ブログ小説です☆

 
鯖学☆シーズン3では、季節ネタとして文化祭の季節となっている学園モノです!!
 
主人公達が在席している2年5組は、隣のクラス6組と合同で「こなもの」を売る出店をやるようです。学校の5限目が終わった放課後から少しずつ準備を進める生徒達。
 
そんな中、新宿ネロは自身の用事を優先させ、余り参加はしていない様子。
 
 
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48話

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【本編】
放課後・・・
5組に在席する実尋は、黙々と文化祭の準備作業を進めていた。
-新宿クンは、明日は準備に参加してくれるって言ってたし・・・今は、ワタシ達で進められるトコまで進めておこう・・・-
 
「こなもの屋」の出店のポスターを作る作業をはじめた。
 
そこへ・・・
 
「みっひろーん♪」
「実尋さぁぁぁん☆」
やってきたのは、6組に在席する恋華とイ・ヤムチャだった。
 
「ねぇ、たこ焼きの試作品焼いてみたよ~食べて☆食べて☆」
 
「実尋さん♪俺の新作お好み焼き豚キムチ入りを焼いてみました!是非食べて下さい♪」
 
「ちょっと、イ・ヤムチャ!!そのアイディアは私のなんだから・・・美味しかったら、恋華ちゃん考案のお好み焼き!!って名前にするんだからね!」
 
「オイオイ・・・焼いたのは俺だぜ、名前も俺に決めさせてくれよ~」
 
「甘いわね、指示されたのモノ焼くのは誰でも出来るよ!こーいうのは、考案者の成果になるのよ☆世の中先に言ったモン勝ちよ♪」
 
「な、なんだよそれ~」
恋華の勢いのある「無情な」言い方にたじたじなイ・ヤムチャ。
 
「社会では、企画考案者の方が、製作者よりちょっとだけ偉いのよ♪」
ドヤ顔の恋華。
 
 
「まぁまぁまぁ・・・お二人さん」
若干ケンカになりそうだったので、間に入る。
 
 
「ふ、恋華・・・そこまで言うなら、実力勝負だ!俺の作ったお好み焼きと、恋華の作ったたこ焼き・・・どっちがウマイかで、雌雄を決するのは、どうだ?悪いが・・・中華料理屋のバイトをしながら、日夜鍛えまくった料理の腕は、登場したばかりのロン毛だった時の俺とは、比べ物にならないくらい上た・・・・」
 
ロン毛だった時w
 
ロン毛男・・・
バイトに受からなくて
自信喪失した事があるw
 
「望む所よ!みひろんとは数年間の付き合いなのよ!味の好みも食べ方、橋の使い方から茶碗の置き方、コップを持つ時に小指が無意識に立っちゃう事だって全部全部ぜ~~んぶ知ってるんだから!あのロン毛だった時の様に自信喪失で失神させて・・・そのまま再起不能にしてるんだから~覚悟しなさい!」
恋華は、イ・ヤムチャが台詞を言い終わる前に自分の台詞を言った。
 
 
恋華とイヤムチャは、それぞれのたこ焼きとお好み焼きを実尋のテーブルの上に置いた。
 
「へ・・・」
実尋は、目が漫画のように点になった。
 
 
「さぁ~て・・・次は、本気を出すぜ!!焼きたて持ってくる!」
 
「私も、焼きたてを持ってくるわ!次の焼きたてで、勝負ね!!」
 
そーいうと、二人は実尋を残して去っていった。
 
「あの・・・これは??」
 
 
「みひろん全部食べちゃって~!!!」
去り際に恋華に言われ、固まる実尋。
 
「ぜ・・・全部??」
 
 
 
 
 
