ブログ小説です☆
この夏を全力で満喫する学生達の物語です!
前回の44話はこちら
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「・・・・・あっという間に2日間終わっちゃったね・・・・楽しい時間ってさ・・・なんでこんなに早く終わっちゃうのかな・・・」
「ホントにそうだよな・・・この調子で夏休みも終わっちまって・・・瞬く間に一年が過ぎちまうんだろうな・・・」
宿泊所のテラスから、波の音を聞きながら・・・
静かな夜を過ごす、ネロと実尋。
2日目の夜を迎え、いよいよ翌日は帰宅し楽しかった夏の旅行が終りとなる。
ネロは、実尋に「2人きりで話がしたい・・・」とこの波の音が聞こえるテラスにと誘ったのだ。
――俺がこの旅行に参加したのは、渋谷とゆっくり話す機会が欲しかった・・・・きっかけが欲しかった・・・・
――俺は、渋谷の事がもっと知りたかったんだ・・・
「鯖学☆」(サバガク)45話
【本編】
「・・・新宿クン・・・そっちの小豆入り抹茶アイスはどうだい?」
「あぁ・・・練乳クリームでコーティンされてて、カナリ甘い・・・でも俺は好きな味だな・・・」
「フフフ・・・それは、良かった☆・・・・・・」
「こっちのグレープ味は・・・・なんだかイマイチだ・・・・」
二人の会話は、背中を向けて話していた。
ネロは、海の方を向いて話しており・・・
実尋は、テラスの手すりに腰かけ、波の音を聞きながら室内(宿)の方を向いて話していた。
実尋は、甘いモノは割と嫌いなモノというのは、あまり無い・・・特にアイスキャンディなら尚更嫌いな物等あるハズがない。
だが、なんとなくグレープ味のアイスキャンディは・・・今の実尋に気分には合わなかったらしい・・・精神的なモノというのもあのだろう・・・
楽しい時間は、瞬く間に終わる・・・まるでアイスキャンディが解ける速さと変わらない・・・
そんなに直ぐに終わってしまうと思うと・・・なんとなく味気なく感じてしまう。旅館に着いたばかりの時に食べれば、また違う味わいだったのだろう・・・
「グレープ味・・・嫌いだった・・??」
ネロは、アイスの話をさらにしようと思ったが・・・
「ねぇ・・・新宿クン・・・・そう言えば・・・・」
「??」
実尋は、アイスの話は遮断して質問をした。
「2人きりで話したい事があるって言って、ここに誘ってくれたけど・・・話って何だい?☆」
実尋は、宿の方を向きネロには背を向けたまま聞いた。
「/////////・・・あぁ・・・・その、いきなり質問して悪いんだが・・・・」
ネロは、一気に顔を赤くしてカチカチに固まった話し方になった。
「んんん????」
実尋は、ネロ方へ見た。
「あの・・・・その・・・・・渋谷って・・・・・・その・・・・・彼氏とか・・・・居るのか?・・・・または、好きな人とか・・・・」
ネロは、いきなり本題をだして聞いてみた。ネロが気になる異性である実尋・・・しかし、実尋に彼氏が居るなら自分の方に振り向いてくれるハズは無い。この話はいつか聞かないといけないと思っていたのだが、17歳の異性と交流が少なかったネロにとっては非常に聴きにくく、勇気のいる質問だった。以前(シーズン1)4月頃では、恋華から「みひろんは確かフリーだった・・・」という様な情報は教えてもらい、何度か背中を押してもらったが・・・4月から7月半ばまで既に3カ月以上が経過している。仮にもミスコンNO1に選ばれる学園屈指の人気アイドルの実尋である・・・いつまでも、その辺りの男子が放っておく事はない・・・・・
――この際、「ゴメン・・・私、彼氏いるわ・・・・」と言ってくれ!そうすれば・・・俺のこのキモチは楽になる・・・今まで通り友達で居れば良いんだ・・・ちょっとショックも受けるが・・・
ネロは、自分で質問をした後に、精神的な防御を行った。この際・・・・俺が言ってほしくない答えを想像して・・・先にショックを和らげよう!覚悟をしていれば、俺の心にも耐性が付くだろう・・・大丈夫だ・・・
仮に、渋谷と口が聞けなくなっても・・・・
俺には、オンラインゲームがある!
