永久保存したい生涯の親友との出会い | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

 

 

 

人生の半分以上仲良くしてもらっている親友、フクちゃん。

 

 

彼女との出会いは仕事を通じてでした。

 

 

わたしがまだ2番目に携わった雑誌の駆け出し編集者だった頃。

彼女は当時、業界人ならだれもが知る大物マダムの下で、日本を代表するやんごとなきお家柄出身のマダムたちと一緒に、PRの仕事をしていました。


 

わたしなら、あのマダムの面々を前にしたら毒気(?!)に当てられて小さくなってしまうかもしれないのに、彼女はいつもとっても自然体。


 

今考えれば、知り合った当初は、私生活と情緒にやや不安定なところがあったのは、最愛のお母さまを亡くされて間もない頃だったからでしょう。

 

 

2度目か3度目に仕事で会ったとき、彼女はじ~っとわたしを見つめて、

「あなたってAttractiveね(と英語で言った)、今度さ、おっもしろい人が来るパーティがあるんだけど、来ない?」

と誘ってくれました。

 

彼女は若干年上です。


 

当日,まずは彼女の家に行きました。

彼女が住んでいたのは今の六本木ヒルズの近く。

LDKを、有名な建築家の愛弟子が1LDKにリフォームした広々としたマンションに住んでいました。


 


 

一歩お部屋に入ってびっくり。

あの年齢の頃、しかもあんなに洗練された住空間をもつ女性を知らなかったからです。

 

 

やや暗めの間接照明、MOMAに永久保存されているArcoのフロアランプとアイリーングレイのアジャスタブルのコーヒーテーブルが置かれていました。ト

 

 

フクちゃんちのをマネして、我が家でもマイアミに購入しました。
 

 

都心を見下ろす窓際には

同じくモダンのクラシックとして著名なアイリーングレイのコーヒーテーブル、

 

 

その上には見たこともなかった、

ローゼンタールのシンプルにして完成された

美しいフォルムをもつテーブルウエアが、

ミニマリズムに徹した空間の中で

整然と際立っていたのです。

 

 

壁にはグスタフ・クリムトのプリント、

 

 

耳を澄ませば聞こえる程度のボリュームで流れるジャズの音楽、すべてが完璧でした。

 

 

でも、フクちゃんの部屋は、美術館みたいに取り澄ましてないのです。

 

 

いつも少しだけ雑然としている。

 

 

それは本棚に入りきらない量の本、

ソファーに置かれた読みかけの本なんかのせい。

本棚の背表紙を眺めたわたしは、愕然としました。

 

 

その多義にわたるタイトルの数々。

そこには、ヨーロッパ中世氏史の退廃が、

花言葉の美しさが、

日本の伝統芸能にまつわる逸話が、

ガルシア・マルケス、

チェーホフ、ユングなど一緒に並んでいるのです。

 

 

本好きなわたしですが「負けた」と感じました。

 

この人は何者と思う間もなく、

「ねぇ、ねぇ、ちょっとこの服着てみない?」

と、クローゼットの中からシンプルな砂色のニットドレスを出してきて勧めます。

それは、今はなきブランド、ジャン・ルイ・シェレルでした。

 

「ほら、こっちのほうが大人のいい女って感じ。それ着てったらどぉ」

とふくちゃん。

 

わたしは、当時ファッション雑誌の編集者でした。

そのわたしをそんな風に扱ったのはフクちゃんが初めて。

 

 

でも不思議と反感は感じませんでした。

彼女のセンスのよさに、瞬時に脱帽してたからでしょう。



 

そしてわたしたちは、当時の「六本木ヒルズ」にあたる

ベアシティルネッサンス高輪に住む、

若手弁護士のパーティに行ったのです。



 


 

みんなもフクちゃんに興味が湧いてきたでしょう。

一体どんなバックグランドの人かって? ウフフ。それは次回のお楽しみ。


 

 

 

 

 

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