実尋を残し、持ち場に戻る恋華とイ・ヤムチャ。
 
「なぁ・・・今の良かったのか?」
イ・ヤムチャは、恋華の方を見た。
 
「今のみひろんは、あれくらい刺激があった方がちょうど良いわ・・・ここ最近駄犬(ネロ)の奴が、あんまり文化祭の準備に参加してないでしょ?」
 
「・・・・・・・」
イ・ヤムチャは恋華の話を静かに聞いた。
 
「みひろんが、駄犬(ネロ)の事を誘っても、なんか返事も態度も、ちょっとよそよそしいっていうか、心ここにあらずって感じだし・・・みひろん、ちょっと悩み始めてるみたい。」
 
「実尋さん・・・・」
イ・ヤムチャは、少し下を向いた。
 
「なっちぃ(那智)曰く、なんだか学校の外で色々あるみたいだけど、みひろんは他人の悩みは真剣に関わるけど、自分の悩みを打ち上げるのは苦手なの・・・だから、あまり考え込まないよーに・・・・」
 
「つまり、俺達で話題を切り替えて、気分転換をさせる方向に持っていくんだな☆実尋さんの為なら、お安い御用だぜ!・・・しかし、こなもの勝負はマジでいかせてもうぜ!!」
 
「勿論よ♪」
恋華とイ・ヤムチャは軽くお互いの拳を合わせてから、たこ焼きとお好み焼きを作り始めた。
 
 
 
 
 
 
その頃、新宿ネロは・・・
池袋駅下車し、代々木詩織とラーメンを食べていた。
 
ば●から。
ネロのイチオシのラーメン屋であった。なんといっても、どんぶりをはみ出す程の角煮のインパクトが大きい。
ネロは、ライスも追加して食べた。
「ん~・・・・ネロくんって、カレーを食べてるイメージだったけど・・・ラーメンも食べるのね・・・」
詩織は、少し意外だった・・・と目を丸くした。
「いやー・・・俺、代々木さんからカレーの作り方を仕込まれてから、大分カレー作りを極めたと思うんスよ!んで、ある時外で食うカレーが、旨くない!って感じて・・・・ある意味カレー屋のカレーを超える腕が身についちまったみたいで・・・・」
 
「ふふふ・・・何言ってるんだか・・・」
 
「いや、ホントっスよ!この前、グレイコフの送別会をウチでやった時・・・俺のカレーめっちゃ、好評だったし!あの口の悪い恋華ですら・・・アンタ、カレー屋として食っていけるわよ・・・って言ってるくらいですよ?あの暴言女(恋華)が言うです・・・間違いないっす!」
 
「あら・・・フフフフ・・・恋華ちゃんが言うなら、ホントかもね・・・あの娘、味にうるさいし、お世辞とか言わないからね・・・・今度、ネロくんのウチに食べに行こうかな?」
 
「オッス!いつでも、来てくださいよー・・・・あっ、でも代々木さんの手料理には勝てないっスけど・・・」
 
「フフフ・・・ネロくんは、たまに気を使ってお世辞言うからねー・・・ホント、アンタ達って・・・真逆の性格よね~?ある意味相性合うかもね・・・」
 
「いや・・・俺は、恋華とは合わないですよ・・・・アイツは、ルックスが良くて、頭の良い男が好みなので・・・俺とは、真逆のタイプが好みみたいで・・・・」
 
カ・・・カッコイイわ
 
「ふーん・・・ネロくんだって、カッコイイと思うけどな・・・オバチャンは~☆それに、頭が良いってのは・・・何も勉強が出来る事だけじゃないと思うよ・・・人を助ける為に何が出来るか?人が喜ぶために・・・何ができるか?・・・そーいうのを、考えるのも凄く頭を使う事なんだよ?」
 
