このお話は、
一人の就職活動をするオトコのドラマである。
「就活するオトコ」
前回のあらすじ
オトコの名は、ゼン。
いよいよ、成人近い年齢となり、学生時代を終える。
就職活動を続ける事、就職面談を7社。
7社全てが不合格となる。
そんな彼がある時、物陰で生姜焼き丼を食べていると
「ん・・・??」
ゼンは、背後になにか、人の気配を感じた。
後ろをとっさに振り返ると、、、
スーツ姿の女性らしき人物が直ぐ後ろに立っていた。
ゼンは、椅子から勢い良く立ち上がろうとしたが、
バランスを崩し、座り混んでしまった。
ーーコイツ、何者だ!!
第2話「選択するオトコ」
女性らしき人物は、ゼンに近くに寄り座り込んだ。
迷っているみたいだね
「えっ??、、、なんだ、、、、頭の中に声が聞こえる、、、っていうか、身体が動かない」
ゼンは、何かに取り憑かれたように金縛り状態になっていた。
キミの選択肢は、2つ。
ここで、わたしに生姜焼丼を買ってくるか?
「はぁ??何で、、、オレ金無いし、、、」
それとも、わたしの為に、生姜焼きになって、
わたしに食べられるか???
「いや、意味解らないし!!」
さぁ、選びなさい
次から次へと、頭の中に言葉が迷い込んでくる、、、
ーーオレは、どーしてしまったんだ?
フフ、冗談よ♪
「いきなり脅かすなよ、、、」
冗談ってのは嘘。半分は本当よ、、、
ーーなっ!!
ゼンの眼の前に現れた女性は、スーツ姿だった。スーツ姿に黒いコートを羽織、ゼンと同じ様に赤い髪。髪は、後ろで編み込んでいる。
一番大きな特徴は、瞳の中に、渦巻き状の瞳孔模様となっている。
「アンタは一体誰なんだ!!選択肢って、いきりなんなんだよ、、、」
ゼンは、目の前にいる女性に聴いた。
相手は人間なのか、幽霊なのか、幻覚なのか、全く解らないがゼンは、聴く事しか確認する術がない。
ワタシはね、キミの中にいる
もう1人のキミ。
ーーもう1人のオレ?
人はね、迷ったり考え事をする時に
頭の中で、無意識に自問するの、、、
キミは、迷う心が大き過ぎたのかな?
だから、見えるようになったんじゃない?
ワタシの姿が、、、、
ねぇ、ゼンくん?
世の中の人間は、大きく分けると二種類。
成功する人間と 失敗する人間。
この差って、どこで別れ道になるか解るかな?
女性は、ゼンの顔を覗き込むように話した。
女性は、無表情で生気が無いようにすら感じさせる。
やはり人間では無いのだろうか
ゼンは、金縛り状態から、息を飲み込む事がやっとの状態だった。
会話しているつもりだが、口の周りや舌に感覚が全く無い為、自分は声を発しているのか?
頭の中に聴こえてくる声と、一人で脳内会話をしているのか解らない。
「成功する人間と、、、
「失敗する人間の、、、
別れ道?
今まで、ゼンは考えた事は無かった。
ーー就職活動で、7つの会社の入社面談に落ちているオレは、失敗する人間だ。
ーー今、また入社面談を別の会社で受けても、
失敗する。