飛騨高山ウルトラマラソン2025を走ってきました。

 

今回はサブ10やっちゃうぞ!と意気込んで臨んだわけですが

まぁ、、、人生いろいろありますわな。

 

さて大会のスタートは4時半。

 

前日の寝つきはスタートダッシュを決めて

20時には夢の中、そして24時前に起きちゃった。

二度寝を試みるもそわそわして寝付けず。

 

F1が放送されていたので寝ないとなぁと思いつつ視聴。

最近のF1ってエンジン音しないのね。

(ちなみに帰路に立ち寄った鈴鹿SAの個室トイレの音姫は往年の爆音F1カーでした)

 

その後もうまく寝付けず2時前に起き上がる。

おはぎ2個とちっちゃいお稲荷さん3個、おにぎり1個をもぐもぐ。

 

会場には1番乗り。

お花摘みに勤しむべく何回かトイレに行くが

まったく音沙汰がなく、

大会朝のノーヒットノーランは初めてだなぁ。

不安。

 

とは言え、スタート時間は待ってくれない。

よーいどん。

 

(1-10km:51分22秒)

スタートして思ったより人込みがあったので

2kmほどペースを上げて心地よいポジションを取りに行った。

その後は5分少々のマイペースで巡行、なんですけど。

ちょっとした上りの感触がなんかめっちゃ悪い。。

前腿と内ももが固い感じがしていた。

できるだけ力を使わないように気を配って走った。

 

(11km-20km:52’46)

少しずつ上り基調になる区間で15、16kmあたりでグイっと上る。

そのグイっと上る区間で明らかに

「あぁ・・今日のおれ、全然上れない」と確信してしまう。

(後から前年の区間タイムと比較したらそこまで遅くなかった)

(単に前年より感触が猛烈に悪く、いろいろ残念な結果になっただけの模様)

下りに入るとより前腿と内ももはこわばりを増していく。

これ、あかんやつや。

 

(21km-30km:54’21)

明らかに両脚共にこわばりが強い。

ちょっとした上りでペースが思っているよりも落ちる。

下りは衝撃を吸収する余力がどんどん削られていく。

これあかんやつや。

 

(31km-40km:1:00’58)

いざ標高1010mのコース最高地点へ。

ラップだけ見てると一応走ってそう、ではあるけど歩いたような気もする。

カーブを曲がるたびに「最高地点の看板あれ!」と

願うもなかなか姿を現さない、ムキィ――!

そして坂を上り終え、僕は「1度目の死」を迎えるのである。

 

(41km-50km:1:07’08)

40kmを過ぎると待望の下りとなるのですが。

脚がカッチカチに固まっていた。

下れない。あんよがじょうずくない。

 

スクワットを延々と続けているような感覚。

幸いにも攣る兆候はまだなさそうだが、歩いても止まっても痛い。

とにかく両太ももがビッキビキだ。

え、まだ半分以上残ってんじゃん。

 

(51km-60km:1:10’41)

多少のアップダウンはキロ7ぐらいでなんとか進む。

55km目からなぜか脚からリキみが取れ、普通に走れるように。

40kmぐらいから55kmぐらいまでの都合15kmぐらい死亡区間だった。

とは言え、この復活劇は第3関門の丹生エイドまでだった。

約3kmだけの復活。

 

丹生エイドでは飛騨牛焼肉(目玉!)が供されるのでが

ちょっぴり気持ち悪くて食べる気が起きず。

なんたる事か!(泣)

 

丹生エイドから出発すると脚のこわばりと攣りが始まった。

合併症!!