「・・・・そうっスかね・・・でも、別にアイツから好かれたいとは思ってないっスよ・・・」
ネロは、背中のシャツを撒くって見せた。
 
邪魔っ
夏場に恋華に蹴られて出来たアザを見せた。
くっきりとした、(恋華の)足跡が残っていた。
 
「あらあら・・・・キスマークにしては、大きいわね・・・」
 
ホント邪魔っ
「キスマーク処か、足跡です☆」
 
「へぇ~・・・ネロくんって、恋人に・・・こー言う事(SMプレイ)してほしい人なのね?」
 
(*´Д`)ハァハァ
「あ、ハイ/////実は・・・俺・・・って!!んな訳あるかァァァ!!」
 
ネロと詩織は、ラーメン屋で・・・ラーメンが食べ終わった後も、些細な世間話に花が咲き、2時間以上も話し込み・・・店の客が一気に減った後時計を見た後、時間の経過に気づき慌てて外へ出た。
 
「いやぁ・・・代々木さんと一緒だと、ホントに時間経つの早いっスよ・・・・いつも、喫茶店で5時間くらい話し込んじゃうし、ラーメン屋ですら2時間ですからねぇ・・・ハハハハ・・・・」
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ホントね・・・」
 
少し辺りが暗くなった街路字を・・・ネロと詩織は、二人並んで歩きだした。
「・・・・楽しい時間って、あっという間って・・・ホントっスね☆」
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・えぇ。」
詩織は、下を向いていた。
ネロと過ごす時間は、ホントに楽しい・・・そして、お互いに共通する話題が多く、元々知り合いであった為、お互いに恥じらいが少ない。まるで家族の様に話す事が出来る。
 
そんな詩織だが、心の中では葛藤していた。
 
 
 
 貴方の何が、そーさせているのかは存じませんが・・・彼と二人きりで会う時間を増やせば、その分絆は深まるでしょう・・・その中で、貴方は・・・今まで通りに、ただの近所の隣人として彼を見続ける事が出来ますか?
 
 
-キリエちゃん・・・悔しいけど、貴方の言う通りだわ・・・私は、彼の事を隣人として見続ける事が出来ない・・・歳が離れているからって、自分の事をオバチャン・・・って言うポジションで接していくは、もう嫌・・・夫に公認してもらっているとは言え、自分の気持ちまで誤魔化す事は出来ない・・・自分が一番惨めになるだけ・・・-
 
 彼に新しく好きな異性が出来た場合・・・ただの隣人として彼の恋を応援できますか?いつか離れていく覚悟はありますか?
 
 
-それも嫌!!・・・目の前で、恋華ちゃんや他の女の子と仲良くされたら・・・もぉ、優しいキモチで接していく自身がない・・・-
 
詩織は、数時間前に霧恵から言われた事を思い出していた。
大人として冷静さを保ちながら、霧恵を軽く追い払った詩織だか、霧恵の話した事は無視できない現実の話しだった・・・
 
詩織は決意した。
これ以上お互いが傷つく前に、何よりも自分が辛い思いをする前に、終わりにしよう。
 
今夜案内してくれるカフェ・・・
そこで、話しをホントの話をしよう。
 
「あぁ・・・夜の池袋って・・・結構、めんどくさい誘いが多いですよね~」
ネロと詩織が歩いていると、道端で・・・スーツを着たお兄さん達が・・・
 
「どっすか?キャバクラの方は?」
「お兄さん達・・・帰り道ですか? どーっすか?寄ってきませんか?」
等・・・・夜のお店への声掛けが尋常じゃない程多い・・・
 
 
「さて、そろそろ着きますよー・・・俺のオススメのネットカフェ!」
 
「えぇ・・・あ・・・・もしかして、ここ??」
 
「ハイ☆ここが、俺のオススメのネットカフェ☆女性と入るなら、ここが一番です!」
ネロは、サクっと受付を済ませて、部屋の番号が書かれている伝票を受けとると、詩織を部屋へ案内した。
 
 
「へぇ~・・・ここって、全部の部屋が個室なのね?」
「はい☆ネットカフェの大多数は・・・半個室タイプで・・・個室と言っても・・・ドアで軽く敷居がある程度で・・・天井の方から2m以上の隙間が空いてます・・・当然話声は漏れますし・・・あんまり会話は出来ないです。・・・でも、ここのネットカフェだけは、完全密室個室です。ドアを閉めれば、会話は漏れません。実際隣の人の話し声は聞こえないでしょ??防音に関しては、カラオケボックスクラスですね・・・・まぁ、空調は、あまり良くないので・・・時々開けたり、エアコンをつけて調節が必要ですが・・・」
 
