あの名作、「風とともに去りぬ」
ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルで大ヒットした映画の原作です。
英語のタイトルは
Gone with the wind
それにひっかけて
Gone（Ghosn/ゴーン氏) with the private jet
日産の元会長
カルロスゴーンさん、プライベートジェットで去りぬ。
日本中をあっとお騒がせしたニュースでした。
が、これを聞いた時、わたしには、驚きはありませんでした。
レバノン人の彼なら
このぐらいのことはするだろう
と、妙に納得してしまいました。
今日は、この事件の背景にあると思う、私たち日本人とレバノン人はじめアラブ人のメンタリティの違いについて書きたいと思います。
＊この記事はゴーンさんを擁護するものでも、批判するものでもありません。
このニュースを聞いて真っ先に思い出したことがありました。
数年前、娘の親しい
ヨーロッパ人のお友だちが
娘たちと、祭日を利用して
マイアミに遊びに来ていた時のこと。
パスポートを紛失してしまいました。
クラブかどこかで失くしたようで
どこを探してもでてきません。
外国人である彼女たち
アメリカで免許証があれば別ですが、
空港で提示する身分証明書は
パスポートということになります。
パスポートを紛失しては
身分証明ができないので
飛行機に乗れません。
ということは翌日から始まる
大学での授業に出られません。
さあ、どうしよう。
ということになりました。
その時、なんと、
大金持ちのお父様は
プライベートジェット
（チャータージェット）を
手配されたんです。
プライベートジェットだと
空港でのセキュリティが緩いんです。
それは、お金持ちワールドでは常識となっています。
それで彼女は無事に、パスポートなしで飛行機に乗り大学に戻れました。
それにしてもこの発想。
娘はもちろん、話を聞かされたわたしもびっくりしました。
パスポートを失くしたら、即大使館に連絡するしかない。
そして待ってる間はマイアミに滞在するしかない。
まずはそう真っ当に考えますよね。
ところがそうではない。
奇想天外な発想をする人たちが世界にはたくさんいる。
日本の空港もプライベートジェットに対するセキュリティの甘さは同様だったようです。
日産時代も、プライベートジェットをチャーターしていた経験のあるゴーンさんはそれを知っていたんですね。
ニューヨークタイムズの記事によると
ゴーンさんは、過去３ヶ月に渡り、さらにどこの空港が一番セキュリティが甘いかを調べるため、日本の空港１０か所ほどをくまなく調査したとか。
つまり入念な計画に基づいて決行されたことだったのです。
法的に理不尽な扱いを受けたと感じていたゴーンさん。
数年前結婚したばかりでラブラブの奥さんにも何ヶ月も会わせてもらえず、まるでもう罪人と決めつけられたかのように扱われたと感じていたのです。
実は、その奥さんのキャロルさんもレバノン国籍ですが、アメリカのパスポートもお持ちです。
で、レバノンのパスポートは取り上げられても、アメリカのパスポートで堂々と出国してらっしゃいます。
そしてニューヨークのアッパーイーストのおうちにずっといらっしゃいました。
一つ取り上げてもまだ他のパスポートがある。
これも、二重国籍が認められない日本では盲点だったのでしょう。
ゴーンさんはブラジルと、レバノンとフランスのパスポートをお持ちです。
ちなみに夫は、イギリス、カナダ、アメリカのパスポートを持っています。
これは世界では珍しことではないのです。
ところで、娘のレバノン人のお友だちのさらにお友だちがキャロルさんの娘さんです。
（キャロルさんの連れ子でゴーンさんは父親でない）
彼女たちは、ゴーンさんにずっと会わせてもらえず、キャロルさんはニューヨークで自由に行動もできず、精神的に相当ダメージを受けている、という話は聞いていました。
そこまで追いつめられていたのです。
日本人の検察のいうことを聞いて、大人しくいうなりに法の裁きを受け止める、はずがない。
しかもゴーンさんはレバノン人。
ブラジル生まれだけど
父の故郷レバノンで
教育を受けています。
娘の友人たちの話を聞くと
イスラエルとシリアに挟まれた
レバノン国籍を持つ子たちは
今だに、平和な日本に住んでいると
考えられない命からがらの
経験もしています。
娘のある友人のお父さまは、内紛時代にベイルートの大学を卒業することになり、防空壕のような地下室で卒業式をしたとか。
またある友だちのいとこは、9歳の時、イスラエルの空爆を３日続けて受け、一家揃って死ぬことを覚悟したとか。
ただ、奇跡的に、イスラエル軍が爆撃機の給油中であることを、ヒズボラ軍が教えてくれ、その間に命からがら兄弟5人とお母さんで家から逃れたとか。
空爆があると停電になります。
で、一旦はみんな防空壕に入るんだけど。
その夜はそれ以上は空爆がないことをみんな知っており、空爆のあった夜は逆に安心してクラブにお出かけするとか。笑
怖くてその夜は家で震えて過ごすなんてことはないのです。
そんなメンタリティが血に流れている。
だから、娘曰く、みんなたくましい。
サバイバルスキルに秀でているのです。
また肝が座っている。
ある面、ズル賢いといえばそうだし。
自分には到底ない創造性がある、とも。
レバノン人であるゴーンさんや妻のキャロルさんの考えそうなことが、日本のしかも、優等生、まじめ一方で来てしまった政府関係者にはありえない盲点となったのは、そんな理由によると思うのです。
夫がよく言います。
「泥棒に入られたくないなら、泥棒がどこを狙うか、泥棒になった気持ちで考えて隠さないと」
日本政府のお役人や検察も、同様かもしれませんね。
ゴーンさんに正しく法の裁きを受けて欲しかったら、レバノン人で海千山千のサバイバルスキルに秀でた彼の気持ちになって考えることがカギ。
日本人なら押さえつければ、シュンとなって大人しくなるかもしれないけれど。
ゴーンさんほどのツワモノは、却って反逆精神の闘志を燃やしてしまうだけかもしれませんね。
今日のニュースで、妻のキャロルさんにも国際協定のもと逮捕状が出ました。
レバノン大統領も、日本政府への協力を約束したようです。
ゴーンさんと日本政府＆日産関係者との激しい戦いになりそうです。
これからどうなるのでしょうか。
※今年の少し怖いことへの挑戦。
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本当に素晴らしい方々が読んでくださっている、そう感じましてめちゃくちゃ感激しています。
不思議なもので行間からも伝わってきます。
みなさんの少し怖い表明、必ず、叶う。
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