入院初日悪夢の点滴。


この点滴さえ終われば、悪夢から解放されるのだ。

 

にくい点滴をにらむ!


氷枕がとけて、ちゃぷちゃぷ音がする。
それだけで、


吐くゲロー

 

 

看護師さんが弱った私を見つけ声をかけてくれた
大丈夫ですか?」

 


だめです
。」

 

 

 

だめなんだもん。

もういやだ・・。

 

 

 

看護師さん
「この点滴はね。気分が悪くなる人が多いですけど、
慣れますから。がんばってね。
氷枕変えますね。
みつごちゃんのためですよ。」


慣れる?慣れるのか?これ・・。

よろよろと横になり一瞬の眠り
というより、


気絶?


看護師さんが声をかけて目が覚めた。

「点滴終わりそうですね。」

 


「はい。そろそろ終わります!」

 

 


ようやくこの地獄から解放されるのか!
やったぞ。

 

 

 

またまたこれも甘かった。
 

 

 

 

看護師さん、笑顔で次の点滴を持ってきて
ガチャリと機械にはめ込んだ。

 


「えっ?

終わりじゃないんですか?」

 

看護師さん
24時間点滴ですよ。

張り止めですから。

お母さんは具合悪くても赤ちゃんは快適ですよ。

まだ吐き気はありますか?」

 

 

 


「え?」
言葉につまる・・・。


絶望した。


ここに入院している間、この点滴すんの?

 

やだ。やだ!。

 

いつか脱走してやる。

 

半分、切れている私。

 

 

点滴を入れていると

トイレが近くなるのだ
慣れない手つきで

点滴棒を引きずりながらトイレへ。

 

途中気分が悪くなり、座り込む。

 

 

 

トイレの個室に点滴棒が入らない。

もーーっ!


どうせ人なんて入ってこないわよね。

人生初めて


トイレのドアを開けたまま用を足した。

入院初日の夜、女を捨てた日でもあった。

 

つづく