ブログ小説です☆
一年間ぶっ通しで配信され続けるシリーズです☆
始めて読む方は、やはり最初から読むことを進めます☆
こちらをクリックするとシーズン1のURL纏めがあります!
https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12439136779.html
URLをクリックすると各話に進みます☆
※シーズン1から読まないとたまに、解らなくなる恐れがありますw
そして、いよいよシーズン3を迎えます☆
47話は、実尋視点で開始します。
結構シリアスですよーw
前回の話は、こちら
46話
https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12525658487.html
直接関連するシリーズ
シーズン2の
「俺達の夏休み編」はこちら
https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12496185561.html
ワタシの名前は、渋谷実尋(シブヤミヒロ)
高校2年生。共有鯖船学園普通科2年5組に在学する女子高生です。
夏休みも、終わって新学期が始まった。
9月になったのだ・・・もうじき文化祭が始まる。ワタシ達、2年5組は隣の2年6組と合同で『こなもの』の出店をやろう☆という形で決まり、放課後に少しずつ準備を進めていく事になった。
隣のクラス(6組)のクラスメイトと合同で、日替わり生徒が残り準備を進めていく。
ワタシは、生徒会所属でもあるので、ほぼ毎日居残りだ。でも、みんなで何かをやっていく!!というモノは、凄く充実した日々を過ごしている気がする。だから・・・居残りは、苦痛じゃない・・・そのハズだった。
「新宿クン!!今日、時間大丈夫かな?文化祭の準備を進めたいんだけど、手伝ってくれる?」
「あ・・・・ワリィな、今日俺用事があってな・・・パスするわ」
「あ、そうか・・・それは、仕方がない・・・」
新宿クンは、5限目の講義が終わると荷物を手早く纏めて帰宅した。
翌日も
「新宿クン、今日は大丈夫かな?」
「ワリィ、今日もちょっと用事が・・・また、今度手伝うよ☆」
「・・・・・・・」
新宿クンが教室を去った後、窓の外を覗くと、校舎を出た新宿クンは、黒いスーツを着た女の人と待ち合わせし、二人でどこかに行く様子だった。
ーー新宿クン・・・用事って・・・その女の人と、どこかに行く用事なのかな?新しいバイトかな?
ワタシは、気になった・・・・いつの間にだろ?新宿クンが、誰か女性と会話をしていると、気になるようになっていた。何の話をしてるのかな?
毎回気にしても、仕方がないのに・・・
どーしても、気になる。
少し前までは、別に気にしなかったのに・・・
夏休みの、あの旅行以来かな・・・・
その日の放課後、5限目を終えると生徒達は、各自文化祭の準備を始めた。
用事のある者や、文化祭に関心の無い者等、集まりは余り良くない状態であったが・・・
居残っている者達は、黙々と作業を進めていた。
「よいしょっと・・・」
段ボールに物品を入れて運ぶ恋華。
「ん?みひろん・・・どーしたの、ぼんやりして・・・」
「あ、恋華・・・」
窓の外に新宿ネロが荷物を持って下校する姿が見えた。
その姿を見た恋華は、実尋がぼんやりする理由を大体察し・・・
「あの駄犬(ネロ)がぁ~団体行動で遅刻するだけに飽きたらず・・・みんなで行う作業に不参加!!そして、みひろんをこんなに悲しませるなんて・・・もぉ、あったまにキタ!!ぶっ飛ばす!」
恋華は、背中から木刀を抜き出し、窓から飛び出そうとした。
「ちょっと、落ち着いてよ!恋華ぁ・・・新宿クンだって予定があるんだから、無理強いしちゃダメだよ・・・」
「でも、ここ数日間みひろんが誘っても、アイツ参加しないんでしょ?連日断るなんて・・・あんな暇人(ネロ)に予定がそんなにあるわけ無いわよ・・・」
「・・・・・バイト、かも・・・」
実尋は、少し自信無さげに言った。
「ふーっ・・・わかった☆じゃあ、みひろんは物品購入係☆今、ちょっと足りない物品あるから買ってきてくれない?サイアクお店混んでたら、買った物品は翌日学校に郵送してくれれば良いから☆」
恋華は、ネロを気にかけている実尋に「物品購入係」という名目で、学校から出る口実を作ったのだ。
これで、実尋はネロが連日文化祭の準備作業に不参加である理由を探りに行く事が出来るという訳なのだ。
「れ、恋華ぁ・・・恩に着るわ~」
実尋は、手早く荷物を纏め一階の下駄箱へと足を急がせた。
「ふふふ・・・みひろん☆頑張れ♪」
駆け出す実尋の背中を見ながら、恋華は小さく笑った。
放課後に文化祭の準備を進行する中、実尋は物品購入係へと任命された。
物品を購入する道中、新宿ネロの動向を探る日々が続いた。
Day1
恋華から、物品購入係を任命され・・・なんとか、駆け足で追い付き、新宿ネロに気づかれないギリギリ距離をキープしつつ尾行を開始した。
ーーあら?新宿クン・・・黒いスーツ姿の女の人と・・・誰かしら?
