ブログ小説です☆
 
高校生活を舞台とした学園モノです。
今回の話は、新宿ネロ、渋谷実尋といった人物視点ではなく・・・
 
純粋に文化祭のストーリーを進行していく、
中間視点としていきましょう☆
 

ついに、始まる!

文化祭の季節(*つ▽`)っ
 
49話

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今回ストーリー「50話」
とりあえず、文化祭の前日準備からお話に入っていきます☆
 
では、本編へ進んでください☆
 
【本編】
文化祭の前日・・・
全校生徒達は、作業が進んでいるクラス、進んでいないクラス・・・様々だが、明日を目前に総仕上げに向かっていた。
 
「ハーイ!!みなさーん!!5組6組のみなさーん!!」
メガホンを片手に自声を張り上げる実尋。
 
「ワタシ達のクラスは、ぶっちゃけ作業の遅れている組です!!それでも、可能な限り・・・・本日は居残って準備していきましょう~!お腹がすいたら、『渋谷軒』に出前をとりましょう~安くするよ~☆」
 
「し・・・渋谷、オマエ・・・なんで、こんな時に自分の家のラーメン屋の宣伝するんだよ・・・」
「いやいや、新宿クン・・・こんな時だからそこ、宣伝するのだよー☆」
実尋にツッコミをいれるネロだが、自信たっぷりで笑顔で答える実尋。
 
ネロは、立て看板の組み立て作業をしながら、実尋に訊ねた。
「なぁ・・・文化祭なんだけど・・・俺も時々店番から抜けても良いかな?・・・中学時代の友だちがこっちに遊びにくるみたいなんだけど・・・せっかくだから案内してやろうと思ってさ・・・」
 
「うーん・・・・」
実尋は、すこし腕を組んで考え込む振りをしてから、
 
実尋の選択肢
 
1
「そーだね・・・午前と午後と・・・交代で抜けようか?せっかくだからワタシ達も楽しもう☆」
と笑顔で午前午後で交代案を伝える。
 
2
「いやいや~新宿クン・・・キミは、準備段階に殆ど参加してないからね~・・・店番は、多めにやってもらおうと思ってるのだよ~・・・そーじゃないと、生徒会の仕切り事をしているワタシとしては、示しがつかないのだよ~☆」
とちょっと、何かの合図を送る様にウィンクをして店番をお願いする。
 
3
「うん☆好きな時に店をでて大丈夫だよ☆店番は任せんしゃい!」
と笑顔で自由な出入りを許可する。
 
実尋は、1、2、3の選択肢のどれかを伝えた後・・・ネロに原稿用紙を渡した。
 
※この選択肢によって、次回51話が全く違うストーリーになりますw
 
「え・・・これは??」
ネロは目を丸くした。
 
「うーん・・・実は、ワタシが開会の挨拶をするのだよ☆・・・・そんでね、新宿クンは閉会の挨拶をお願いして良いかな?」
 
「のわ・・・・マジかよ?俺・・・こーいうの苦手なんだよ・・・・」
ネロは頭をかきながら原稿用紙を受け取った。
 
 
 
そこへ、進学科の大崎秀と神田那智がやってきた。
「よぉ☆やってるな?文化祭の準備!」
秀は、明るく声をかけた。少しシップの匂いがした。
 
「おお・・・大崎、ん?なんかシップ臭いぞ・・・・どうした?ケガか?」
「あぁ・・・ちょっと練習中にな・・・ハハハハ・・・・」
「あぁ・・・そーいえば、1組2組は・・・プロレスショーだったな?・・・・なんだか大変そうだな・・・」
「あぁ・・・誰が、こんな提案したんだか、全く・・・・」
 
ネロと秀が話し込んでいると、那智が割って入った。
「ちょっと、立ち話をしにきたんじゃないでしょ?」
「あー・・・そうだったな・・・うっかりしてしまった!渋谷、ちょっと生徒会長より提案が入ったのだが・・・」
「??生徒会長さんが・・・」
秀の話に実尋も耳を傾けた。
 
