ブログ小説です☆
高校二年生の主人公、新宿ネロの学園ストーリーがメインとなります。
前回のお話しは、こちら
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一話から読みたい方は、こちら
https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12439136779.html
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55話、56話では・・・ネロ、恋華、秀の新宿ネロの家で一泊をする土曜日から日曜日にかけてのお話しとなりました!
今回は、同じ頃(日曜日!!)・・・実尋、那智達を中心に展開するお話しです。
実尋と仁児を元気づける為(そして、那智自身が彼氏を作る為←『重要!!』)に、那智は上野と合コンを計画したのだった・・・
またまた、冒頭の
【ショートストーリー】
日曜日の朝だった。ネロは深夜まで、コンビニで買ってきたポテトチップを食べながら恋華と対戦式のテレビゲームを楽しんだ為、テーブル付近で寝落ちしていた。
ブーンブブン
スマートフォンのLINEの独特なバイブ音が聞える。
「・・・・う・・・ん」
ネロは、眠たい目を開けてスマートフォンを手に取り送られてきたLINE(連絡)を読んだ。
ごめんなさい・・・
しばらくの間、貴方と会うのは控えたいと思います。連絡するのも控えたいと思います。
落ち着いたら、また連絡します。
「・・・・!!」
代々木詩織からの連絡だった。ネロは、ビックリして飛び起きた。
ネロは、突然過ぎる「会うのは控えたい」という連絡が腑に落ちなかったのか・・・・
ネロは、「どーしたんですか?何かありましたか?」という理由を聞く文章を何度か送ったが、返信は無かった・・・・
ブーンブブン
ブーンブブン
今度は、恋華のスマートフォンが鳴っていた。
「おい・・・恋華のスマホ、LINE来ているみたいだぞ?・・・見なくていいのか?」
「・・・・みひろん意外の相手なら・・・シカトでもいいの・・・」
恋華は、スマートフォンからバイブ音が鳴っているが、まだ眠いためスマートフォンを見ようとはしなかった。
ネロ、恋華・・・・そして、家出をしてネロの家に泊まりに来た秀のストーリーは、56話へ
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【本編】
「うーむ・・・・合コンかぁ、なんとなく緊張するなぁ・・・」
実尋は、待ち合わせの場所に向かっている道中何度も胸を撫でおろした。
「おはよ☆実尋!」
「渋谷さん、おはよー♪」
待ち合わせの場所には、那智と仁児がいた。
「あっ、そうそう・・・もう一人合コンのメンバー呼んだだけど・・・現地で待ち合わせる事になったよ♪」
那智は少し笑いながら言った。
「ほぅほぅ・・・って、めっちゃ笑ってるけど・・・誰呼んだの?ワタシの知ってる人?」
実尋は聞いた。
「うん・・・・クスクス、実尋の知っている人・・・・」
――!?
実尋は、脳内にとある人物の顔が浮かんだ。
「あ・・・言っとくけど、新宿クンじゃないよー☆私が呼ぶのは女子!」
「わははは・・・そ、そうだよねー☆」
実尋、那智、仁児の3人が合コンの現地となるファミレスに入ると・・・聞き覚えのある声が聞えた。
「オイ!新八ぃぃ・・・オマエなんで、ここに来てるアルか?」
「ちょっ、ちょっとォォォォ!!それは、ボクの方が聞きたいよ!ボクは、上野くんや、秋葉くんと一緒に合コンに参加するメンバーの一人で・・・」
「なんで、後輩の合コンに参加するアルか?そんなにして彼女が欲しいアルか?彼女なら、去年から居るだろ?ゲームの中に・・・」
「あっ/////そ、その・・・あぁぁぁぁ!!言わないで!!それは、」
先にファミレスに来ていたのは、那智と今回の合コン企画を計画した上野、上野の友人である秋葉、そして先程から大きな声を出している男性と語尾に「アル」をつけている女性・・・この二人は、実尋や那智と同じ共有鯖船学園の生徒会に食事している3年生の先輩だった。
先程から大きな声を出している男性は、短めの黒髪と丸い眼鏡といった全く特徴のない・・・「本体は眼鏡である」とまで言われた程である、彼の名前は、
木村新八(キムラ シンパチ)。
そして、語尾に「アル」をつけている女性は、那智が「どーしても合コンの女子メンバーが1名足りなくなってしまった」と前日懇願された為、合コンというモノの趣旨を知らずに来た、共有鯖船学園の生徒会長!
