「ねぇ、リフォームするって、いつ決めたの?」
娘の結衣がしつこく食い下がってくる。
ついさっき、タイミングよく孫の桜が泣き出したが
、それをやっと寝かしつけて結衣は話の続きをせかす。
中杉蓮美は遠い眼をした。
「それより。」
と蓮美。
「それより結衣、どうしたの、今日は。ずいぶん突然ね。
生まれて間もない桜を連れ歩くのは、感心できないわ。」
「自分の家に来るのに、いちいち・・・。」
「結婚したら、自分の家ではないの。実家っていうのよ。」
「実家って、実の家じゃないの?」
「生まれた家ね。今の家じゃない。」
「ひどい。」
「ひどくない。甘えすぎよ。」
「桜を連れて、帰るわよ。」
「もう、帰るのか?」
あわてたのは晃三。
孫が出来てから結衣に甘すぎる。
人が変わったように、孫の桜にはメロメロ。
孫と写真を撮ると、子供にも妻にも、一度もしなかった、
この上なく優しいデレデレ顔になる。
「結衣、桜は寝たばかりなんだから。」
「・・・おとうさん。」
我が夫ながら情けない。
「ちょっと、来てみたくなったの。だめなの?」
「だめじゃないわ。
連絡くらいして。
私達だって、いない時もあるのよ。」
「・・・はい。」
施主の妻 中杉蓮美#2へ続く
小説「虹を紡ぐ人びと」
水月あす薫mizuki asuka
500円+税
540円
北の杜編集工房
022-222-6309
下記書店と 宮城県大崎市佐々栄文盛堂で取り扱っています。
書店に無い時は、出版社直接注文 承りますm(u_u)m
家庭料理 蓮で置いています。
家庭料理 蓮
浅野美子
昼11:30~14:00
夜18:00~
予約優先
仙台市泉区高森7-20-7
022-378-6811