「あぁ・・・・どこのクラスが一番人気か、クラス対抗をしようという事になってな・・・・入場してきたお客様に退館時に投票ボックスに入れてもらう仕組みだ・・・それで、もっとも人気のあったクラスに優先的に最新型のエアコンへの切り替え権利がもらえるそうだ・・・」
「エアコンが最新型になるだと・・・あのスイッチが入るか入らないか解らない、カビ臭いエアコンが新調されるのか!」
秀の話に、ネロは声を大きくした。
 
「ハッハッハ・・・・そーいうことだ・・・それと、もう一つは・・・5000円分の商品券がもらえるそーだぞ!クラスメイト1名ずつだ!」
「なんとぉ・・・・ラーメンがいくつ買えるのかァ!!!」
実尋は拳を握る。
 
「まぁまぁ・・・実尋おちついて・・・今回の文化祭は2クラス合同だから、エアコン新調権利と商品券は・・・話し合いになると思うの・・・エアコン新調が2クラス同時に行うのは、予算的に・・・・」
那智は腕を組んで話す。
 
「ハッハッハ・・・・そうとも限らんぞ?5000円分の商品券だ!一人一枚の!みんなで商品券を合わせれば、新しいエアコンを買う事も可能だし、取り付け作業費用もなんかなるだろう☆」
 
「おぉ!!!そーか!つまり、勝利した2クラスは双方ともエアコンの新調権利を貰えると考える事も可能か!」
 
「うむ!!そーいうことだ・・・だが、言っとくが・・・勝つのは進学科(1,2組)だ!この日の為に、身体をアザだらけにしながら、プロレス技に耐えてきたんだ!!負けんぞ・・・」
秀は胸を張って言った。
 
「ふっ・・・俺だって、エアコン新調権がかかっているなら・・・負ける訳にはいかねぇ!そうだろ?渋谷・・・しぶ・・・」
「ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン・・・・・ん??うん!よし勝ちに行こう!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ネロは、実尋に同意を求めようとしたが・・・ラーメンの事で頭が一杯になっていた実尋がいる以上・・・仮に勝利した場合でも、エアコンの新調権は剥奪される可能性があると・・・・ネロは思いっきり感じた・・・・
 
 
 
 
 
5限目の終わりの放課後から、始めた鯖学文化祭の準備作業は、20時まで続いた。
本来は、生徒は19時までしか残ってはいけない!という決まりがあったのだが、大幅にオーバーしてしまい、
 
「ほーらぁ!テメェら!あとちょっとだけって・・・いつまで残っている気だァ!」
ネロ、実尋の担任である目黒ギンの怒鳴り声がこだました。
普段は「ぼーっと」している彼だが、怒らせると怖い事でも知られている。
彼が、怒鳴ると生徒達は逆らう事は無い。
 
 
準備段階を切り上げ、生徒達は一斉に帰宅した。
 
 
新宿ネロは、大崎秀、神田那智、目黒恋華と共に、学校付近のファミリーレストランに寄っていた。
この日は、渋谷実尋は・・・「開会の挨拶の原稿用紙を見てもらう為」に生徒会長達3年生と共に帰る事にした。
 
「そうか・・・渋谷は、開会の挨拶を考えるのか・・・大変だな・・・」
紅茶を飲みながら、秀は言った。
 
「あんまり、自分一人で抱え込み過ぎないと良いけどね・・・」
那智は、コーヒーに砂糖を入れながら静かにスプーンでかき混ぜていた。
 
「あちゃーー・・・・俺も、閉会の挨拶を頼まれていたんだ!生徒会長さんのトコに行けば良かったかなぁ・・・」
やっちまった!と頭を抱え込むネロ。
 
「今更、ジタバタ考えたり落ち込んでも仕方ないのよ・・・・変にカッコつけづ、モグモグ・・・自分らしく挨拶を書けばいいのよ・・・」
恋華は、注文したハンバーグをナイフで切って、話しながら食べ始めた。
 