長谷川神楽(ハセガワ カグラ)であった。
「えっ?新八センパイ!彼女居るんスか?」
「うわー・・・いいなぁー・・・紹介してくださいよーー・・・」
「まっ、まぁねー・・・あははは」
新八は、彼女の居ない後輩から尊敬の眼差し?で見られ照れ臭そうに頭をかいた。
「新八の彼女は、ラブ●ラスって言うねん!なんか、小さい箱みたいなのを持って、新八は、その箱とお話し出来るねん!」
「ちょっ・・・・ちょっとォォォォォ!人の彼女を箱とかいうなァァァァ!!!マナカちゃんに謝れぇぇぇぇ!!」
愛する(ゲーム内にしか存在しない)彼女を神楽から(悪気が無さそうな言い方で)バカにされた為、大きな声を出して怒る新八。
「おやおや~・・・・大きな声を出しちゃって、新八センパイ・・・・」
実尋、那智、仁児がやってきた。
「あっ!実尋ちゃん☆・・・・なっちゃんも!来てたんだねー☆まってたよー!」
「オッス☆」
新八と神楽が明るく出迎えた。
「神田ァァ・・・おっせーよ!」
上野は、那智の事を名字で呼び相変わらず、キモチ怒ったような感じで話していたが・・・歓迎しているようにも見える。
「うるさいわねー・・・女のコは、イロイロ大変なのよ♪」
那智も、上野の話し方には慣れている。
「あっ・・・はじめまして・・・・・の方もいるね?」
仁児は、上野、秋葉と・・・いった中学時代の知り合いに関しては顔みしりだったが・・・新八、神楽といったメンツは初見だった為緊張していた。
「あっ////かわいい!ささっ席について・・・早速自己紹介から始めよう!」
新八は、頬を赤くした。
☆☆
「じゃ、じゃあ~・・・みんなも揃った所で端から順に自己紹介しようか♪・・・ボク、こーいうのはじめてだから、ワクワクしちゃうな~」
新八は、嬉しそうに言った。
「じゃ・・・まず、俺から・・・上野明(ウエノ アキラ)です☆特技は、空手です!」
上野が自己紹介すると・・・「ふっ・・・空手か・・・」と鼻で笑う金髪の男が居た。
「な////なんだよ~・・・せっかく連れてきたのに~・・・・」
上野は、一番端に座っている金髪の男が笑った事に、少し腹を立てた。
「悪いな・・・空手、つまり・・・武道家という割には、身体つきが弱そうに見えてしまってな・・・」
端に座っている男は、小さな声でボソっと話した。
「うーん・・・一理あるわね・・・ふふふ。空手やってる割に、アンタ(上野)小さいしね・・・」
那智は金髪の男に同意して笑った。
「うっせーな・・・/////」
那智にも笑われて上野は顔を赤くした。
「まぁまぁ・・・お二人さん・・・・」
「そ、そうだよ・・・もっと楽しくやろうよ・・・・」
実尋と新八は、宥め役に回った。
「じゃあ、次は俺ねー☆秋葉原幸(アキハ ハラユキ)でーす☆趣味も、特技もありませーん♪ガール・・・フレーーンドが欲しいから、ここに来ました――☆よろしくーー♪」
秋葉は何も考えてないのがモロに出ている自己紹介だった。
「じゃあ、次!」
神楽は、秋葉に対して特に質問の時間も取らず・・・隣に座っている男に自己紹介をふった。
「あ・・・はじめまして!」
「じゃあ、次!」
「ちょっとォォォォ・・・・まだ、なにも話して無(ね)ぇよォォォォ!」
「新八の事は、みんな知ってるアルよ・・・自己紹介は、省略するネ☆」
「いやいやいやーー!こーいう時は、みんな順番に自己紹介するのーー!」
「みんな知ってるのに、誰に名乗る必要があるネ・・・」
神楽は、新八の自己紹介を省略しようとすると・・・・
「あ・・・あの、私・・・・鯖学の生徒じゃないので・・・せっかくだから、自己紹介してほしいな・・・なーんて☆」
仁児が、さり気なく新八のフォーローをすると、
「ほらー!きたーー!!」
と新八は興奮気味で喜んだ。
新八の自己紹介が終わると、次は一番端に座っていた金髪の男だ。
実尋、那智、仁児・・・と3人は、見かけない顔の男の自己紹介に注目した。
