…って、思うことはあるんじゃないかと思う。
天才になりたいとか、勇者になりたいとか、魔法使いになりたいとか。
だいたい中学2年生くらいでそんなことを思ったりするんで、「中二病」の病原菌がそれだったりする気がする。
でも、周りに言わなくなるだけ、あるいは現実を見てそれが叶わないと悟るだけで、大人になってもそういうものは持ち続けていると思うんだよね。
正義の味方になりたいとか、みんなに尊敬される何者かになりたいとか。
何か隠れている才能が発掘されて、幸せになれるんじゃないかという、万能感を含有した願望。
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あたしには、ある。
すっかりおばちゃん年齢だけど。
中二病の好発年齢の頃は、小説家になりたかった。
やがて、私の筆力で食っていけるわけもないと、諦めたのが高校生の頃。
趣味で30歳ごろまで続けてたけど、その後めっきりやってない。
頑張ればすごい有能で働けると思っていたのは、就職した頃。
何も知らない若い子が、頑張りだけで失敗無く何もかも乗り越えるのは限度がある。
背伸びしすぎてアキレス腱が切れたように、体調を崩した。
大きな夢を抱いては、挫折してしまう、成功体験の足りない若年時代。
やり方が下手なのと、堪え性がないのと、我慢が足りないのがまぁ、結構な要因なんだけど、
今でも「一廉の人間になれたらいいのにな」という思いは確かに持っている。
お恥ずかしながら、とは思うけど、きっとみんなも何かしら持っていると思う。
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何かやりたいものが出て来たときに、やる前から「あなたには向いてないよ」と言う人を、信じてはいけない。
やりたきゃやってみればいいんだと思う。
大人になれば、自分でいずれ向き不向きの判断ができるようにもなろう。
子供の頃に蓋をしてきた「万能感への渇望」は、結果として可能性から遠ざかって、「自分なんて何もできない」というメッセージを残すだけになっているかもしれない。
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あたしは今、魔女になりたい。
馬鹿げてるかもしれないけど、なれたらいいなと思う、真剣に。
現代の魔女は、占いでカウンセリングをやって人の気持ちを楽にしたり、ハーブやアロマで人を癒したり、ヨガやボディワークなどで気持ちを落ち着けるお手伝いをしたりする。
現代医学の文脈からは外れるかもしれないけど、別になんの不思議行動も起こしてはおらず、他人様の役に立つことをしている。
何もできないただの主婦崩れだけど、経験(主に挫折の…)だけは人並み以上にしてきている。
それで人の役に立つのならば、あたしがあたしである意味ができる。
あたしはあたしでありたい。
それが「特別になりたい」ということ。