「おぉ!良い事言うなぁ・・・目黒☆」
「うん、まぁね☆」
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
秀と恋華の会話の様子を無言で聞き、すこし二人を見た後静かにコーヒーを飲む那智。
 
「・・・・・・・・・・・・そーいや、恋華・・・大崎と普通に話せるようになったんだな・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ネロが話すと、那智はコーヒーカップを無言で置いてネロの顔を見た。
 
「え?・・・まぁね・・・・」
恋華は、静かに答えるとハンバーグを再びナイフで切り始めた。
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その様子をじっと見てから、秀も静かにナイフでハンバーグを切り始めた。
 
――なんだ、渋谷が居ないと・・・それだけで、こんなに静かな空間になるのか?いや・・・それにしても静かだ・・・やっぱり、恋華の様子が少しおかしい・・・いつもなら、大崎に対する反応が、異常なまでに「お、大崎くんに褒められた☆・・・」オーバーなリアクションを取ったり、若干名前を言う前に噛んだりするのに・・・そーいうのが無くて、普通に話してる・・・・
 
「なぁ、恋華・・・オマエ、なんか今日静かじゃないか?どーした?なんかあったのか?」
「別に、なにも無いわよ?」
「いや・・・いつもなら、もうちょっと・・・・」
ネロは、恋華に様子がおかしい事を聞こうとすると・・・
 
「新宿くん・・・アナタのハンバーグ、冷めるわよ・・・・」
ネロの質問を封じるかのように、那智が言った。
 
「あ・・・・お、おう。」
ネロは、那智に言われるがままにハンバーグを切り始めた。
 
-少し疲れたから、近くのファミレスでお茶してかないか?-
とい秀の誘いで、やってきたネロ。
 
――なんだろ・・・やっぱり、連日の準備のせいでみんな疲れてるのか?空気が重いな・・・・
 
会話が殆どない状態で、ただナイフでハンバーグを切る際に鉄板にあたる金属音と、付け合わせのライスを食べる際に皿にあたるスプーンの音がいつも以上に気になって聞える。それほど静かな食卓となった。
 
「ふぅ・・・・ご馳走様・・・お金、ここに置いておくから・・・私、先に帰るわね・・・」
先に食べ終わった恋華が席を立つ。
 
――おい!オマエ・・・ホントにここまで無言で帰るのか?
 
「あ・・・目黒さん・・・アタシも一緒に帰るわ・・・」
恋華を追うように那智も席を立つ。那智のハンバーグは殆ど手つかずだ・・・
 
「おい・・・ハンバーグまだ、残っているぞ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・新宿くん、あげるわ・・・アナタ、ハンバーグ好きでしょ?」
ネロが言うと、那智はサクっと返した。
 
男子2名、ネロと秀を残し・・・・恋華と那智は店を出た。
 
 
「ふーーーっ・・・・」
秀は、ため息をついた。
 
「おい・・・なんだよ、アイツらの態度・・・・」
ネロは眉間にシワを寄せた。
 
「まぁ・・・連日の文化祭の準備で疲れたんだろう・・・かという俺も大分疲れた。」
「あ・・・そうか、そーいや、俺・・・あんまり文化祭の準備手伝ってなかったな・・・・それで、アイツら・・・あんな態度だったのかな・・・だとしたら、俺・・・・謝らないとな・・・・」
ネロは、少し下を向いた。
 
「まぁ・・・文化祭の準備サボル連中なんて他にもゴロゴロ居るし・・・・みんな、そんなに気にしてないだろう・・・アイツら(恋華、那智)もそんな事を気にするような奴じゃない・・・・」
 
「・・・・・・・そ、そうか・・・・」
 
「新宿・・・・」
秀は、少し真顔になった。
 
「どーしたんだ?急に・・・・」
「食いながらで良いから、オマエに話したい事がある・・・・実はな、俺・・・夏休みの旅行に行った時・・2日目の夜なんだけど・・・」
 
「どーしたんだ?あの時の夜・・・・」
 
 
 
 
 