「はじめまして☆・・・・あっ、先程は上野くんには、失礼な事を言ってしまった・・・謝りたい・・・」
金髪の男は、自己紹介の前に上野の自己紹介の際、「空手をやっていた事をバカにした」事を謝った。
「いや/////べ、べつにいいよー☆確かに、俺・・・・空手をやってるように見えないし・・・」
上野も頭をかきながら笑った。
「あ・・・私もゴメンね・・・わらっちゃって」
那智も謝った。
「あ・・・別に良いって☆気にすんなよ」
その様子をみて、新八と神楽はお互いに顔をあわせてニッコリ笑った。
「有楽町・テン・シンハン!今回の合コンは、上野くんの友達の秋葉くんの友達の・・・友達の友達の友達の×8・・・の友達から合コンのメンバー募集という連絡を聞いてな・・・・つい、参加してしまった・・・・」
「ちょっと、待って・・・・友達の友達の友達の×8って・・・上野や秋葉とは、殆ど他人じゃない!」
金髪の男テン・シンハンの自己紹介に那智は、思わずツッコミを入れた。
「ハッハッハ・・・・実質そーなるな・・・だから、ここにいる全員とは、初見という事になる・・・俺自身、少し昔武道を志していた経緯があり・・・・今は、武道の道から離れて、見ての通りファッションを楽しみ青春という道に入る事にした。」
テン・シンハンは、見た目は非常にオシャレだが、話し方は非常に堅物であった。
「へぇ//////なんだろ~なんか見た目と話方にギャップがあるわねー」
「うんうん・・・ギャップっていいよね☆」
那智と仁児は、テン・シンハンという人物に興味深々であった。実質合コンといっても二人からすると、上野、秋葉は中学時代からの知人であり新たな興味等は湧かなかった。
「うんうん・・・・なんだろぉ・・・なんか、イ・ヤムチャさんと匂いが少し似ている気がする・・・」
実尋は、オシャレルックスと武道家のなんたら~・・・という独特の世界観から、どーしてもイ・ヤムチャとキャラが被るような気がしてならなかった。
男子4名、女子4名と一通り自己紹介が終わった後、合コンの独特なノリとして「質問ターイム!」が開催された。
質問は、やはり・・・テン・シンハンという謎が多い人物に集中した。
「いいなぁ~・・・テン・シンハンばっかり女のコからモテてるみたいでー・・・」
秋葉は、質問が殺到するテン・シンハンを少しばかり羨ましそうに見ていた。
「うんとー・・・質問です☆この中で好みのタイプは・・・誰ですか?/////ウフフフフ」
(実は、今回の合コンで彼氏がつくりたい!と思っている)那智は、直球な質問をした。
――なっちゃん!
那智は、前傾姿勢で身を乗り出し、上目遣いでテン・シンハンを見つめた。
――そのポーズは、若干胸を強調した・・・なっちゃんの必殺技の構え!猫のヨガポーズ!女優やモデル等の芸能デビューを密かに狙って、地味にオーディションを受けてる・・・なっちゃんの必殺技・・・・
中学時代から那智を知っている仁児は、那智がこの合コンにかける意気込みは、実はガチだった・・・という事に気づいた。
「誰かな~☆☆☆」
那智が、テン・シンハンに視線を送る中・・・・
「俺の好みか・・・そうだな・・・やはり、実尋さんだ!」
「!!!!!」
那智の質問に、ストレートに答えるテン・シンハン。
那智が、ノックアウトされました・・・とばかり下を向くと・・・
「あっ・・・今度は、私から質問です・・・・その、お友達とか・・・今度、合コンに連れてこれませんか?」
仁児が質問した。そもそも・・・合コンという場所に、中学時代の知り合いばかりでは、新しい出逢いにはならない為、テン・シンハンの周りの「イケメン友達」を紹介してもらう作戦にした。せっかくだから、仁児も新しい出逢いが欲しい。テン・シンハンが「実尋狙い」なら、その友達と出逢えばいいのだ。
「!!!うんうん・・・お友達も、イケメンですか?/////」
那智も下を向いた顔を再び上げて、テン・シンハンの方を向いた。
――なっちゃんも、原宿(仁児)さんも、ガチだな・・・・
