キリエは、幸村様の、、、お子が欲しかった、、、
「ーーーっ!!!!」
スパーダは、大きく息を飲んだ。キリエの声がハッキリ聞こえる。
どうして、、、私を置いて、、、逝ってしまったの、、、
もう一度、、、私の側で、、、
私の名前を、、、呼んで欲しかった、、、
私の名前を呼んで、、、
抱き締めて欲しかった、、、
キリエの声が、少しずつ大きくなっているのを感じた。
ーー今、ここには、寝ている赤ん坊以外、ボクしか居ない!この話は、ボクに向けて言ってるんだ、、、
「ーーーっ!!! あ、、、あの、、キリ、、、」
「キリエさん!!」
スパーダは、少し大きな声で呼んだ。
「今、、、アタシの事、、、呼んでくれた?」
スパーダは、キリエを見て大きく頷いた。
そしてーー
翌日
「失礼します!」
「やぁ、君か?何か困った事でもあったのかな?」
スパーダは、極東支部のシックザール博士の元を訪ねた。
基本的に、スパーダは相談事は、ここでしているのだ。
「あ、その実は、、、」
スパーダは昨日の出来事を話した。
「ふむ、恋の悩みか、、、よし。ソウマ、オンラインで相談出来るように、ラケルくんに繋ぐんだ。」
「はぁ、、、オヤジ。小芝居は辞めろ、、、ラケル博士は、隣の部屋に居ただろ?」
ソウマはため息をつきながら言う。
「フム、オンライン面談の方が雰囲気が出て良いと思ったのだが、、、」
と言いつつ、シックザールはノートパソコンを準備しつつオンラインに繋いだ。
「・・・・・・あっ、」
「・・・・・・あっ、む、、、モグモグモグモグ」
スパーダの前のノートパソコンに写し出された金髪女性は、お饅頭を食べていた。
「今、お饅頭食べてませんでしたか?」
「、、、、、何かお困りでしょうか?」
金髪の女性は、お饅頭を食べていた事を無かった事のように、無表情で見つめていた。
「ラケル博士、、、」
「はい?」
「ほっぺに、小豆がついてますよ?」
「フフフフ、、、残念ながら、ワタシの食べていたのは、こし餡なのです。その手には乗りませんよ?フフフフ、、、」
「いや、お前乗せられてるから!! こし餡って言った時点で お饅頭食べてるのバレてるからな?」
ソウマはツッコム。
金髪の女性は、ノートパソコンの中で手鏡を持ち、しきりに頬を確認しながら話した。
「貴方は、ワタシに何か用があって、ここに来たのでは無いのですか?」
「いや!お前、こし餡って言ったクセに、頬気にしすぎだから、、、って、おしぼりで口吹いちゃったよ!」
金髪の女性にひたすらツッコミを入れるソウマ。
「ハイ、、、実は、、、」
昨日の 邪武乃家の6人赤ん坊を子守りした事と、思い人であるキリエについて話した。
「アナタは、、、泣いている思い人に何をしてあげたんですか?」
スパーダさんの選択
👉️「あ、、、その、、、麦茶、氷溶けて、、、薄まるよ?」
ーーダメだ、今のボクに一緒に麦茶を飲むくらいしか出来ない!
スパーダは、一緒に麦茶を飲んだ事を話した。
「オイ、もっとマシな事言ってやれねぇのか?」
ソウマは、スパーダに言った。
「じゃあ、ソウマさんは、好きなコが泣いていたら、どうするんですか?」
「あん?オレなら、、、」
ソウマがスパーダに助言する間もなく、金髪の女性は言った。
「この人にアドバイス等を聞いたら、、、思い人に月に逃げらてしまいますよ?」
「でもね、ラケル博士。ボクは自分の出した選択に後悔はしてないんです。」
「キリエさんの、悲しみや思い。全部解ってあげるまでには、時間がかかりますよ、、、」
「だから、あの時、、、泣いているキリエさんに、麦茶を差し出して、一緒に飲む。」
「きっと、邪武乃の旦那さんだって、フッ✨って言いながら同じ事をしてましたよ♪」
スパーダは、晴れやかな顔をして席を立った。
「自分のキモチを口に出して、頭の中やキモチに整理がつきました。ありがとうございます!」
スパーダは、ノートパソコンに向かってお礼をした。
そして、部屋を後にした。
スパーダが部屋を出た後、ソウマは隣の部屋をノックした。
トントントン
「オレだ。入るぞ、、、」
ソウマは、隣のラケルの部屋に入った。
「オイ、、、アイツの考える、、、スパーダの選択肢に正しい答えなんてあるのか?」
ソウマはラケルに聞いた。
「フフフフ、、、あのコが納得した答えなのだから、進むべき道は、、、自分で見つけないと、、、」
ラケルは静かに答えた。
「お前も、見えただろう、、、部屋を出る時のアイツの背中、、、」
ソウマは、言葉を重くして言う。
「抜いてあげれば良いのに、、、イジワル♡」