「ネロくん・・・いつの間に、こんな場所を・・・」
「ハイ・・・俺、ネットゲームが好きなので、ネットカフェの駅の近辺のネットカフェの情報を良く調べてるんです・・・ただ、ここのネットゲームは、マニアックな話ですが、‘アイテムドロップの補正‘が無いんで・・・俺は、一人で来る際ここのネットカフェは使いません・・・」
 
「アイテムドロップ??補正??」
ネロがマニアックなゲームの話をしたので、詩織は聞き返した。
 
「はい・・・解りにくかもしれませんが、ネットカフェにお金を払って来ても・・・ゲームをする目的の俺にとっては、メリットが無いんです。ここは、彼女が出来たら、会話をする目的で案内しようと・・・思ってました・・・アハハハ・・・まだ、俺・・・彼女居ないんで・・・ここには、用無しなんですけどね・・・・」
ネロは、ちょっと解りにくい話をしてしまったな・・・と後頭部をかいた。
どんなに解りにくい話をしても必ず、しっかり話を聴いてくれるのが詩織である。
時に母のように、時に姉のように近い距離で話を聴いてくれる。高校に入ってから中々友達が出来なかったネロにとっては、良い傾聴相手である。
 
 
 
「ほぅ?来客か・・・お前ら、空調の管理しっかりしとけ・・・」
店の奥では、ネットカフェの店長が店員に指示を出していた。
 
店長は、エアコンの傍に自身の指を当てた。
「この風、この空気こそ・・・戦場だ」
 
 
「大崎店長・・・バイトの面接希望の方がいらっしゃいました。」
「ふむ・・・来たか?」
 
店長は、面接室に顔を出した。
 
ビクッ
 
店長が思っていた以上の強面顔で、面接に希望者は目を丸くした。
「ここの店長を勤める、大崎ってもんだ・・・次は、貴様の番だ・・・名乗れ。」
「あっ、ハイ!!原宿仁児と申します・・・お金を稼ぎたいので、ここにきました。よろしくお願いします☆」
 
「ほぅ?良い目をしている・・・」
「それに、金が稼ぎたい!と正直に打ち上けおったか・・・・ハッハッハッハ!!!気に入った!コイツは、俺から奢りだ!」
店長は、缶コーヒーを手渡した。
 
 
 
ネロは、詩織と部屋まで行くと・・・
一度荷物を置き、ドリンクバーのコーナーに行く事にした。ネットカフェのドリンクはフリードリンクである為、最初から料金に含まれており、フードコーナー意外は自由に飲む事が可能だ。
 
ネロは、得意気に詩織にドリンクバーの説明をしていた。ドリンクバーは、それほど複雑ではない為説明不要とも言えるが、夢中で説明するネロの姿が可愛らしく見えたので、詩織は親心のように微笑みながらネロの説明を聞いた。
 
そんな中、大崎店長からドリンクバーの点検のやり方や補充のやり方を習う、新入りバイトの仁児。
「!!!!」
仁児は、かつてマク●ナルドのバイト仲間だったネロが来客として来ている事に気づいた。
 