「そ、そうだな・・・・チャ・オズは・・・・今回の合コンには、俺が置いてきた・・・・」
「えっ・・・なんで・・・??」
――チャ・オズって・・・・赤丸ほっぺの白い、ちっこいのしか想像できない・・・
「次元が違い過ぎる・・・・この合コンでは、役には立たん・・・」
今回の合コンは、初見であった事もあり・・・お互いに自己紹介、質問ターイムと連絡先の交換程度で終わる事になった。
-今回の合コンで、有楽町・テン・シンハンさんのLINE(連絡先)をGETしたわ☆・・・ここからが、本番よ!上野、秋葉は・・・そもそも知り合いだし・・・新八センパイは・・・ちょっと私の好みじゃないわ・・・・テン・シンハンさんと連絡を取り合って、テン・シンハンさんのイケメン友達を複数連れてきてもらって、2回目の合コンを開く!ここからが、ホントの勝負だわ☆ウフフフフ・・・・-
那智は、2回目の合コンの段取りをしっかりと脳内で計画しながら、静かに笑った。
☆☆☆
※ここからは、56話の続きです・・・w
日曜日の午後、ネロのお話し☆
「はぁ・・・さて、カレーでも作るけど・・・恋華も食うか?」
ネロは、ニンジンを切り始めた。
「う・・・うん・・・・」
恋華は、ネロの部屋の今が人形の様に力なく寝転がっていた。
「元気だせよー・・・・充分、大崎の力になってたさ・・・俺達・・・」
「そうかな?」
「あぁ☆」
「ホントにそう思う?結局、大崎君は家出して・・・ここに、アンタの家に転がりこんできたけどさ・・・私が、来ちゃったせいでさ・・・結局、アンタに悩みとか聞いてもらえないままだったし・・・」
恋華は、土曜日(昨日)から大崎秀が泊りにきたが、悩みを打ち明ける事も出来ず、その夜も泣き寝入りさせてしまっていた事に責任を感じていた。大崎秀の為に、なにかをしようと思った事が最終的に邪魔になってしまっている事を痛感していた。
「恋華・・・出来るとか、出来ないとか・・・人の力になるって、そーいう問題じゃねぇだろ?」
「えっ??」
「出来る出来ないじゃない!出来るようにする努力っていうか・・・・そこにたどり着く経緯の方が大事だと・・・俺は思う☆」
「出来るようにする努力・・・・?」
「あぁ☆・・・ようは、大崎の事を助けたい!なんとかしようって思うキモチの大きさの方が・・・大事だ!」
「ちょっと・・・アンタ、いい事言うわね・・・駄犬のクセに・・・/////」
「だろ~♪って・・・駄犬は余計だっつーの・・・」
ネロは、恋華に褒められ得意になったが、「駄犬のクセに・・・」という小声は聞き逃さずツッコミを入れた。
「あのさ・・・私って、邪魔じゃない?」
「??別に邪魔じゃねぇけど・・・」
「じゃ・・・今晩泊って良い?」
「!!いきなり何言い出すんだよ・・・・」
「・・・・・アンタの家ってさ、親居ないでしょ・・・だから、アンタの親には迷惑かけないし・・・アンタが、私の事邪魔じゃなければ・・・」
「いや・・・邪魔とか・・・そーいう問題じゃねぇよ・・・男の一人暮らしに女のコが泊るってのはなぁ・・・」
「やっぱり・・・邪魔なんだ・・・・」
恋華は、今に相変わらず寝ころがりながら力なく言った。
「・・・・・・オマエ、なんか変だぞ・・・昨日もいきなり、窓から俺の家に侵入してきたり・・・大崎が心配だっていうから・・・そーいう事にしたけど・・・家で、なんかあったのか?先生(恋華の兄、目黒ギン)とケンカでもしたのか?」
「・・・・別に、お兄ちゃんとケンカしたくらいじゃ、家を出たりしないわよ・・・・」
「なんだ・・・結局、オマエも家出かー・・・・オイオイ、一人暮らしの俺の家は駆け込み寺か?・・・大崎と言い、恋華と言い・・・・」
ネロは、手際良く野菜を切ってカレー鍋に入れて炒め始めた。
「いま、ウチに別居したお母さんが久し振りに戻って来てるから・・・家に居づらいの・・・」
「なんだよー・・・お母さんが戻って来てよかったじゃねぇかー・・・」
