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義母がらみで、恐れていた万事休すの難題が降りかかってきました。
しかも、恒例の日本への旅行に旅立つ直前という最悪のタイミングでした。
今回の旅行はキャンセルしかない。
夫は出発のギリギリまで荷造りもしませんでした。
わたしももう無理かも。
と、腹を括ったのですが、義弟たちの温かい後押しで、問題は山積みながらなんとか出発することができました。
義母がこれからもニューヨークに住むとなると以下の特殊な理由で莫大なお金がかかります。
けれど50年近く住んで保険も受給できるカナダには死んでも戻りたくないとおっしゃいます。
このままでは彼女の持ち金も底をつき、わたしたちがこれまで倹約に倹約を重ね、工夫して投資してきたお金も穴が空いたお財布を持っているかのように消えてなくなるでしょう。
さあ、どうするか。
こうして夫にとっても我が家にとって最大級のミッションインポッシブルが始まりました。
ニセコでのスキーから東京に戻ったら今度はアメリカから友人カップルが東京に到着しました。
25年ほど前からプロバンス、ローマ&ポンペイ&アマルフィー、ロワール地方、モロッコなどを一緒に旅行した友人です。
冬は毎年マイアミで一緒に過ごしています。
そんな彼らが初めて日本に来るため、昨日までフルアテンドでおもてなしをしました。
わたしにとっても20年ぶりに東京タワーに登ったり、新しい渋谷のスカイウォークに行ったり、国立劇場&千鳥ヶ淵の桜を見て、目黒川にも2度行くのはとても楽しい時間でした。
それから、アメリカンクラブでランチをし、なんだかアメリカに戻った気分に浸ったり。
でも親しい友人とはいえ、フルアテンドを連日すると、夫と二人だけになりたくなります。
かなり気の合う友人とでもこうなので、これまでギグシャクした関係しか築けなかった義母は、彼女の方も一緒に住むという選択は1ミリも考えたことがないでしょう。
遡ること、2年前
義母が突然50年近く住んでいたトロントから、40年近く連れ添ったパートナーを捨ててニューヨークに来て以来、ずっと恐れていたことが起こってしまいました。
ニューヨークに来れば息子たちがなんとかしてくれる。
心優しい息子たちなので、きっと温かく迎えてくれる、そう思われたのでしょう。
彼女は義弟が大好きなので彼ら夫妻が住むブルックリンの同じビルにアパートを借りたいとまずは義弟に打診したようです。
けれど、どんなに優しい義弟も
「それをすれば僕の結婚生活は破綻するからできない」ときっぱり。
結局、アッパーイーストの我が家から数ブロック離れたところにアパートを借りて住んでいただくことになりました。
でも、高齢でしかもソーシャルセキュリティ番号を持たない人がアパートを借りるのは至難の技でした。
それでもアパートを彼女のために借りるという第一回目のミッションインポッシブルはなんとかクリア。
毎日一人暮らしを満喫し、息子たちとも会えて、本当に楽しそうにされていました。
ところがいつかはくると恐れていた事態発生。
まさに万事休すです。
一番の問題は、義母はアメリカ人ではあっても、海外生活が長く、その間ソーシャルセキュリティ番号を取得していないことと、税金も払ってこなかったこと。
そのため、高齢者保険であるメディケアを受給できないことです。
ということは、いちいち病気をするたびに莫大な費用がかかります。
3月に救急車で運ばれ病院に2泊し、750万円の請求が来たときは、悪夢の現実が津波となって押し寄せてきていることに戦慄してしまいました。
一方、これまで50年住んでいたカナダの保険も、昨年切れてしまっていました。
もう2度とカナダには帰るつもりはない、カナダに戻るなら死んだ方がマシ、とおっしゃっていたので、カナダの保険はどうでもいいと思われていたようです。
こうして、簡単にカナダにお帰り頂く道も絶たれてしまいました。
本当に大変なことになってしまい、夫は夜も眠れない状態です。
それでわたしがあることを提案しました。
もうこれしかない、と思ったのです。
続く
今回はもう来れないかもしれないと諦めていたのでこの桜風景がひときわ目に沁みました。






