家庭裁判所調査官という職業を知っている方は
司法関係になじみのない方々にはあまり認知度の低い職業だと
思います
家庭裁判所、すなわち家事事件、少年事件等の審判を行う裁判所で
審判の前に当事者の生活環境、家庭、心情などを当事者と面接、調査を行い
裁判長に報告し、意見を提出するという 司法の判断と家事当事者との
パイプ役を務める、非常に重要な職種です
この本の著者 中村桂子氏は家裁調査官を奉職し、同職の
後輩のためにと書かれたのがこの本であるそうですが
どうして、こういった法務の仕事に就いてない私が読んでも
非常に心に響く本であります
内容は著者が調査官の経験を10程の実務例を章ごとにまとめ、
実務で学んだこと、こういった事例の場合の参考にすべき視点の持ち方などを
非常に整理された文章で書かれています
主に少年事件の例を出していますが、読んでいて思うのは少年、子供の内心というのは
非常に純粋でありながら、ふとした環境の変化に左右されやすいこと、そして
幼少の時から括弧たる意思を持った人間であること、それでも大人の都合に
流されていき、自信のアイデンティティの行き場を失う事
本文の中にもありますが離婚調停の際、子供も同席していたが
非常にバタバタと暴れていた女の子、その協議が終わった際、
著者が女の子の横に座った際にポツリといった母親への言葉
「あの人はね、強そうに見えるけど本当は弱いの、だから、私がいてあげなきゃ」
子供は本当に全てをわかっているんだと、大人の都合の争いなんか認めたくないんだと
大切なことをこの本で教えていただきました
その他にも暴行事件を起こしたシンナー地獄の少女の公正への姿勢
少年院に3度も送致されながらそれでも公正への1%の光へかけた想い等
非常に心を打たれる素晴らしい本です。