「ううん・・・お母さん一人なら、問題無いし・・・むしろ嬉しいわよ・・・問題は、お母さんとお父さんが一緒に居る事よ・・・」
「えっ?両親が揃ったら・・・・やっぱり嬉しくないか?普通・・・」
「ウチ、私が中学3年の時・・・お父さんとお母さん喧嘩が多くて・・・ついに、離婚して出て行っちゃったから・・・」
「あ・・・・そうか・・・??でも、戻ってきたんだろ?」
「・・・・時々、お母さん戻ってくるときがあるの・・・・普通に話す分には全然良いんだけどね・・・お父さんとお母さん、顔を合わせるとケンカが多くてさ・・・そこに、お兄ちゃん(目黒ギン)が居れば、お兄ちゃんの一括で収まる事もあるんだけどね・・・私一人じゃ、お母さんとお父さんのケンカは止められないし・・・」
「・・・・・・そんなに、凄いのか?」
「・・・・凄いって、いうか・・・・何かある度にね・・・・お兄ちゃん(目黒ギン)は、働いてるからともかく・・・恋華は、どーするんだ?まだ、学生だぞ?って・・・・そんな話が聞こえてきてね・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「やっぱり、中学生の時からさ・・・そーいうの、聞こえてくるの・・・なんか、嫌でさ・・・私が居なければ、親たちは・・・もっと自由が効いたのかな?って思うとさ・・・私なんか、産まれてこない方が良かったのかな・・・って思える時があってね・・・」
ネロは、料理の手を止めて恋華の顔を見に居間にやってきた。
「あっ・・・・!!」
恋華は、ネロが傍にやってきた事に気づいて話を辞めた。
「料理は・・・終ったの?」
「いや・・・・カレーのルーぶち込んだから、後は弱火で煮込んで、適当に時々かき混ぜれば出来上がりだ☆」
「・・・・・うん・・・・・ん?」
「泣いてたかと思って、顔・・・見に来た☆」
ネロは、恋華の顔を見てニッコリと笑った。
ネロは、パソコンのスイッチを入れた。
「うん?カレー食ったらさ、俺・・・夕飯の買い物行ってくるから・・・オマエ(恋華)ゲームでもやってよ?この際、気晴らしした方がいい・・・オンライゲームっての解るか?結構・・・これ、面白いんだぜ?ファンタシーコスモオンライン・・・ちょっと、やってみないか?」
「あっ・・・知ってる・・・これ、テレビで宣伝してた・・・」
恋華は、ネロのススメでパソコンのゲームやる事にした。
ネロの「悩み事自己解決方法」は、「とりあえず、すぐに解決しない事は・・・考えない!まず、考える事を辞める!」という逃避方法だった。悩んでても余計にマイナスな考えが膨らむだけなので、まずは脳内を切り替える事がネロの解決方法だった。
この方法は、かつて高校1年生(昨年)に自身がやっていた方法で、学校の帰宅後は、ほぼ毎日「ファンタシースターコスモオンライン」をやり続けていた。中々友達が出来なかったマイナスのキモチから、オンラインゲームというネット上の中に沢山友達(知り合い)つくり・・・「俺の世界はこっち(ネットの中にある!)」と考え方を切り替えて1年間過ごした事があった。
☆☆☆☆
カレーを食べ終えたネロは、恋華に留守番(ゲーム)をさせて、一人で買い物に出かけた。
寒い季節の買い物である。適当に一人で選んで買った方が速く済むと考えたのだ。
スーパーで買い物をしていると、見慣れた顔に出くわした。
「あっ・・・神田さん・・・?」
ネロが、スーパーの精肉コーナーで肉を選んでると、横に神田那智が居た。
「あっ!新宿くん・・・・買い物?」
神田那智は、長い髪をかきあげながらネロの方を見た。
「おぉ・・・夕飯にな・・・あれ?神田さん・・・家って、こっちだっけ?」
「ううん・・・今日ねー☆合コンしてきたの♪・・・うふふ、実尋も一緒だったわよ☆」
那智は、まるでネロの反応を確かめるかのよーに、意地悪っぽく言ってみた。
「えっ!・・・あっ・・・そう、なんだ・・・」
「あら?もっと、驚くかと思ったのにー・・・」
「いや、別に、渋谷(実尋)が、どこで何をしていても・・・アイツの勝手だろ?」
