【vol.167】
あなたの「夢」を建築で叶え
あなたの「想い」を書で表現する
建築デザイナー・書道家の藤井俊二です
京アニ。。。
ほんまに許しがたき
痛ましい事故が起きてしまった
放火が本当であれば。。。
作品をぱくったことが本当であれば。。。
それでもこれだけの犠牲者を出した
人災は許せない
死者33人、重軽傷36人
何故これだけの犠牲者を出したのか
建築基準法、消防法など
細かく見て行けば要因は沢山あるが
ここでは3つのポイントで見て行く
①2つの階段とバルコニー
構造は鉄筋コンクリート造3階建て
事務所用途なので基準もゆるくなる
建物内には2つの階段とバルコニーがあった
避難経路としては充分であった
一つは通常の避難階段
もう一つはらせん階段
そしてバルコニー
避難階段は防火扉があるはず
火災時に反応して防火扉が閉まるようになっている
もう一つのらせん階段
これが区画されていないために
煙突効果といって一気に3階まで
煙と炎を達してしまった
<京都新聞デジタルニュースより引用>
1階の玄関で放火されたために出口がふさがれ
避難階段を利用して屋上へ逃げようとしたのだろう
3階から屋上への階段での死者が多かった
さらに避難階段に人が殺到するため
階段の入り口の幅に対して
人が多く押し寄せるとたちまち混雑する
駅のホームで大勢並んで
一気に乗り込もうとしても
電車の入り口が狭いから
大勢一気には乗りこめない
状況を浮かべて頂けると分かりやすい
そしてバルコニー
バルコニーへ避難し外部からの
救助を待つこともできた
しかし、窓ガラスが割れてそこから
煙と炎が室内に入ってきて
とてもじゃないけどバルコニーに
出ることができなかったのではないか
②平面
この事務所の平面はトイレと会議室以外は
間仕切りがなくワンルーム状態の
大きな空間となっていた
煙の上へのスピードは
3~5m/秒に対し人は0.5m/秒
上へは煙が圧倒的に速い
煙の横へのスピードは
0.5~1m/秒に対し人は1~1.3m/秒
なので水平に対しては人が逃げる方が速い
でも間仕切りがないために
煙をさえぎるものがなく
階段もふさがれたために逃げ遅れたのではないか
③水平庇
俺が最も注目したことはこの
水平庇
ニュースでの建物の映像をご覧頂ければ
分かったと思うが
窓の真上から建物の壁に沿って真黒
だったことが分かる
これは、煙や炎は窓の上から
壁につたって勢いよく上階へうつる
それを遮る役目をするのが
スパンドレルと呼ばれるもの
いわゆる水平庇
これをつけていれば窓の上にまっすぐ煙はいかない
この水平庇がついていたら
少しは上階への延焼を緩和できたと思う
スプリンクラーはこの規模の建築物には
設置免除である
火災が起きた時にとっさに冷静な判断ができるだろうか?
2階程度なら借りに飛び降りたとしても
骨折したりはあるかもやけど
命を落とすことはなかったんではないか?
それでも上階へ上階へ避難しようと
したのは人間の本能なのか
今回の事件でまた考えさせられる事案になった
今は犠牲者のご冥福をお祈りいたします