ネロと待ち合わせをしていたねは、スーツ姿のOLといった感じの女性だった。艶のあるボブヘア、色白い肌の知的美人といった感じの女性だった。
二人は、喫茶店の中に入っていった。
ーー凄く綺麗な人・・・バイト先のマネージャーさんかしら?
実尋は、最も合理的だが辻褄が合いそうな人物として、バイト先で知り合った人物と予想をたてた。バイト先意外に、新宿クンが女性と知り合うルートは考えにくい。合コンで知り合ったという可能性もゼロでは無いが・・・そんな事は、あって欲しくない!!というキモチが強い為、『合コン説』より、『バイト説』を有力として考えた。
ネロとOL風な女性は、ケーキやコーヒーを注文した。
楽しそうに会話をしていた。ネロは普段見せない顔や、普段見せない素のリアクションを見せた。ガラスの外から覗く実尋には、どんな会話をしているか全く解らない。
バイト先のマネージャー?と思われるOL風な女性と喫茶店で時間を過ごしている。
これが、現時点の情報だ。
バイト先のマネージャーであるなら、心配する必要は無いだろう。翌日は文化祭に参加してくれるかな?と考え、実尋はドンキホーテにより物品を購入し学校へ引き返した。
Day2
「ワリィな渋谷・・・今日もちょっと用事があってな・・・文化祭の準備の手伝いは、また今度な・・・」
やはり、ネロは準備作業には不参加だ。
物品購入する名目で学校を後にした実尋は、先日に引き続きネロの後をつけてみた。
やはり、喫茶店付近でネロはスマートフォンを頻繁に見てから、スーツ姿のOL風な女性と合流した。
「!!!!!!!」
実尋の目の前で、OL女性はネロに会えた事を嬉しそうに、ボディタッチし、ネロはさりげなく腕を出すと、OL女性はネロの出した腕に寄り添い、仲睦まじく喫茶店の仲へ入った。
ケーキやコーヒーを注文し、またトークが始まった。
「・・・・・・・・・・・・・・」
二人は知り合ったばかりとは思えない程、トークが弾み、話のネタが尽きない。
Day3
この日も、やはり喫茶店。
Day4
やはり、喫茶店。食い入る様に窓に張り付き様を見る。
Day5
この際、手を振ってみよう!気づくかな?
新宿クーン・・・
窓の外からでも聞こえる様に大きな声を出したのだが・・・
(周囲にびっくりされるくらい・・・)
気づかない・・・(涙目)
Day6
学校内で途方にくれた実尋。
物品購入係として、ネロの動向を探る事には成功したが・・・毎日OL女性と会話している姿を見ているだけ、この繰り返しじゃ何も前には進まない。
実尋は、トイレ内の手洗い場にある鏡を見ながら、ため息をついていた。
「どーしたの、ため息なんてついちゃって・・・」
実尋の隣にやってきたのは、那智だった。
「うーん、なんだろう・・・上手く言えないんだけどね・・・最近新宿クン、ワタシの事避けてる・・・っていうかね。うーん・・・放課後の文化祭の準備に参加してくれないんだ・・・ワタシが誘うとね、用事あるみたいで、すぐに下校しちゃうんだよね・・・」
実尋は、あえて下校後のネロの動向については話さなかった。
「そうなんだ・・・」
那智は、心配そうに実尋の顔を覗いた。
実尋は、実際口に出していないが、他にも悩みを抱えている。ネロに気を使い全部は打ち明けていない事も那智は気づいていた。こんな時は、無理に悩みを聞きすぎず実尋の心の整理を待とう・・・那智は、そう思った。
ジャー
トイレの流れる音が室内に響いた。
トイレのドアを開け、一人の女子が出てきた。
漆黒の長い黒髪と、目の下には特徴的な不眠症と見間違う程の濃いクマが出来ている。
一度見たら忘れられないインパクトを感じさせる女子校生。
御徒町霧恵だった。
「あ!!霧恵ちゃん☆久しぶり~」
実尋は、明るく声をかけた。
-この娘は、確か留学生(グレイコフ)が帰国する際の全校集会で、実尋と花束贈呈式を行う際、体育館で転んで物凄い出血をした娘・・・-
-そして、6月に突然行方不明になって学校で捜索隊を編成して、二時間くらい捜索したりと、問題を起こして、夏休み前に自宅謹慎を喰らった娘ね・・・-
那智は、明るく挨拶した実尋とは違い、霧恵に対する印象は決して良いものでは無い。むしろ、全校の生徒の大多数が那智と同じく霧恵に対するイメージは、かなりマイナスな物である。
「渋谷センパイ・・・6月の際は、ご迷惑をおかけしました・・・」
霧恵は、実尋に頭を下げた。
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知らない方は、「キリエハザード編」をどうぞ☆
「えっ!!ちょっと霧恵ちゃん・・・ちょっと頭を上げてよ、ワタシは・・・もう、そんな事気にしてないから・・・」
実尋は、慌てて霧恵に頭を上げる様に伝えた。
「いえ、迷惑をかけてしまったのは・・・事実です。全校生徒にも頭を下げるべきかもしれませんが・・・流石に、時間がかかり過ぎるという新たな迷惑行為が生じる為、割愛しました。」
霧恵は長い髪を耳元かきあげながら淡々と話した。