「海・・・・」
「え??」
「海キレイだね・・・・もう少し近くで波の音を聞きたいからさ・・・歩きながら話そうか・・・・」
「あ・・・あぁ・・・・」
「このまま帰るのが、なんだか名残惜しくて・・・・」
実尋は少し寂しそうな表情で言った。
「あぁ・・・少し歩こう・・・」
ネロと実尋は、海辺の砂浜を歩きながら話した。
「ワタシね・・・・実は、こー見えて・・・・中学時代は、軽くイジメられっ子だったんだよ?性格も根暗でさ・・・友達も居なかったし・・・」
「えー!!・・・・とても、そうは見えないぞ・・・・」
「でもね・・・ホントの話なんだ・・・中学の子供ってさ・・・思った事をなんでも口にしちゃうでしょ?それでさ・・・ワタシって、金髪で瞳の色素も生まれつき薄い方でさ・・・・みんなと違うんだよね・・・外見からして・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「周りのみんなは、それで・・・ワタシの事からかうんだ・・・悔しいから、勉強だけ凄く頑張ったけどさ・・・勉強に力を入れて成績で、みんなを見返そうと思ってね・・・それでも、やっぱり周りのコは、私を阻害するのを辞めてくれないんだ・・・・」
「極めつけは・・・ワタシ、気づいているかもしれないけど・・・両親が外国人でさ・・・・日本人の血は引いてないんだ・・・」
「両親は、どんな出逢いをしたかは解らないけど・・・ワタシが、物心ついた時には、日本人のラーメン屋のレイジさんって人が傍に居て・・・ワタシを育ててくれていたんだ・・・レイジさんは、心細かったワタシに、いつも美味しいラーメンを作ってくれた・・・・」
「だから、ワタシは決めたんだ・・・・身も心も、ラーメンに捧げるって誓ったんだ!」
「オイ・・・・」
シリアスな話から、オチはラーメンか・・・と思い流石にネロは突っ込んだ。
「だからね・・・話は、チョッチ長くなったけど・・・・・・さっきの新宿クンの質問の答えは、居ない・・・ワタシには、彼氏は居ない。」
「・・・・全く、気づかなかったよ。渋谷・・・今のオマエと、中学時代のオマエは・・・真逆なんだな・・・確かに、辛い中学時代を送ったのかもしれない・・・それでも、今のオマエはキラキラ輝いているよ。周りのみんなにも積極的に話しかけて、そんで目立たない俺とかにも気を使ってくれて・・・・渋谷!オマエは、中学時代から変わる事が出来たんだ!凄いよ・・・どうやったらそんなに変われるのか教えて欲しいくらいだ・・・」
「・・・・・・変われた訳じゃないよ・・・」
「えっ?」
「ワタシが、みんなと打ち解けるきっかけが出来たのは・・・こんなワタシに声をかけてくれた一人の女のコが居たからなんだ・・・」
「・・・・一人の女のコ?」
「うん・・・そのコが声をかけてくれなかったら、ワタシは・・・地獄の様に寂しい中学時代を送る事になったと思う・・・中学に入学した時、結構早くにお友達同士のグループが出来ちゃって・・・ワタシ、そこに乗り遅れちゃってさ・・・女のコ同士って、なんかグループが出来ちゃうと・・・どうしてもそこに入りにくくてさ・・・中学一年の時は、家に帰ったらずっと一人でテレビゲームやってた・・・・」
――俺と、同じだ・・・・去年の(高校一年の時の)俺と・・・全く同じじゃねぇか・・・
「中学2年生に進学した時、ワタシは今まで通り・・・ワタシの存在はなんとなく空気の様に終わるのかな~って・・・ぼんやり過ごしていたら、ある時転校生がやってきてね・・・そのコが休み時間にワタシの所にやってきたんだ☆」
-いいなぁ・・・髪の毛サラサラじゃん・・・私なんか、天然パーマで・・・毎朝5時に起きてブローしても、雨が降ったり・・・汗なんかかくと‘ぐにゃぐにゃ曲がって戻ってくるし・・・‘神様は一体私にどんな恨みがあるのよ~-
-いやいや、そんな事ないよ☆天然パーマだって・・・アナタの場合、綺麗に纏まってて凄く綺麗よ!-