一度食事に誘って断られてしまった。その拭いきれない複雑な感情を捨てきれない仁児は、マク●ナルドのバイトを突然辞めた。そんな経緯を持っている。
 
-なんでここに・・・アイツ(ネロ)が居るの?どーして、今なの??-
 
仁児は、出来れば見られたくなかったのだが・・・
 
仁児の近くにいるハズのネロは、黒いスーツ姿のOL女性と話し込むのに夢中で、仁児の姿にはまるで気づく様子は無い。
 
 
-ネロ・・・こんなに近くにいるのに・・・-
 
仁児は、見られたくないという思いとは裏腹に、ネロの近くまで行き・・・ドリンクバーの点検をはじめた。
 
 
ネロは、詩織に「店員さん来たから、行こう・・・」と誘われ、
 
「あ、スミマセン♪」
とあっさり詩織と部屋へ戻る。
 
 
見られたくないとう思いがある中で、
それ以上に気づいて欲しかった・・・
というキモチを痛いくらいに痛感した仁児。
 
「どうした?新入り・・・次は、レジの点検のやり方の説明をしてやろう!着いて来い・・・」
店長に言われるがままに、着いていく仁児。
 
後ろを振り返ると、黒いスーツ姿のOLと仲良くあるいていくネロの後ろ姿が段々と小さくなっていく。
 
-少し前までは、ネロの隣を歩いていたのは自分だったのにな・・・-
 
肩くらいまで伸ばしかけた、ハイトーンの白に近い金に染めた髪を無意識に触りながら、ネロの背中を見送った。
 
どうした?ぼんやりして
戦いの中で、戦いを忘れたか?
しっかり覚えんと仕事にならんぞ・・・
 
 
 
店長の話は、この時の仁児にはあまり聴こえなかったという。
 
 
 
 
 
 
部屋に戻ったネロと詩織。
フラットシートの上に二人きり、壁がわにはテレビモニターが置いてあり、横にパソコンに使うマザーボード(パソコンの本体)が置かれている。壁際に収納されているため、足を伸ばして座る際も、全く邪魔にはならなかった。
テレビの下に収納された簡易テーブルがある為、ネロは引き出し飲み物を置いた。
 
喫茶店や、ラーメン屋とは違い、そこには雑音は無く、思った以上に静かな空間だった。
 
チクタク  チクタク・・・
 
詩織の身に付けている腕時計の音が、まるでピーターパンに出てくる(フック船長の恐れている)ワニから放たれるかのように、非常に大きくハッキリ聞こえる。
 
目の前には、当然相手しかない。
いつも以上にハッキリと顔が、全身が姿がハッキリと見えた。
 
この瞬間、ネロと詩織は『異性と二人きりで個室に居る』という現実を再確認してしまう。
お互いが意識すると、今までのように慣れ親しんだ会話が一つも出ない。
ただ、フリードリンクを口にする回数だけが増えた。
 
ーー入室してから20分が経過している。流石にこれ以上無言が続くのは不味いな、俺から誘っておいてこの有り様じゃ、『いつもの喫茶店の方が良かったね』とそれだけで終わってしまう。相手からの会話待ちの姿勢じゃダメだ。ここは、俺から会話切りだそう・・・今までも、自然に話してきた関係だ・・・なんでも良い・・・話そう!
 
 
「いやー喉乾きますね!さっきラーメンのスープでガッツリご飯食べちゃいましたからね~、流石に全汁(全部スープを飲むの)は、不味かったかな♪あはは・・・」
 
「ねぇ、ネロくん・・・私、話したい事があるんだ。」
 
「えっ?」
 
「私達、会うの・・・これで最後にしよう?」
 
「・・・・・・・!!!」
ネロは、当然の事で頭の中が真っ白になった。
 
「ネロくんと会っている事は、主人の了承済みだし・・・・。主人もネロくんの事をウチの子様に思ってくれてるし、またウチにご飯食べに連れてきなさい☆って優しく言ってくれてる・・・」
 
「じゃあ、俺達が会っているのは問題無いと思います・・・なんで粋なり『会うのを最後にしよう』だなんて・・・俺、何か悪い事しましたか?俺の事、嫌いになっちゃいましたか?」
 
「旦那の方は、問題無いわ・・・信じてくれてるから・・・・ネロくんの方も、問題ない・・・ネロくんの事は嫌いじゃないよ!嫌いだったら二人きりで会ったりはしない!!・・・こんな二人きりの場所なんかに来たりはしないでしょ・・・」
 
