「優先順位の高い標的って、、
トニーとアンジェラの脳裏に、標的となる1人の男の存在がうかんだ。
そんな緊迫の状況の中、建物の屋根の上を全力ダッシュで向かってくるのは、長い髪をなびかせ、頭に角が2本生えている少女である。
白いフードの男は、間一髪でパワーの飛び蹴りを回避し、横目でトニーとアンジェラを見る。
白いフードの男は、銃弾を回避しながら、屋根の上でパワーと格闘戦を行う。
パワーの蹴り、正拳、裏拳、かかと落とし等を上半身をしならせながら、いなし、払い、、、飛んでくる銃弾の機動を読み、弾を避ける。
スッ、、、タラー🩸
一発パワーの頬を銃弾がかすり、頬から血が垂れる。
「オイ!! 貴様らァァ!! ワシに当てるなァァァ!! この下手くそ!!」
白いフードの男と格闘しながら、下から射撃するトニーとアンジェラに怒鳴るパワー。
「何よ!!アンタが邪魔しなければ、スマートに事は運んだのよ!!こんのォ、空気読まず!!」
「この獲物を先に見つけたのは、このワシじゃァァァ!! 退(の)け!! 盗人(ぬすっと)がァァ!」
アンジェラの怒鳴りに対して、さらに怒鳴るパワー。
パワーの格闘の注意力が半減したのか、白いフードの男は、裏拳でパワーを弾き飛ばした。
白いフードをかぶった男は、パワーを裏拳で屋根から突き落とし、間髪入れずにトニーとアンジェラに右手の平から 光るエネルギーの弾を放つ。
ドウッ
18歳の彼にとって初めて見る実戦の光景。
尚も、白いフードの男は除闇を見下ろし、右手を除闇の居る方角にかざしていた。
ーー不味いぞ、、、未来(つまりオレらのいる世界)では、除闇さんの右手は無くなっちまった。つまり、この時の除闇さんの右手が切り落とされるって事か、、、
ーーいや、この状況、、、そんなに生易しいもんじゃねぇ、さっきの爆撃喰らったら、間違いなく、今の除闇さんは下手すりゃ死ぬんじゃねぇか?
ーーパワーも、さっきやられちまった。ここは、オレが頑張るしかねぇ!!
「マキマさん!! オレが、踏ん張って時間稼ぎます!! その隙に、、、」
マキマは、デンジの方をチラっと見て ニコっと笑う。
「うん。」
マキマは、デンジの事を心配しているかは不明だが ただ笑顔だけ見せた。
マキマは、除闇の手を掴み共に逃げようと引っ張ったが、
「オレも戦う。」
除闇は、マキマの手を振り払う。
マキマは、一瞬だけ真顔になるが、直ぐに笑顔に戻った。
「ねぇ、除闇さん、、、」
マキマは、除闇の肩を抱くように除闇にゼロ距離まで近づいた。
「//////////////なっ、」
除闇は、頬を真っ赤にした。
マキマは、耳元に息を吹きかけるように静かに話した。
お願いがあるの、、、
えっ、、、?
「あぁ!! なんかズルイ!!」
デンジは、抱かれる除闇を見て大きな声を出す。
ドム👊
「やっぱ、ズルくない、、、」
マキマは、除闇を抱きかかえる姿勢から腹部にボディブローを入れたのだ。
「げはッ🩸」
除闇は、窒息しかかり意識を失った。
マキマは、除闇を担ぎあげタクシーを放ろった。
「デンジくんにも、後でやってあげようか♡」
「いえ、遠慮します、、、」
マキマと除闇を乗せたタクシーは、デンジを残しスピードをあげて退散した。
しかし、そのタクシーを追わんと、白いフードの男は屋根から飛び降り急接近した。
白いフードの男は、デンジをスルーし、マキマと除闇の乗ったタクシーを追いかける。
タクシーを追いかける白いフードの男を横目に、デンジは白いワイシャツの隙間から、"ヒモ"のような物を引っ張りだした。
ブゥゥゥゥゥゥン"