渋谷へ。
金曜にできたばかりのhikarieに人が群がっておった。
国連大学前でfarmers' marketに寄りつつ、
原発反対のデモに道を阻まれつつ、
青山の岡本太郎記念館へ、歩く。
冬に大阪の国立民族学博物館へ行きまして、
まぁそこは万博記念公園なので、当然、太陽の塔がいらっしゃる。
しかし、ああこれがあの、という感じで、実はあんまり感動がなかったんである。
みんなが大好きな岡本太郎なのに、わたしが彼をこれまで知ろうとしてこなかったのが、
このうっすいリアクションの原因だ。
そんで、どっかひっかかるものがあって、
最近では通勤中、氏の著書「今日の芸術」を読んでいる。
ただ、芸術と関わることのなかったわたしにとって、やっぱりなんだかよくわかんない。
だったら実際に目で見てみよう、と言うことで、行ってみた次第だ。
とはいえ、自宅兼アトリエだったところを記念館にしたものなので、
そこまで多くの作品に触れられるわけではないのだが、
公開用に改装されてもやはり生活感が残ってるもんで、
なんていうか岡本太郎の芸術家としての面にプラス、人としての面も見られる、
そんなところ、て感じ。
(青山のなかなか良いところにあるのだけど、ほんとに外見が普通の家ぽいので見つけにくい。)
エントランスは、人んちの玄関よろしく靴脱いで上がるため、スリッパが用意されている。
1階のアトリエ跡。
2階まで吹き抜けで、ここで巨大な造形物や絵画が作成されていた。
カンバスや画材がそのままなのはもちろん、
「岡本」と名札の付いたゴルフバッグまで残されている。
匂いも独特。
吹き抜けを上がったところにたくさんの本が並んでいて、
これらが彼の作品にも少なからず影響していたであろうに、
上がることが禁止されていて、蔵書のラインナップは残念ながら知ることができなかった。
2階にはいくつかの彼の作品が展示されていて、
廊下を渡るとスクリーンで映像が流れてる部屋へ繋がる。
映像は、芸術、太陽の塔、伝統などについて、
彼の生前のインタビューを交えて構成されている。
あまり彼の動いている、しゃべっている姿ってのを見たことがなかったんで、
(当然である、彼が死んでしまったのはわたしが6歳のときだ。)
目が鋭い人、と思った。そして本当に極端とも思われる大胆なことを言う人ね。
ただ、家庭用8ミリフィルムの映像なども交じっているので、
多くの他人から注目され続けるエモすぎな芸術家としての彼と、
気心の知れた人と過ごすときの精神の弛緩した彼との両面があったのでは、と思われた。
また、伝統は新しく作り直すことだ、というような旨の話もあって、
彼の意図はすべてはわかんないけど共感するところはあった。
そして、お庭へ出ると、オブジェたちがいらっしゃる。
太陽ちゃん。
ちう感じで、おうちにお邪魔した風情でなかなか楽しかった。
歩いて渋谷駅東口まで帰ってきまして、人人人、ごった返しのhikarieへ。
普段なら最新スポットなんて敬遠してますけど、今日は用があった。
8階にできた複合アートスペース8/に用があった。
D&DEPARTMENT、ナガオカケンメイ さんのプロジェクト、
d47 MUSEUMならびにdesign travel storeがここにはある。
ほんで、今日はナガオカさんと中原慎一郎 さんのトークイベントが、しかも無料!
というわけで勇み足で混み混みのエスカレーターを上がってく。(冗談抜きですげー混んでる!)
先にトークイベントの整理券をもらって、開場までd47 MUSEAMへ。金欠故、入場料800円はちと痛かったが、
なかなかに興味深かった。ガイドブックには載っていない地域の面白いスポット、
地域を面白くしようとしている人を知ることができる。これは地道に足で稼がないと得られない情報だろう。
また、何が一番面白かったかって、当然わたしの地元の香川のブースもあってね、
18年も住んでたのに知らんことがあったことよ。東京で、香川の人じゃない人から教えられるなんてね。
MIMOCAが紹介されていた、でも知らなかったのは、NISHI NISHI さん、ジョージ ナカシマ記念館 、
帰省時、時間があれば行ってみたい。
また、同じフロアのギャラリーでデミアン・ハーストの作品観たりも。
すっごく、ドットでした・・・
さて、トークイベントはというと。
テーマが「日本と地域とデザイン」。
ご両人ともアプローチの方法は違えど、地域へのアプローチを続けてらっしゃる。
というわけで、地域のあり方、その中でのデザインの役割などについてお話をしてくださって。
(すごく後悔してるのは、手帳があったのにペンを落としちゃっててメモが取れなかったこと!
