どの業種のインデックスを見てもいい材料はまったくない昨今、
世界的な規模で恐慌に突入するのではないかとまで言われている今日このごろ、
ドバイでは、このたび車のナンバープレイトが競売にかけられたそうです。
そして、「No1」というプレートがいくらで落札されたと思います?
たかが車のナンバープレートですよ。
9百万ドルですっ!!!!
ピンとこない?
では9億円と言い換えましょうか!!!
街で「Go]というプレートを見かけました。アメリカなら40ドルぐらいで好きな番号を取れます。夫は1969年製の自分の愛車に「MBRS WIF(妻を困らせる)]とつけると張り切っております><
尚、石油の高騰で超景気がいいらしいアブダビ政府ファンドは、マンハッタンの象徴的なビル、クライスラービルをお買い上げになっています。
20年前、ティファニーのビルやロックフェラーセンターなど五番街のビルは軒並み日本企業に買われました。
けれどそのビルも90年代には次々に売却されました。
ニューヨークの力関係は刻一刻と変わっていきます。
そしていつの時代にも脚光を浴びるのがヌーボーリッシュ、つまり成金の存在。
ニューヨークのソサエティは、条件次第では成金もウエルカムな懐の深い事情については拙著でもご説明いたしました。
どの時代でも急に成り上がった途端喉から手がでるほど欲しいと思うのは「クラス」ではないでしょうか。
そしてどの時代でも、お金持ちにはなっても、最高学歴を手にしても、自動的に入手できるわけではないのがこの「クラス」だと思います。
今月号のGrace「社交のボーダー」では、公然の秘密としてクラスが存在するニューヨークにあって、基本中の基本でありながら、みんなが平等に近く、しかも黙っていても完璧に近いサービスを提供されることに慣れきった日本から来ると、つい抜け落ちてしまうことについて考えてみました。
クラス社会で目下の人とどう接していけばいいのか、ということです。
しかもニューヨークの社会はとても特殊で、不法滞在移民たちがほぼ公然と労働力として社会に組み込まれて成り立っています。
レストランでお水をついでもらう度に「Thank you」と給仕さんの目をみて声をかけていますか?
日本から来たばかりのころ、日本の感覚で話につい夢中になっていて忘れちゃうことがよくありました(-。-;)。
また、タクシーを降りる際、たとえ運転手が黙っていてもこちらから「Thank you」と言っていますか?
わたしは声が出てこないことがありました(・Θ・;)。
また、クリスマス直前には、1年の労をねぎらって住んでいるビルのドアマンたちに直筆のカードを添えて、一人ひとりに「Thank you」と声をかけながらチップをあげてますか?
「わたしが住んでいるのはレントのビルだし、どうせたいしたサービスもしてもらってないからそんな出費は避けたいわ」と知らん振りをしてはいないでしょうか。
わたしも最初は発想を転換できずに何度か失敗しました。
だって、基本的にタクシーの運転手さんたちにプロ意識だけを要求していたんだもの。
しかし、やっとで学んだ日本の常識、ニューヨークの非常識、
ニューヨークのタクシーの運転手はロンドンの運転手さんたちとは雲泥にすべてが違うことを知らなかったのです。
でも、すごい格差の存在するNYで、目下の人たちとの付き合い方を、クラス社会で育ってきた夫と暮らすうちにやっと理解できたのです。
わたしの大好きな白洲次郎氏は、「ハイヤーの後にふんぞり返っているヤツはバカだ」といい、
所属するゴルフクラブのキャディさんなどへの細やかな心配りで、目下の方たちから大変に人気と人望の厚かったというお話を思い出します。
ということで・・・
日本にいると想像を絶することも起こるニューヨークのこのような話しにご興味のある方、ぜひGraceをどうぞ^^