(なるほど止まるとあかんタイプやな、止まるけど)

復活から間もなく「2度目の死」を迎えたのだった。

 

少し走って多めに歩くを繰り返して進むほかない。

 

(61km-70km:1:17’02)

60kmから約2kmはいよいよ千光寺へ続くきつい坂。

ここは当初から歩く事を考えていたので心理的にはホッと一息。

丹生エイドから千光寺の坂道入口まで死んでいたおかげか

脚のこわばりは多少紛れて周囲と同じぐらいには歩けていた。

 

千光寺に至り、エイドで一休み。

そしてここからは下り!ではなく

1km弱の上りが嫌らしく待ち構え、その後ようやく下りが始まる。

走れないよなぁ、と思いきやなぜかここで2度目の復活。

上りをしっかり走り切り、そのまま下りもキロ5少々で走った。

 

(71km-80km:1:13’07)

この区間は概ね平坦でそしてなにも楽しみがない。

虚無の区間。

 

もはや記憶がはるか彼方だが

きっと歩く事も多かったのだろう、タイム的に。

 

(81km-90km:1:32’13)

エイドが待ち遠しくて仕方がない。

胃の吸収力が落ちているが喉は乾くので

水分摂取量は前半に比べて明らかに多くなる。

丹生エイド手前ぐらいからちょっと気持ち悪さがあり、

熱中症の初期症状だったのかもしれない。

 

84km地点ぐらいだったでしょうか。

ちょうど71km組のランナーとコースが分かれる箇所があります。

(71km組はそのまま直進し、1kmほどでゴール地点の場所)

心がへこたれているのも加わって

どっかりと地べたに腰を下ろし、思案した。

このまま直進(=棄権)して帰っちゃおうか、と。

 

84、85kmのラップが合計30分ちょい。

この現場をMさんに発見されご心配をおかけしてしまう。

都合「3度目の死亡」。

 

ここで止める事はきっと後悔する、と思い至り

「ふんが!」と立ちが...、

腕の付け根とわき腹を攣り、

しばし鼻の穴をぷっくり膨らませて仁王立ち。

 

がんばってあるくぞー(棒読み)

 

89、90km目にはラスボス峠が立ちはだかる。

その手前にエイドがあり、どっかりと腰を下ろす。

去年もここでは座って「よし、行くぞ!」

「いや、まだ時期尚早!!」と問答を繰り返したなぁ。

(思い出)

 

なんやかんやで立ち上がり、坂道に挑む。

歩くのに毛が生えた程度だがラスボス峠を走り切った。

えらい。

 

(91km-100km:1:24’23)

ラスボス峠をクリアするとまたエイドがある。

ほんと、たくさんのエイドがあって助かります。

 

しっかりした下りが2kmほどあるのですが

歩いても止まっても足を攣る、

しかも表側、裏側を同時に攣るものだから

伸ばすに伸ばせない攣り地獄。

あっちを立てればこっちが立たず。

 

こりゃどないもならん!!と

地べたにどっかと座り込み、脚を放り出すほかなかった。

「4度目の死亡」。

まだ残り7、8kmあるんだよなぁ、

立つこともままならないのはきついなぁ。

 

ちくたくちくたく(約30分経過)

 

起き上がられるかな。

脚に力が入ると即座に攣る、なんというレスポンスの速さ。

 

かくなる上は!

細心の注意を払い、座っている状態から仰向けに態勢変更。

(腕とわき腹を攣ったのでそのままちょっと休憩)

そこからうつ伏せにトランスフォーム!!(完璧、地面けっこう熱い)

そして四つ這い、近くの岩場を掴み上体を起こし、起立。

あんよがじょうずよーー!!(歓喜)

 

ちょっとずつでも動かなないと固まるだけ。。

歩き、そしてキロ7分半ぐらいで走る事を続けた。

止まったら次走り出せる気力と動く脚はないものとして

ゆっくりでも距離をつぶしていく。

 
するとどうでしょう。
残り5kmぐらいから嘘みたいに攣りの兆候が消え、
キロ6、キロ6を切り、キロ5分半で巡行、
そして上りを含むラストはキロ5分前半までペースアップ。
 
2025年の飛騨高山は4度死に、4度生き返ったレースとなった。
波乱万丈なレースであった、そして記憶は美化されてゆく。