チャレンジ富士五湖へのチャレンジ(4/全5回) | ごまめが歯ぎしりをやめる日

ごまめが歯ぎしりをやめる日

くだらない事をうだうだと書ける今日という日に、心から感謝。

復路の西湖。ゴールまであと25kmあまり。

(75km走ってきたというより、残り距離のことばかりが気になるもので)



80kmで10時間なら、あと20kmを4時間でいい。

ここが一応の安全圏と考えて、とりあえず先の5kmをしっかり走った。



西湖の南側は、前半と後半でまるっきり表情が変わる。

前半は湖面が見えず、森の中を走っているような感じだが、

後半は湖に沿って、リアス式のごとく入り組んだつづら折りの道を進む。



気づけば80km。一度も歩くことなく、80km。

タイムも10時間を切ってこれた。ゴールがうっすらと見えたような気がした。


でも油断はできない。あと20km、無事に走れる保証などどこにもないのだから。



81,2km。西湖公民館の第4関門。


雨の中、エイドで頑張ってくれているボランティアの男の子達が「頑張って下さい!」と大きな声で、拍手とともに送り出してくれた。


嬉しかった。ここまできたら、エイドでのサポートや沿道の声援、何ひとつ無駄にするものかと、再び気合いが入った。



後半のつづら折り。どこまでも続くガードレール沿いの道。

アップダウンはなく、風も今年は弱かったが、

直線距離だとかなり先が見えている中をクネクネと走っていくのは精神的につらい。



雨も少しずつ強くなってきた。それでも走るしかない。

歩くと身体が一気に冷えてしまうのが怖い、という思いもあって、ここはもう走りきるしかないという開き直りもあったのだが。



・・・加えて前を行くランナーは、みんな歩いていない。こういうのも励みになる。自分が苦しい時は、他の人も苦しい。



西湖の端が見えた。トンネルの向こうに、河口湖が見える。

去年と同じ景色でも、何か重みが違う。ここまでたどり着いた。でもまだ終わりじゃない。



再び西浜小学校のエイドへ。

ホットココアを2杯頂く。胃も結構疲れてきているのか、食べ物に手は出ない。



エイドを後にし、最後の湖は、復路の河口湖。

ただし湖畔の距離としては3分の1ほどで、そのまま富士吉田市内へと入っていく。



ここも、去年はあっという間だったはずなのに、今年はやけに長い。だんだん脚が言う事を聞かなくなって来た。


雨も強くなり、サングラスの中に入ってくる。視界は曇り、はっきりしない。加えて右目が痛み出す。



解放されたければ、ゴールすればいい。不思議とこの日はポジティブな気持ちを通せている。

時間的にも、100kmを完走できる大きなチャンスを迎えているのだから、絶対フイにはできない。



でも、苦しい。歩きたい。

そんなタイミングで、赤信号がくる。これもある意味ラッキーだったか。



このレースの特徴的な点として「交通規制がない」ことが挙げられる。



ランナーは原則的に歩道あるいは側道を走らなければならない。

信号も遵守が原則となる。対面信号が赤の場合は停止しなければならず、ここでのタイムロスも計測に含まれる。



ウルトラを走り慣れた人に、赤信号の小休止をマイナスと捉える人はきわめて少ない。

特に後半の赤信号はかえってホッとすることも多く、ストレッチや屈伸で一息入れるのにちょうどいい時間と考えればいいのだ。長くてせいぜい1分。



信号だから止まっている。自分の意思で止まっているのではない。

こうした理由付けで小休止できたのも、運といえば運かもしれない。



そして、95.1km。

河口湖ステラシアター。最後の関門。もう残すはゴールのみ。



オレンジジュースをグイと飲み干し、さあ行こうと思ったまでは良かったのだが、

目の前には最後にして最大の難所、約3km続く急勾配の坂。




・・・今年も、脚が前に出なかった。