ごきげんよう
ようこそ、過去記事の森へ。
ニューヨークでは、お名前を挙げれば
「えっ~~~、あの人とお会いしたんですか????」
と羨ましがられそうな日本人セレブな方たちと接する機会も、ときにはあります。
そして、そんなときの彼らは、日本を離れ、ニューヨークの雑踏の中で「nobody」という仮面をかぶれることで、とてもリラックスしてらっしゃるようにお見受けします。だから、会話も弾む。
中でもとても印象に残っているのは桃井かおりさん、
お着物に合わせて同じオレンジの30cm以下のバーキンをお持ちでした。
桃井かおりさんには、「さゆり」のニューヨーク・プレミア試写会後のパーティでお目にかかりました。彼女は、わたしが長年注目し続けてきた、「いい女」の女優さん。
桃井さんと言えば、まだ売れ始めた駆け出しの頃、マスコミにこんな名言を残したことがあります。
「女性、ではなく、女っていうと、なんだか不始末を仕出かしたイメージ」
これを聞き、わたしは、なんて感性の発達した方なのだろうと、くらくら来たことを覚えています。
そしてつい最近、こんな名言も残していると知りました。
「一度は寝ようね」っていうチケットを交換しておきながら、一度も使わずに棺おけまで持っていく関係って、とっても贅沢だと思わない?
かおりさん、この言葉、わたしはわかるなぁ。
わたしの場合は、チケットは発行しないし、口約束だってしないけど、暗黙の了解で、お互いにそんな危うさを感じていながら、それでも知らんぷりして、棺おけまで余韻だけを持っていく関係。
いいじゃん、いいじゃん。ぞくぞくするわ~
20代ぐらいの頃って、ちょっと可愛い女の子ならどこにいても浴びる、男たちの不躾な視線に居心地の悪い思いをした人もいらっしゃるのでは。
特に40代以上の男たちの中には、20代の女にも、案外優秀な頭脳がついていて、精神年齢はとっても大人だという事実はまったく眼中になく、ただひたすら腰や足首、胸の辺りにばかり視線を走らせる御仁が多い(`Δ´))。
30代でも、時々は感じる同様の視線。
けれど、40を過ぎた辺りからそれはなくなって、
そういう目ではまったく見られなくなり、代わりに、時には穏やかで、一目置いたような視線をいただくこともあって、それはそれで居心地がいい^^。
早い話が年をとった証拠といってしまえば、それまでですが。
わたしは今のそんな自分の見られ方がとっても快適。
そして気がつくと、お互いに少しは(たくさんではない)ドキドキする「贅沢な関係」でありながら、決して一線を越えることはないという暗黙の了解にある「ステキな男友だち」が何人かいる。
一緒にパリやローマ、プロバンスに家を借りてバケーションを共に過ごすことの多いシカゴのジムとミッシェルのカップル。
ミッシェルはとってもいい女友だちで、そしてジムはなんだかドキドキするいい男。
そんな男と、その妻と、自分の夫と一つ屋根の下でバケーションを過ごすって、結構楽しい。
お気楽、単純、天然、
何とでも言ってください。
でも、人生は今なんです。
先が見えないんです。
巻き戻しもなしです。
ぶっつけ本番一回きり。
一期一会の心意気で、友人や家族との時間を大切に過ごし、
一方で、心ひそかに、誰にも言わない、小さな時めきを秘めた男が何人かいる。
そんな小さな秘密を隠しもつことで煩瑣なことにまみれた日常が煌く。
さすが人生を演じる大女優、桃井かおりさん、
私生活でもおっしゃる「台詞」が違います。
さて、我が家族は、夫がニューヨークに帰る前に小旅行をすることにしました。
金沢に。
酒井美意子さんのご実家、加賀百万石の前田家のお膝元に、わたくしはまだ一度も行ったことがなかったんです。
それではまた。