-え///・・・・ううん・・・そんなの嘘よ!お兄ちゃんも『天然パーマに悪い奴はいねぇ!そんな事で落ち込んでいるじゃねぇ・・・世の中にはなぁ、ダンボールをマイホームと言い切る程ポジティブな生き方をしている奴だっているんだ・・・』とか、『この漫画(●魂)の主人公も俺と同じ天然パーマだけど、こんなにキラキラ輝いてるじゃねぇか!ほら、見ろ!俺そっくりな顔だろ?機動戦士●ンダムの主人公だってニュータイプはみんな若干天然パーマじゃねぇか!』とか・・・私は、女だってっつーのちっとも慰めになってしないし・・・-
-アハハハ・・・そのお兄さん面白いね・・・・会ってみたいな☆-
-会わない方がいいわよ!仕事が無い日は裸足でブーツ履いてスクーターなんかに乗ってるもんだから、毎日足は臭いし!『天然パーマで悪く言う奴が居たら、このテレビショッピングで買った木刀でぶっ叩いてやれ!』とか言うもんだから、その木刀でバカ兄貴の頭かち割ってやったわ・・・-
-コラコラ・・・兄弟はもっと仲良く・・・っていか、アナタのお兄さん社会人なんだ?結構歳離れてるの?-
-ん・・・お兄ちゃんは、8歳年上・・・高校の講師をやってるみたい・・・-
-へぇ☆そこの高校って、共学なのかな?高校に受験する際は、そこに行こうかな・・・-
-うん!じゃあ、私も一緒に受験する!一緒に行こう☆-
-うん!一緒に行こう☆・・・あ、会ったばかりでこんな話も変だね・・・そーいえば、自己紹介がまだだった・・・-
-ワタシの名前は、渋谷実尋☆-
-私の名前は・・・・・・-
「!!ちょっと待てよ・・・同じ高校で、天然パーマの先生がお兄ちゃんって・・・・そいつ・・・恋華じゃねぇか!」
「あったりー☆」
「アハハハ・・・・なんとなく、言動とか・・・アイツ(恋華)は昔からそんまんまだったんだな・・・」
「アハハハ・・・・うんうん・・・ワタシ達が話していたら、そこら辺の男子たちが、恋華の事を天然パーマとか良くからかいに来てね・・・中学時代
は、恋華、今よりもうちょい髪が短かったから目黒(ギン)先生みたいに、天然パーマが目立ちやすくてね・・・」
「そっか・・・俺はてっきり、ヤンキーみたいにパーマかけてるのかと思った・・・」
「まぁ、あのコにとっては、コンプレクスみたいでね☆なるべく目立たない方法を研究してたみたい・・・それでも、中学時代はワタシの目の前で、からかう男子達をボコボコにしてたけどね☆」
「アハハハ・・・・俺は、からかってないのに毎日ボコボコにされてるけどな・・・・」
「・・・・あのコ(恋華)が居ると、なんだか周りが明るくなってね・・・いつも、周囲でトラブルは起きてるけど、それをきっかけに、みんなとも仲良くなれた気がするんだ・・・・」
「・・・・アイツは、確かに天然なのか計算なのか解らねぇけど・・・・いつも、みんなを集める力みたいなのは、あるような気がする・・・でも、中学時代みんなと仲良くなれたのは・・・それだけじゃないと思うぜ?渋谷だって、自分なりにみんなと話そうと努力してたんだと思う・・・」
「!!!」
「だから、徐々に周りと打ち解けて・・・自分の殻を破って、みんなと仲良くなれたんだと思う・・・・」
「ありがとう☆新宿クン・・・やっぱり、新宿クンは優しいよね☆」
「/////そ、そうかな?」
「うん☆そう思う!」
「だって、新宿クンは目の前で困っている人を放っておけないもん・・・」
「新学期が始まる前日・・・電車の中で、自分の危険を顧みず・・・御徒町さんが痴漢から助けたりとか・・・」
「フランスから留学してきたグレイコフ・・・・彼に、一番親切にしていたのって、新宿クンだよね☆」
「えっ・・・・いや、その・・・・オマエ(実尋)だって、みんなで歓迎会をするとか、色々やってくれたじゃねぇか・・・・」
「ううん・・・一番近い距離で、イロイロフォーローしていたのって、やっぱり新宿クンだった・・・周りの仲間とまだ関係性が気づけていない時・・・あんな風に親切にされたら・・・ホントに////助かると思う☆・・・・ワタシなら、孤独だった時に声をかけてもらえるだけでも、救いになる!」
「いや・・・そんな大袈裟な////」