お世話になっているGrace編集部の方々です。左から池埼さん、小出さん、川村さん、山路さん、そして森内さんです。お疲れさまです。
また、クラス社会ニューヨークでは目下の人相手を含め、何事も交渉が命です。
だまっていても何事も自動的に進む日本とはわけが違うのです。
明けても暮れても交渉です。そりゃ、疲れますわ~。
だから、交渉に慣れず、舐められたくないからと何事も押して押して攻撃的に出る人、
反面、英語を話すことの面倒くささに最初から交渉を拒否してしまう人、
それも分かります。
でも発想の転換で、相手にも花をもたせ、自分も負けない交渉をマスターした人がニューヨークでは品格のある人として一目も二目もおかれ、スムーズに人生を生きられる人であるのです。
特に海外旅行中出くわす可能性のある「交渉」についてはぜひ拙著、「クラス社会ニューヨークのWin-Win交渉術」をご覧ください。

いつもご訪問ありがとうございます。
みなさんからいただくコメント、本当に楽しみに、励みにしております^^
またお声をかけていただき、うれしく思います。
ありがとうございます。
脳外科医のひとりごとを主宰してらっしゃるじゅんじゅんさんからも本が届いたとメールをいただきました。こんな言葉が添えてあってすご~くうれしかったです。

素敵な話をありがとうございました。
Drとの信頼関係大切ですね
『お願いします』と信頼してもらえるようなDrにならなければいけないと常に思っております
drshoppingを点々とする懐疑的な方より、お願いしますと、信頼をしてもらえる方のほうが、
予後がいい気がします。
そう、ついに、本が届きました。ありがとうございました。さっそく、読ませていただくと、自分がNYにいるかのような、realityにあふれた文面についつい引きつけられてしまいました。
ますます一回日本を離れてみたくなりました。
ありがとうございました。
じゅんじゅんさん、こちらこそありがとうござます!
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「通りすがり」とおっしゃる方から特定の職業の人に対して「目下の人」と表記するのはいかがなものかというご意見をいただきました。
ここで私が目下と評したのは、現在のアメリカ社会では以下の理由で恵まれない立場にあるために、多くは銀行口座も開けず、社会の底辺で弱者として本当に苦労を強いられている方たちのことを理解していただきたい一心でのことです。
残念ながらアメリカは、特にニューヨークという社会は、就労ビザを持たない不法滞在の移民であるために、たとえ本国では教養があっても、正規に就労することができず、最低限の条件でしか賃金をもらえないような人たちによって多くの人の生活が成り立っているような状況です。
そんな恵まれない人たちを、深い懐でなんとか救済しようとブルムバーグ市長はいろいろな手立てを考えています。(詳しくはGraceの記事にどうぞ)
ロンドンでは3年がかりでの厳しい試験に合格したらいわば個人タクシーの運転手になれますが、ここNYではタクシーの運転手として車を所有しメダリオンを取るには膨大なお金がかかるため、多くの運転手さんは、車を借りて(借りるのは簡単です)主に日銭を稼いでいる人たちです。そのためかなり長時間働いても、手元に残るお金は本当にささやかなものなのです。
彼らが機嫌が悪かったり、運転が荒かったり、道を知らないのはその理由にもよります。
わたし自身は、そのことをかなり最近まで知りませんでした
そのため、日本の感覚で、車内がくさかったり、運転荒かったり、道を間違えたり、不機嫌な態度をとられると、素直に「Thank you]と言えないことがありました。
なぜならば、彼らが社会的に恵まれない立場にいる、つまり目下の人たちであるというCompassionをもつベースとなる知識がなく、単純にプロ意識を要求していたためです。
目下という意味は、そんなアメリカ社会の仕組みを知らなかった自分への反省をこめて、社会的には彼らよりはうんと恵まれた立場にあるわたしたちが弱者である人たちにもっと思いやりをもち、見方を変えるべきだという提案をすべく使った言葉にすぎません。
日本でも歌舞伎の世界では目上の方には「お疲れさまでした」とあいさつをし、
目下の人には「ご苦労さま」とねぎらったということですが、クラス社会ではそのような思いやりが、いかに大きな意味をもつか、ということを自身の反省も込めて書きました。
複雑な社会の仕組みをもつニューヨークについての詳しくはぜひ拙著へどうぞ^^
ありがとうございます。