「佐賀俊克は、やっとの思いで固定電話のプッシュを押した」
小説「虹を紡ぐ人びと」
ー佐賀俊克の悩みー
の
冒頭の文章。
この物語は、登場人物 一人一人の章があり
章により目線が変わることで 物語が進行していく
佐賀俊克は、主人公の父親だから 最後まで登場する
しかし 俊克の感情が描かれるのは この最初の章だけだ
物語の発端を彩る この俊克という男は どんな男だろう
主人公の父親
38歳 独身
主人公の母親とは 離婚している
両親と同居し 主人公を育てている
離婚して子供を育てる
イメージとしては 母親がひとりで育てる方が 多いだろう
しかし 俊克は 男手ひとつで子育てしている
38歳という年齢から考えると
働き盛り
独身の彼には 浮いた噂は?
もし テレビドラマだったら
俊克には 付き合ってる彼女
または 想いを寄せてくれる女の一人や二人
いても おかしくないだろう
まだまだ 若いのだから
子供がいる
と 言わなければ わからないに違いない
しかし 残念ながら この男の恋愛シーンは 無い
もっとも もっと書き込んで 長い物語にしたら
おそらく プライベートの職場のシーンなどもあり
俊克の恋愛模様も加えたら
もっと もっと
事件です
感が でたかもしれない
世間では 38歳で未婚は 男女ともに多くなっている
結婚にこだわらず 自由に生きる人々も 多いだろう
そう
恋愛小説では なかった
最近 流行りの 純文学
いやいや 内容的には なんでもあり
だろうか
事件の発端を担いながら
他の登場人物より ちょっと 影が薄いかもしれない
しかし
彼なくして この事件はおこらないわけで
佐賀俊克は 絶対 かかせないキャラクターである
小説「虹を紡ぐ人びと」
水月あす薫mizuki asuka
500円+税
540円
北の杜編集工房
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