたび長女の心を心配するお手紙をいただく日々でした。
そんな長女にとって、
クラス学年関係なくたくさんの子と話す機会ができ、
今までになく注目を集めて人の輪の中で自分が話をする
という経験が、どれだけ特別なもので、
新しい人間関係の縁をつなぐきっかけとなったのか。
帰宅した長女のお土産話を聞くたびに、
目に見えて広がっていく彼女の世界を
まるで一緒に体験しているようでした。
サワガニも1週間後、元いた場所へお返ししましたが、
それから家で幼稚園の話をする際に、
明らかに以前よりも出てくるお友だちの名前が増えました。
お手紙をやりとりするような仲のお友だちもできました。
カエルとカニと、カタツムリ。
長女の話を聞くたびに
生き物たちが繋いでくれたご縁に感謝せずにはいられない、
わたしにとって忘れられない2週間の出来事でした。





