歩く練習、トイレ、シャワーなど身の回りのこと | harupinの聴神経腫瘍の記録

harupinの聴神経腫瘍の記録

福岡県出身/東京在住/1990年生まれ/管理栄養士

術後5日目くらいするとすべてのチューブが取れました。

まだ、めまい・嘔吐・むせ・耳鳴りは続いています。

 

ちなみに、頭の傷の感じは自分では見なかったのですが

母曰く、「フランケンシュタインみたいになっとる」とのこと。

なんと、ホッチキスで傷口が止められているんですねぇ~。

 

聴神経は「音を感じる」神経と「平衡感覚」の神経が混ざっています。

これをどちらも失ったというわけです。

このふたつは思っている以上に日常生活に支障をきたします。

 

まず、点滴棒に支えられながら歩く練習から始まります。

しかし、ベッドから立ち上がれません。

途中でクラっとしてベッドに座りました。

やはり、平衡感覚がなくなっているのを実感します。

 

なんというか、言葉で表現するのは難しいんですけど

トランポリンの上を歩いているふわふわする感覚に加えて、

メリーゴーランドの回る感じが一緒になっている感じ。

 

一人では歩けません、点滴棒と手すりを持って歩くので精一杯。

でも、トイレにはひとりで行けました。

なんといっても尿管がとれて、とても嬉しい。(笑)

 

約1週間ぶりに入るシャワーは、母に支えられながら、

私は椅子に座っているのが精一杯で、母が髪などを洗ってくれたのですが、

途中で椅子に座っているのも気持ち悪く、結局髪だけしか洗えませんでした。

 

シャワーやトイレに行き始めて、右耳が全く聴こえなくなったことを実感します。

例えば、トイレの流れる音がものすごく大きな音に聞こえます。

右耳が聴こえなくなったらから半分に聞こえると思っていたのですが、

左耳に集中して音が入ってくる感覚で、騒音に聞こえるのです。

 

髪を洗った後のドライヤーもそうです。

ものすごい騒音です。(1か月くらいすると慣れましたけど)

しかも、髪がセミロングくらいだったので、乾かすのにも時間がかかるし、座るのもまだしんどい。

髪にこだわりはないので、こんなことなら、ショートにしておけばよかったと思いました。

 

今まで、両耳の場合は無意識に必要な音を大きく、不要な音を小さくして、聴こえやすいようにしてくれていました。

脳のなかでノイズキャンセリングしてくれていたんだなと。

そんな器用なことをしてくれていたんだなぁ、私の右耳と感心しました。

 

ちなみに、補聴器を使えばいいのでは?と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、

聴神経を取り除いているので、聞こえにくいものを聴こえやすくする補聴器などは意味がありません。

拡声器で例えるなら、拡声器の中の電池を流す「線」が切れているという感じですね。

一生、片耳と付き合っていかなければならないのです。

 

また、片耳は音の方向が分かりません。

看護師さんがカーテンを開けるときに「〇〇さん失礼します」の声が

そもそも○○が聞こえにくくなっている、方向が分からなくなっているため

とりあえず、返事をしていました。(笑)

音の方向が分からないというのは、来院して日常生活に戻ってから

とても不便なことだと改めて実感します。

 

実は、私はトイレとシャワーに行けたのは半日だけ。

この日の夜からICUの次につらい日々が始まります。