「うぅん・・・大袈裟なんかじゃない☆・・・・孤独で、独りぼっちな時って、まるで空気みたいな存在で・・・ただ居るだけ、・・・いや、ここに居たらいけないのかな?・・・・ってそう思うんだよ。ワタシには解るんだ!だから、グレイコフに丁寧に接している新宿クンを見て・・・まるで、あの時の自分に優しく声をかけてくれているみたいで・・・凄く嬉しかったんだ・・・あの時以来かな、新宿クンに対する見る目が変わったのは・・・」
「見る目が変わった?」
「うん・・・・だって、新宿クン・・・なんだか、進学してから・・・片っ端から、女の人に声掛けまっくてたからさ・・・もしかしたら、女好きのチャライ人なのかと思ったよ♪」
「えぇぇぇ!!俺って・・・そんなに女性に声かけてた?」
「かけてたよ!だって、御徒町さんとホームルームが遅れるくらい校庭でお喋り・・・、」
「!!」
ネロの額から汗がブワっと噴き出した。
「ちえモン先生の居る保健室への頻繁な出入り・・・、」
「!!!!」
止めきれない程の汗が額から流れ落ちた。
「そして、極めつけは・・・恋華との連日同じ時間に登校し、学校付近で弁当を一緒に食べたと噂になる・・・・」
「・・・お、おい!それは誤解だろう・・・・恋華が好きなのは大崎だって、親友のオマエなら解るだろう?」
「・・・・・・・・それは、・・・・」
実尋は目を逸らした。
「アイツ、大崎の為に弁当作って、告白までしたんだぞ!」
ネロは少しだけムキになって言った。
この時、何故自分がムキになって言ったのか・・・ネロはハッキリ解っていた。
-新宿くんの好きな人は誰?A実尋、B目黒(恋華)さん・・・-
-これ以上の選択肢って・・・・新宿くんにとって愚問じゃない?-
日中肝試しをした時に、神田さんから聞かれた質問が、フラッシュバックで蘇った。
そして、「決まっていない。」という答えを出したのだ。
決して悪気ではないが・・・その時出した答えが、なんだか無責任な答えだと自分で思えてきたのだ。
――アイツ(恋華)は、大崎が好きなんだ!だから俺は応援してるんだ!
――今は応援したいんだ!俺の事は、まずは後回しだ!
ネロは、自分の気持ちを確かめ、念を押すように心の中で言い聞かせた。だから少しムキになった言い方をしてしまったのだ。
実尋自身は、恋華が大崎秀の事を好きなのは知ってる。告白した事も知っている。
そして、大崎秀が去年恋華に告白した事も知っている。
お互いが嫌いじゃない事も解っているのだが・・・ホントに恋華と秀が
今、相思相愛なのかという所には、違和感しなかいのが実尋の本音だった。
そもそも、生徒会で秀と同じ時間を過ごしている実尋は、秀には他に思い人が居る事も知っている。
「新宿クン☆ワタシね・・・ホントに恋華の事が大好きなんだ!」
「あのコが、あの時声をかけてくれたから・・・・今のワタシがいるの☆・・・・だから、あのコには幸せになって欲しいんだ!」
「あぁ・・・・俺も同じだよ!アイツには幸せになって欲しい・・・・でも、俺は・・・渋谷!オマエにも幸せになってほしい!」
「///////・・・・フフフ、ありがとう☆新宿クンなら、きっとそう言ってくれると思ってた☆」
「でもね、ワタシは・・・自分の好きな人が目の前で幸せになってくれるのが・・・一番幸せなんだ・・・・だからね・・・」
「あのコと、好きな人が・・・もし、被るような事があったら・・・・あのコに悲しい思いはさせたくない!・・・だから・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!」
「あのコと好きな人が被ったなら、・・・・・あのコに幸せを譲ってあげたい!ワタシの好きな人と・・・ワタシの大好きな恋華に一緒になってもらいたい!・・・・」
――辞めろ・・・渋谷!これ以上は言うな・・・・
「ワタシは、恋華に好きな人を譲って・・・」
「それは、違うぞ!!!渋谷!!」
ネロは、少し大きな声を出した。
「え・・・・」
ネロの突然出した大きな声に実尋は驚いた。
「自分の好き人には、幸せになってもらいたい・・・なら、さっき言っていた・・・ラーメンでオマエを育ててくれたレイジさんは、どーなるんだ?」
「!!!!!!!!」
「レイジさんは、・・・育ての親である義理のお父さんのキモチは・・・」