「ちえモン先生と会ってた・・・・」
「ハ???あんとき・・・って、みんなで旅行に来てた時か?あの時・・・ちえモン先生は、旅行不参加だったんじゃないのか?」
ネロは、声を大きくした。
 
その夜といえば・・・ネロ自身は、渋谷実尋と二人でゆっくり会話をしていた時間であり、他のメンバーがどこで何をしていたかまでは、全く知らなかった。
 
-進路調査表・・・書き直しになる前はね、
ワタシ、こー書いたんだ・・・-
 
 
「おい!新宿・・・大丈夫か?なんだか顔が真っ赤だぞ??」
ネロは、あの時の実尋の言葉を思い出して赤面していた。
 
 
心の優しい人の・・・・
 
 
渋谷・・・・え////////////・・・あ、・・・・」
 
「あ・・・スマン・・・・ちょっと・・・・考え事を・・・・」
「・・・・じゃあ・・・話を続けるぞ・・・・」
「お・・おう!」
ネロは、夏休みの旅行のなんとなく、美味しい思いをした思い出を、首を全力で左右に振ってから、再び集中して秀の話を聞いた。
 
秀と話終わると二人はお開きにして解散した。
 
 
 
 
家に着くと一人静かに考えた。
 
――大崎の話によると、どーやら・・・アイツは、夏の旅行にちえモン先生を誘ったんだが、研修があるとお断られたらしいんだが・・・ちえモン先生の研修先が、俺達の夏休みの旅行先と近かったらしい・・・それで、ちえモン先生は大崎にこっそり会いに行って密会をしたって事か・・・大崎は・・・ちえモン先生の事が好きって事か・・・・
 
――待てよ・・・そんじゃ、さっきの恋華の大崎に対しての態度の変化は・・・その(ちえモン先生と大崎の密会)に気づいてたって事か?または・・・俺が、渋谷と話している時に・・・・アイツ(恋華)と大崎に何かあったって事か?ちえモン先生と大崎の密会現場を・・・恋華が目撃した・・・とか・・・
 
―――ん・・・・・なんだか、ややこしいな・・・・どっちにしろ、アイツ(恋華)の態度の変化は・・・大崎との間に何かあったって事だ・・・アイツは、4月に告白してフラれても、諦めずにアプローチしていた奴だ!何か無いと・・・普通、あんなに変わったりはしないだろう・・・
 
――あ・・・やべっ・・・・明日は、文化祭当日だってのに・・・まだ、閉会の挨拶考えてなかった・・・クソ!
ネロは、ダッシュで原稿用紙に書き始めた・・・
 
 
ふーーっ
 
 
ネロは、ため息をつきながら窓の外を見た。
 
――ん??あの、見慣れた頭は・・・恋華か??
 
ネロは、窓の外から見下ろすと・・・
向かい側のボロイ・・・アパートから顔を出す女性が一人いた。
 
――・・・ため息なんて、ついちゃって・・・落ち込んでるのか?よっし!
 
「おーーい!!恋華ァァ!!!」
ネロは、窓の外から呼んだ。
 
「!!!ちょっと、いきなり呼ばないでよ!周りの人に聞こえるでしょ??そんなデリカシーも無いから、アンタはいつまで経っても駄犬・・・・」
恋華は、下の方からネロを見上げながらなんだが、いつものように文句と悪口をミックスさせた悪態をついていた。
 
ネロは、静かに笑った。
 
「ちょっと!他人から怒られて何、ニヤニヤ笑っているのよ!気持ち悪い・・・あんたはね・・・大体上から目線なのよ!!・・・ちょっと背が高いからって・・・・」
恋華は、ネロが少し笑みを浮かべた事にさらにヒートアップして文句を言い続けた。慣れているネロは、馬耳東風というべきか上手に聞き流していた。
 
「恋華ァ!!オマエ・・・ちょっとだけ時間あるか?俺なァ・・・今、閉会の挨拶を考えてたんだけどな・・・上手くできてるか評価してくれる人が居ないから・・・オマエ聞いてくれないか?暇だろォ??」
 