「霧恵ちゃん、あのね・・・誰でも、自分の事で他人に迷惑をかける事はあるよ。そもそも人に一切迷惑をかけずに生きていける人間なんて居ない。ワタシは、そう思っている。ワタシ自身も周りに迷惑をかけながら生きているし、これからも迷惑をかけ続けていくと思う。」
実尋は、そっと霧恵によって肩に手を乗せた。
「それでも、自分が悪いってふさぎこんだり、間違っても自分から命を断っちゃいけないと思う。・・・・霧恵ちゃんは、お父さんとお母さんは・・・好き??」
実尋は、霧恵と同じ目の高さまで顔を持っていこうと、少し膝を曲げて腰を(少し)下ろした。
実際、実尋自身霧恵より格段に身長が高い訳では無いので、そこまで屈む必要は無かったが・・・
「えっと・・・・あまり、そーいう事は考えた事はありませんでしたが、ここまで育てて頂いたので感謝はしてます。」
霧恵は、少し戸惑った様に言う。
「じゃあ、霧恵ちゃんも・・・お父さんとお母さんの為にも、幸せにならないとね☆ワタシを産んでくれて、育ててくれてありがとう・・・っていえるよーに、生きていかないとね☆」
那智は、実尋の表情が先程より明るくなったのを感じた。実尋は基本的に他人の為に何かを考えてあげる事が原動力といえる所があり、他人の悩みならいくらでも尽くせるのだ。その反面自分の悩みとなると全くである・・・
「・・・・・渋谷センパイは、大人なんですね・・・ワタシは、そんな事考えた事は無かった。」
実尋の教えに、霧恵は少し尊敬した眼差しに変わってきていた。
「フフフ、まぁ////ワタシもさぁ・・・偉そうに言えたクチじゃないんだ。今のは、新宿クンから教わった事なんだよ☆」
「新宿センパイが・・・・」
霧恵は実尋の顔を見た。
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知らない方は、「夏休み編」をどうぞ☆
「うん・・・・そぅ・・・なんだ」
新宿ネロ、彼の顔を浮かべると再び自分の本来の悩みが脳裏に甦り、実尋は浮かない表情になった。
-あちゃー・・・やっぱりか・・・-
せっかく、明るくなった実尋の表情が再び曇り始めた。見てらんないよ・・・と言わんばかりに、那智は目を閉じた。
「渋谷センパイ・・・新宿センパイの事を気にかけているみたいですね。差し出がましい様ですが、キリエは最近新宿センパイを見かけました。」
「っ!!・・・どこで?」
実尋は目の色を変えた。
「キリエが見たのは2回。1回目は喫茶店に行くところです。」
「・・・・・・・・」
ネロがOL女性と喫茶店へ向かうのは、実尋も知っていた。
「2回目は、自宅に向かう所です。喫茶店に入る所も、帰宅する所も、どちらも黒いスーツ姿の女性が一緒でした。同じマンションへ入って行きました・・・・」
霧恵は、真顔で淡々と話した。
「えっ!ちょっとアンタ同じマンションって・・・」
那智は黙っていられず口を挟んだ。
実尋、那智、共に二人は同性しているのでは?と考えた。
「キリエが思うには、それは無いと思います・・・正確には出来ないんだと思います。」
霧恵は、真顔で言った。
「出来ないって・・・どーいう事?霧恵ちゃん、何か確信があるの?」
実尋も真剣な顔で聞いた。
「その女性は、喫茶店の中ではカナリ長時間新宿センパイと話していました。まるでネタがつきない・・・というより、共通話題が元々多い人物だったのだと思います。恐らく、霧恵や渋谷センパイよりも、もっと古くからの知り合いで顔馴染みの人物、そして新宿センパイと同じマンションに住んでいる女性です・・・・同性出来ない理由は、その女性は新宿センパイより年上で既に既婚されているんだと思います。一緒に帰っていても怪しまれない理由は、元々親しい近所の付き合いがあったから、自然なんだと思います・・・」
「心当たりある??実尋・・・」
霧恵の考察を聞いてから、那智は実尋に訊ねた。
「・・・・・・うん。会った事ある・・・新宿クンと同じマンションに住んでる女性・・・」
「代々木さん・・・」
つづき
48話
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次回予告
「渋谷センパイ・・・月曜の放課後、新宿センパイが『用事がある』と言った場合、少し強引にでも良いので、彼に一時間だけ文化祭の準備を手伝わせてくれませんか?難しければ30分でも良いので・・・なんとかお願い出来ませんか?渋谷センパイが頼めば、新宿センパイは嫌とは言えないハズです・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・さん!!貴方は間違っています!!新宿センパイの優しさを、自分勝手な考え人生に巻き込まないで下さい!!」
「それは、
彼の事を思った愛情なんかじゃない!
不倫は、立派な犯罪です!・・・」
「これ以上、新宿センパイを巻き込むなら・・・
密会している事をご主人に報告します・・・」
ついに御徒町霧恵が本気を出す!
乞うご期待