懸命に記憶しようとして帰りの電車で携帯にキーワードを残そうとしたけど限界があった・・・)
中でも印象的だったトピックをあげると。
トークの終盤が質疑応答で、若い女性(学生さん?)から
「地方の伝統工芸などの衰退などが危惧されているが、何か取るべき対策や、
あるべき人のすがたは?」という旨の質問があった。
それに対して、ナガオカさんが危機に思っていることのひとつに、
「地方の人は東京にもってけばいいと思っている」というのがあるそう。
つまり、地域の工芸や食、東京にそのまま持っていけばビジネスになると思われている、と。
数年前、宮崎県知事に「どげんかせんといけん」でおなじみ東国原氏がなった後に、
アンテナショップが話題になった時期があった。でも今ってちゃんと運営できてる店舗は少ないんじゃないかな。
実際、補助金の切れ目と同時に撤退を余儀なくされるケースも多いそう。
最初は物珍しさが先に立ってるけど、
その物品が、東京でライフスタイルを持つ人の”おなじみ”になるのは難しいんだろう。
東京と地方(地域)の関係性をうまく利用すべき、とも。
最近は、以前に比べ、東京の一流と言われるブランドで修業をし、
地方でものづくりに携わっているデザイナー?クリエイター?が多くいるそうで。
もともと地元にあったものを、東京の水準で、
でも地域で受け入れられる形でバージョンアップさせられている、と。
また、東京のデザイナーやプロデューサーを起爆剤として呼び、
その後の経営を地元の人々がやることで持続性を持たせるべきだ、とも。
それは納得できることで、やっぱり地方のことは地方の人しかわからないし、
地方の人が運営したほうが地元に密着しているので現実味があるんである。
例として、旧鹿児島三越をマルヤデパートとしてリノベーションした際のことが触れられていた。
中原さんは「モノを売りやすい環境の整備が仕事」、とおっしゃっていて、なるほど、と。別の人の質問で、「グローバリゼーション」についても触れられていて。
ナガオカ氏は、”クール”、”グローバリゼーション”などの単語に、日本人はすぐ食いついて、
でも結果を残すに至らないケースが多い、ということを皮肉ってらっしゃった。
また、大量生産大量消費型であった製造業はすでに国内で衰退していることは明らかで、
(そんなの20年前から言われていることだし、)
だから高付加価値化が求められる、と。
なんだか大学のゼミで習ったこと、こんなところでも聴くなんて。それを期待してもいたんだけど。
というか、日本企業、例えば車や家電なんかのメーカーに、商品の高付加価値化を求めているのは
日本人だけで、国際市場ではシンプルさや安さにニーズがある。
だから日本人が一生懸命付け足した高機能は、“大きなお世話”とも言われかねない。
少子化が進みまくってる日本において、国内市場が縮小する中、
国際市場で通用するコスト、性能、ブランド戦略が求められるというわけだが、
はたして実際のところは・・・。などと思いを巡らせた。
あとね、物流もどうにかなんないとね、どうにもなんないよ、と中原氏。
卒論で地域の(まぁ香川のですが)中小企業経営について考察したんですが、
こと四国は物流について、他の地域との格差が甚だしい!と熱く論じさせていただいた。
これは田中の角栄ちゃんのやらかし!と。度重なる国土計画の改変の甲斐なく、
日本は21世紀に突入しても未だ東京一極集中の形をとどめている・・・。
なんだかんだ、やっぱり地域には東京に頼り過ぎない自立の精神と経営ノウハウが求められ、
さらには消費の面でも地産地消(という言葉はあまり好きではないですが)を意識したほうが良い。
結局、地域の経済は地域の中で循環している。
分かりやすいのは、香川のうどんだと思っている。
うどんは香川の人が打つ。原料はオーストラリア産かもしれんが、とにかく香川の人が作って売る。
そして、観光客は増えてきたものの、結局その多くを香川の人が胃袋におさめる。
こうしてお金が循環しているのが目に見えていて、うどんってそういうところでも面白い産物だと思う。
やっぱりどうしても、地方出身っていうコンプレックスがずうっとあって、ハングリー精神もあって、
でも地方には地方の良さがあって、東京の人にはわかんねーだろうな、って思ってるところもある。
卒論を通しても感じたことだけど、
地域の頑張り(ほんとに結構すごいことが起こってたりするの)を、都会の人、他の地域の人は
思いのほか知らないことが多い。
(わたしは、あんな小さな町の商工会が、あそこまで頑張ってるなんて知らなかったよ・・・)
発信する力は、今日日どこの地域にだってあるはずなのに情報が浮上してこないということは、
情報が一方通行であるってことである。
ナガオカ氏みたいに、プラットホームみたいな機能をしてくれる人がいてくれたら、
どれだけ情報の広がりが見込まれ、さらには発信する側の地域の人も心強いだろう、と。
とってもお勉強になりました。
直接、仕事には繋がんないかもしれないけど、
地方出身者のわたしの心にはいつも、”地域”があるもんで、
これからも両氏のプロジェクトには注目していたい。
やっぱり外を歩くといろんな人がいて、いろんなことを知れる。
読みたい本も出来たし、収穫のある日だった。






