ネロは、心の中に何かがひっかかるのを抑えつつ、あえて冷静に話した。
「・・・・・・・・・・・・っ!」
那智は眉間にシワを寄せた。
「なんだよ・・・そんな顔をして・・・」
「何って言うか・・・最近、新宿くんと実尋って、なにかあったの?」
「ふーん、なんかアンタ達って、最近よそよそしいのよねー・・・夏の旅行に行った時、二人っきりで夜の愛の語らいとかしちゃって~思いっきりラブラブな展開だったクセに・・・・」
「おい!!なんで、それ・・・知ってるんだ/////あ、アイツ(渋谷)が喋ったのか?」
ネロは焦った。夏旅行の語らい・・・とは、ネロと実尋が最も親密な話を二人きりでした時間だった。
「ううん・・・実尋は、そんな事絶対に言わないよ・・・・あのコは、凄く純粋だから・・・間違っても他人に言ったりはしない・・・それで、あんまり相談出来ないから・・・一人で抱え込んじゃうんだ・・・悩み事とか・・・・」
「あぁ・・・そうだったな・・・」
ネロは、「20%値引き」のシールがついた豚肉の塊を3パック手に取りスーパーの買い物かごにいれた。
ネロと那智は、買い物を終えてスーパーの外に出た。
「うふふふ/////あのさ、こーやって、二人で同じスーパーを同時にでると、一緒に買い物に来たみたいだね☆」
那智は、ネロの傍に少しだけ寄った。
「あー・・・そんな風にも見えるかもな・・・」
ネロは、少しも動じなかった。
「もー・・・リアクション薄いなー・・・・実尋が話題に出た時は、リアクションオーバーのクセに・・・私の事だと、リアクションが小さい・・・っていうか、どーでもいいってカンジー・・・・?」
「おいおい・・・随分投げやりな態度だなー・・・合コンって、俺は、良く解らないけど・・・その、////うまくいかなかったのか?」
「ん??あぁぁ!また、目が実尋の事考えてるー!合コン上手くいって、実尋に新しい彼氏が出来たかな?とか、私から聞き出そうとしてるー!うわーーーっ、考え方せこい!」
那智は、「ドン引き」というレベルで思いっきり離れた。
「べ、別に良いだろ・・・・どうだったか聞いたって・・・」
「ん・・・・じゃあ、今度合コンやるとき・・・新宿くんも呼ぼうか?来る??」
「いや、別に呼ばなくてもいいよ・・・俺、・・・・彼女(付き合っている人)居るし・・・」
「ふーん・・・」
那智は、目を細くしてネロの顔を見た。
「な/////なんだよ・・・・」
「それで、今・・・そのお付き合いしてる人と・・・上手くいってないんだー?」
「だっ!?なんだよ・・・・い、いきなり・・・別に、そんな事・・・オマエに関係ないだろ??」
ネロは、大きく動揺した。
「それでー・・・彼女が出来たばっかりの頃は、実尋の事・・・・鬱陶しいと思って、突き放して・・・彼女とうまくいかなくなって、実尋の事が気になりはじめたんだー?」
「・・・・な、なんでそーなるんだよ!」
「だって、実尋の話題になると、興味深々・・・そんで、私の話題は・・・良い感じに聞き流すんだもん・・・そりゃー解るわよ!」
「俺は、渋谷の事・・・鬱陶しいなんて思った事はないぞ!・・・・・・・っ・・・・」
ネロは、「鬱陶しい」というキーワードには全力で否定したが・・・他の事には、あまり否定出来なかった。
「で・・・・いま、付き合っている人からは、連絡とかしてるの?」
那智は、立ち止まって聞いた。
「いや・・・その、今朝・・・会うのと、連絡するのは・・・今後控えるってLINEが来た・・・・」
「うわっ・・・それ、ガチじゃん・・・・で、何か心当たりとかあるの?」
「いや・・・思い当たらない・・・・・そもそも、付き合ってからの正確なデートっていうか、喫茶店は・・・一回しか行ってない・・・」
「・・・・・・・・・・そっか・・・・・悪い事は、言わないから、それ・・・諦めた方が良いんじゃない?」
