エスカレート-16-
波止場へと連れて行かれた。
辺りはすっかり暗くなり
海の波音だけが……
静かに聞こえてくる。
「お前なぁ
何で俺の気持ちが分からんの?」
「……」
「あんなぁ 警察に言おうなんて
間違っても思うなよ?
まぁ俺は捕まらないけどね」
幸也は事あるごとに
法律の話しをしていた。
民法、刑法……
法をくぐり抜ける術を知っている。
暴力を振るわれたわけではない
そして何かを壊されたわけでもない。
きっと警察に行っても
相手にされないだろう。
だが……
警察に行くという選択肢はなかった。
何故なら……
幸也は今、保護観察の身
警察沙汰になれば幸也はどうなるだろう
そうなる前に
元の幸也に戻って欲しかった……