「・・・・・・・」
ネロは急な話で黙りこんでしまった。
 
「ごめんなさいね。急な話で・・・実はね、私妊娠してるの・・・」
 
「えぇぇぇ!!!?・・・いや、おめでとうございます。」
 
「あはは、ありがとう・・・でもね、この子は産まないで降ろす事に決めてるの・・・今の私には育てる事は出来ない・・・・それに、いずれは主人とは離婚しようと思っているの・・・」
 
「・・・・・・・・それは・・・あまり、こんな事を聞いたらいけないのかも知れませんが・・・ご主人と何かあったのですか?俺で良ければ・・・言ってください。」
 
「私ね・・・ホントは、主人の事・・・好きじゃないんだ。私達お見合いで結婚したの・・・」
 
「それにね、旦那は私に内緒で多額借金しちゃってね・・・」
「えっ!!!・・・いくら程・・・」
「600万円・・・・」
 
「それって、まだ返し終わってないんですか?」
ネロは、少し表情を固まらせて聞いた。
 
「すぐに返したわ・・・車売ったり、家売ったり、金銭になりそうなモノを根こそぎ売り払って、残りは働いて返したわ・・・」
 
「凄いですね・・・」
 
「そうよ・・・大人って凄いのよ☆・・・でも、私にとって・・・それは、止めだったわ・・・元々好きじゃないんだ人と結婚して、多額借金までされたら何を信じて良いか解らないわ・・・当時も妊娠してたけど、借金返済で余裕がなかったから降ろしたわ・・・ふふふ、ちょっと引いたでしょ?」
 
「いえ・・・仕方の無い事です。代々木さんは悪くないです。」
 
「うふふふ・・・ありがとう・・・そーいえば、ネロくんにはまだ行ってなかったわね~私も、実は鯖学卒業生なんだ♪」
「えぇ??・・・担任とか誰だったんですか?」
 
「坂本先生・・・実は、三國志とかのコスプレが好きで、たまにドンキーとかで買いあさってる・・・補聴器つけてる男の人なんだけど・・・」
「えっ、もしかして・・・」
 
 
「うん・・・今は、校長先生やってるんじゃないかな?」
 
「それは、カナリ驚きました・・・昔から、コスプレが好きだったのですね・・・・」
 
「ホントは、学生時代に凄いカッコ良い先輩が居てね・・・私、いつもお弁当作って屋上に呼び出して渡してたんだ・・・効果があったかは、不明だけどさ・・・」
 
 
 
「なんだか、お弁当作戦って恋華みたいですね・・・」
 
 
「うん☆私がアドバイスしたの♪男の子をゲットする為にはお弁当よ☆って・・・」
 
「・・・・でも、お見合い結婚って事は・・・ゲット出来なかったんですよね・・・」
 
「うふふふ・・・」
詩織は、静かに笑うと・・・ネロの方へと向き治った。
 
「私はね・・・・お腹の子、といっても・・・まだレモンくらいの大きさなんだけど・・・この子を降ろして、離婚して・・・しばらく、一人で暮らそうと思ってるの・・・・。でも、その事は・・・まだ主人には打ち明けていないの・・・・」
 
「・・・・・・・そうですか・・・・」
 
「いずれ、打ち明けるけど・・・・そんな中で、ネロくんと二人で会ってる時間が多いと・・・色々誤解が生じると思ってね・・・・。だから、私達は・・・もう、会わない方がいいと思うの。」
 
「どーしてですか?ずっと、会わなんじゃないくて・・・落ち着いたら、また会えば良いんじゃないですか?・・・別に、一緒に楽しくお茶するくらいなら、悪く無いと思いますが・・・・」
 
「・・・・ネロくん。・・・・アナタ・・・学校には、好きなコとか・・・いないの??」
 
「・・・・!!!」
 
「アナタは、若いんだから・・・これから先イロイロな出逢いがあると思うの・・・だから、私なんかより・・・もっと若い娘と一緒に居た方がいいと思うの・・・・」
 
「いや・・・・代々木さんだって・・・充分若いですよ☆」
 
「・・・・・そーいってもらえるのは、嬉しいわ・・・でもね・・・私は、ネロくんと一緒に居られる時間は、ホントに夢のような時間だわ・・・時間だって、あっという間に過ぎちゃうし・・・・だから・・・私は・・・・」
 