「なっ!・・・・いきなりそんな事言われたって・・・・無理だろ・・・・一応、つき合ったばかりで・・・・俺とその人は、お互いに好きになってつきあったんだ・・・そんな簡単に・・・」
ネロは、唇を噛みしめて下を向いた。
「キツイ事をいう様だけど・・・・その人って、ホントに新宿くんの事好きだったのかな?」
「当たり前だろ・・・・俺達は、お互いに・・・・」
「どーして!そーやって相手のキモチまで決めつけられるかな・・・?好きってキモチがはっきり解るのは・・・新宿くんだけでしょ?」
「・・・・・・・・・くっ・・・・ハハハハ・・・そうだな、確かに俺は・・・自分のキモチしか解らねぇ・・・相手の気持ちまで考える事はできねぇ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
那智は、ネロが目の前で落ち込んでいる様子を目の当たりにしながらため息をついた。
「ねぇ・・・ちょっと、目の前でへこまないでよー・・・見てるこっちが疲れるから~・・・」
「ワリィ・・・」
「もー・・・・」
「そーいや、オマエ(那智)も一人暮らしだろ?」
ネロは、那智が買ったスーパーの袋を見ながら話した。
「う・・・うんそうだけど・・・良く解ったわね・・・」
「スーパーで買った袋の中・・・菓子ばっかりだぞ?」
「・・・・うるさいわね・・・」
「肌荒れるぞ?」
「余計なお世話よ・・・・」
「ほら!これやるよ☆」
ネロは、那智に「20%引き」のシールがついた豚肉を手渡した。
「え・・・いらないわよ、私・・・あんまり料理しないし・・・」
那智は、ネロから受け取った肉を返そうとしたが、ネロは押し戻した。
「いや!たまには、料理くらいしろ!モテないぞ?」
「!!・・・アンタは私のお母さんか!」
「おれは、男だ・・・その豚肉は、生姜焼きがベストだ!この時期・・・身体が温まる☆」
「そーいう問題じゃなくて・・・・」
那智は、「お母さん」というキーワードは、「お節介焼き」という意味で使ったのだが、ネロは聴く耳なし。
「お礼だ☆」
「えっ?」
ネロが明るく言った一言に、那智は聞き返す。
「話、聞いてくれてありがとーな☆」
☆☆☆☆☆
ネロが家につくと、恋華が床に転がっていた。
「あっ、おかえりー。」
「ん?ゲーム、もう飽きたのか?」
ネロは、買い物いく前、恋華にパソコンのオンラインゲームをやらせていたのだが、パソコンはつけたまま横になっていた。
「うーん・・・やり方がイマイチ解らなかった・・・」
と言いつつネロが床に置いたスーパーの袋の中身を見ていた。
「ねー、ネロ・・・レシートに豚肉3つって書いてあるに、袋の中には2つしか入っていないけど・・・これ、スーパーの人がうち間違えたのかな?お金損してない?」
恋華が聞くと、
「あっ、腹を空かせた野良犬が居たから・・・一個食わせてやった☆」
とネロは、那智にあげた事は言わなかった。
「なにそれ・・・」
恋華は、思わね答えに固まった。
ブーン ブーン
スマートフォンの着信のバイブ音なり響く。
「あっ?なんだ?・・・もしもし?」
ネロは電話に出た。
「あっ、もしもし・・・さっき伝え忘れた事があってね・・・大崎くんの事だけど・・・」
電話の相手は、神田那智だった。
「??・・・・ん?」
電話の話しを聞くネロの顔が、段々険しくなってきた事に、恋華は異変を感じた。
「・・・あぁ、連絡してくれてありがとうな・・・」
ネロは、電話を切った。
ネロは、電話を切ると急いで家の玄関へ向かった。
「えっ、ネロ・・・・どこに行くの?」
帰宅したばかりのネロが、再び家を出ようとしていた為、恋華は追いかけていこうとした。
「お前は来るな!」
ネロは、恋華に言った。
「ちょっと、今帰ってきたばかりなのに・・・ねぇ!何があったの?どこに行くの?」
恋華が再度聞くと
「大崎秀を・・・ぶん殴る!」
ネロは、一言言い残し勢い良くドアを閉めた。
つづきは、こちら
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