「暇!暇って!なんなのよ・・・私は忙しいの・・・・」
「そっか・・・じゃあ、仕方ねぇや・・・ワリィな・・・」
ネロは、恋華の話を最後まで聞かず、頭を引っ込めた。
 
「ちょっとォォォォォ!!!待ちなさいよォォォ!!人の事呼んどいて、用件無しってわけ??」
恋華が叫ぶように言うが、ネロは窓の中に引っ込んでしまい出てこない。
 
「あぁぁぁぁぁぁ!!!解ったわよ!閉会の挨拶でしょ?みひろんから頼まれた奴でしょ?聞いてあげるわよ!ボロクソに訂正してあげるわよ!いじけてないで出てきなさいよ!!」
 
「そっか!助かるわ!やっぱり・・・オマエ暇だったんだろ?」
「うっ!」
ネロは、窓からすぐ顔を出した。ネロは、もちろんいじけてはいない。一度引けば恋華は、「聞いてあげるわよ」というだろうと予想していたのだ。口が悪く悪態はつくが、実は面倒見が良い事をネロは良く知っている。
 
「忙しいわよ・・・・でも、アンタがどーしてもって言うなら、聞いてあげない事も無いわよ・・・・」
恋華は、背を向けて言った。
 
「よし!じゃあ・・・聞いてくれ・・・・」
ネロは、原稿用紙を持って話した。
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ネロの読んだ原稿用紙の内容は、決して上手な文章ではなく、読むときも、ちょいちょい噛みながら・・・話慣れてない・・・という事が伝わりやすい!という印象になってしまった。
しかし、全くギャグや笑い等に逃げもせず、迷う事のない、誠実な人柄が伝わる文章だった。
 
 
「どうだった・・・////////」
ネロは、////////真剣な顔で、頬を真っ赤にしていた。
真面目な文章を読み上げるのは、カナリ恥ずかしかったのだ。
 
「!!!!!」
ネロは、一瞬目を疑った・・・・窓の外で聞いていた相手は、ホントにあの恋華か?と目を疑うような・・・
今までに見せた事の無い表情をしていた。
 
「おい!!!どーだったか??聞いてるんだよ・・・ぼんやりしてないで、なんか言ってくれよ・・・・」
 
「ぎゃーぎゃー!ぎゃーぎゃー!うるせぇんだよ!!!
発情期ですかァ??この野郎ォォ!!」
 
恋華の居る窓の奥から、兄である目黒ギン(担任の先生)の怒鳴り声が聞えてきた。
 
クスクスクス・・・・恋華は、笑いながら窓を閉めた。
 
「・・・・アイツ、・・・・結局何も言わないで中に引っ込みやがった・・・オマケに、目黒先生に怒られるし・・・・」
ネロも窓を閉めて、部屋の奥に入った。
 
ブーンブブン・・・
 
ネロのスマートフォンが鳴った。
珍しく恋華からLINEが来ていた。
 
はじめてなんじゃないか?と思う程珍しい事だった。
 
内容は、
 
返信不要
 
たったそれだけだった。
おそらく、「◎」というのは、閉会の挨拶の恋華としての評価なのだと思われる。
それ以外の内容は一切なく、こちら(ネロ)からの返信を遮断するかのように、2行目に「返信不要」と書かれていた。
 
――ったく!アイツ、もっとマシなアドバイスとか・・・無いのかよ?
しかし、ネロの感情に怒りの色は微塵も無かった。
毒舌で文句ばかり言い続ける恋華が、黙って内容を聞いた。
そして、怒りでも、悲しみでも、軽蔑した視線でも無い表情を浮かべたのは、ホントに初めてだった気がした。
そして、自分からネロにLINEを送る事が皆無だった恋華が・・・自分からLINEを送ったというのは、凄く珍しい事だった
 
 
――ふっ・・・・とりあえず、内容はこれで良いって事だな・・・あとは、なるべく噛まないように、ちょっと練習しておくか・・・
ネロは、もう一度スマートフォンのたった一言の味気のない「◎」という言葉を読み上げて笑った。
 
 
つづき
51話

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