「俺だって、そうです!ホントに夢のような時間です・・・・毎日だって会いたいくらいです!代々木さんといると、他の女子と一緒に居る時より、自然な俺で居られます・・・・」
 
「・・・・・・・・・・・・・・」
 
「俺は、代々木さんに忙しい時間が出来たら・・・全然待ちますよ?それに、会いたいときはラインをくだされば、全然時間は作ります!」
 
「・・・・・アナタを振り回しているみたいで・・・私の都合で、アナタに迷惑をかけているみたいで・・・嫌なの・・・」
 
「俺は、そーしたいんです!迷惑なんてかかてません!!」
 
「私が、いやなの・・・・時間を合わせるって事は・・・・それだけ、アナタでの付き合いとか、ちょっとずつ犠牲にしていくことになるんだから・・・そーいうのが・・・・」
 
「学校の連中は、そんなに薄情な奴らじゃない!お互いの私生活を尊重したり・・・何かを無理強いしたりはしない!」
ネロは、少し大きな声を出した。
 
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だからね・・・・」
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私はね・・・・・・・・」
 
詩織は、目に涙をためて下を向いた。
 
 
 
新宿ネロ・・・・
この男と、同じ時代に学校で過ごす事が出来たら・・・
 
今の自分の人生は、変わっていたんじゃないだろうか・・・・
 
詩織は、自分の中に溢れる感情をこれ以上堪える事は出来ない。
 
 
日中言っていた、霧恵の言葉は・・・
今現実の物となっていた・・・
 
「会わない方が良い!」と言った自分こそ、
ネロと会えなくなる時間は耐えられない・・・・
 
 
「代々木さん・・・家庭でイロイロあるんだと思いますが・・・あんまり一人で貯めこんでも、全うな解決策は出ないと思います・・・・」
「俺で、良ければ何でも話して下さい・・・俺は、頼りになる男じゃないっスけど・・・俺は、代々木さんが悩んでいる事を一緒に考えたいんです・・・俺が一人暮らしを始めてから・・・ちょいちょい、気にかけて・・・俺のトコに、煮物やら・・・届けに来てくれた・・・アナタと・・・今、こーして二人きりでいる。代々木さんがホントに離婚されるのでしたら・・・逆に、会う事になんら支障は無いんじゃないんですか?」
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 
「俺は・・・・頭はワリィけど・・・・代々木さんを騙したりなんかしない・・・悲しい思いなんかせない・・・」
「こんな俺を信じちゃくれませんか???」
 
 
 
・・・・なァ・・・一切合切、全部振り切って・・・俺のトコに来ねぇか?
 
 
 
俺の事は、信じてもいいと思うぜ??
 
 
 
-ネロくん・・・アナタ、やっぱりあの人に・・・目黒センパイに似てるわ・・・-
 
 
 
-もう一度だけ・・・
 
-もう一度だけ・・・・信じて見ようかな・・・・-
 
ネロは、詩織をしっかりと抱きしめた。
 
 
「ネロくん、私ね・・・・ネロくんの事が、やっぱり好きみたい・・・・」
 
 
 
 
 
つづく
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次回予告・・・w
 
新宿ネロ!
 
彼女いない歴17年の彼に・・・
 
 
ついに、初の彼女ができた!!
 
しかし・・・相手は、歳上の既婚者さんだ!!!
 
風紀を乱す新宿ネロに、生徒会は黙っているのかだろうか??w
 
「良いわけ無いでしょ!」
 
ついに、鯖学☆に台風が上陸してしまった!!!!
 
鯖学、秋の文化祭・・・果たして無事に向かえる事が出来るのか・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」