「親ってのは・・・我が子の幸せになる姿を
どんな時でも願っているんじゃないのか?」
「・・・・・・・・・・・・レイジ・・・さん・・・・」
「レイジさんは、オマエの幸せを願って・・・今でもラーメンを作りながら稼いでくれてるんじゃないのか?」
「それに・・・恋華だって、親友のオマエに譲って貰う幸せなんて・・・望んで居ないハズだ・・・アイツは、勘が良いから・・・お前が我慢しているの姿を一瞬で見抜くぞ・・・俺は、お前達程古い付き合いじゃないけどな・・・アイツ(恋華)がそんな事を望んで居ない事だけは、良く解る・・・・・・もしも、自分の為に、好きな人を譲ってくれた・・・と解った場合・・・・」
「アイツは傷つく!!」
「渋谷、お前は親友を傷つける事になるんだぞ?」
「・・・・・・・・・・フフフフフ・・・・新宿クンは、恋華の事は・・・なんでもお見通しなんだね☆・・・・実は、中学3年の時・・・一回その事で揉めてね・・・ワタシ、恋華と絶交に近い形になった事があってね・・・・今では、時が解決してくれたみたいで普通に仲良くしてるけどね・・・」
――渋谷・・・俺も人の事を偉そうに言えた義理じゃねぇよ・・・俺も、自分の幸せより・・・まず、他人の幸せを考えちまう方でな・・・なんか、自分の事になると・・・急に奥手になるっていうか・・・・めんどくさくなるっていうか・・・なんでか解らねえけど・・・他人の事の方が、なんでも冷静に考えられるみたいなんだ・・・・自分の事になると、すぐに頭をパンクする俺がな・・・・
「ふー・・・・なんて、いうか俺達ってさ・・・もしかすると、似た者同士なのかもな・・・・自分の事を考えるのが臆病になってるみたいだ・・・」
ネロは、ため息をついた。
「アハハハハ☆新宿クン、なんかお爺さんみたい・・・・ため息ついちゃって、、、、」
「お?言ったな・・・」
「でも、ホントにそーだね・・・ワタシ達似ている所、あるのかもしれない・・・・」
「なぁ・・・渋谷・・・・」
「うん??」
「実は、もう一つ聞きたい事があってな・・・」
「おっ・・・今日は質問のオンパレードだね☆・・・・・」
「その、大分前の話になるんだけどな・・・学園喫茶の準備でドンキーに二人で買い物に行った時の事だっけど・・・・」
「お?大分前の話だねぇ・・・そういえば・・・二人で行ったんだよね。覚えてるよ☆」
「あ・・・・その、あの時・・・お前、結構真剣な顔で・・・・俺に進路調査表の事を聞いてきたよな・・・」
「・・・・・うん。そうだね・・・」
「俺、あんとき・・・俺自身進路なんて、あんまり真面目に考えてる方じゃねぇからさ・・・結構適当に答えちまったよな・・・俺自身、悪気があった訳じゃねぇけどよ・・・・お前が、真剣に考えている悩みをしっかり聞こうとせずに、俺の意見だけど言っちまったのは悪かった・・・ゴメン・・・」
「フフフフ・・・その時の話か・・・・大丈夫☆ホントに怒ってないよ!ワタシ☆むしろ、一緒に買い物に付き合ってくれて感謝してる☆って前言ったと思うけど・・・・」
「・・・・俺、あの時適当に話を聞いちまったから・・・・」
「その・・・進路調査表の事だけど・・・書き直しをさせられる前は、・・・なんて書いたんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺、絶対に冷やかしたり・・・人に言ったりしねぇよ!笑わないって・・・約束する!」
「だから・・・・」
「進路調査表・・・書き直しになる前はね・・・・
「心の優しい人の・・・
「////////////////////」
その時、俺は身体の全身が熱くなるのを感じた・・・
身体中から沸きおこる感情というモノなのだろうか・・・
海辺を背にした渋谷の姿・・・
海と空と澄んだ青い瞳が完全に同化して・・・
まるで、その時の言葉は女神から授かった言葉の様に感じた・・・
もしも、この瞬間・・・この出逢いが、運命である可能性があるのなら・・・
俺は、その運命を信じたい・・・・
「だから、ワタシは大学受験とか、就職活動とか・・・ホントに目指してなかったんだ・・・でも、やっぱり甘かったかなぁ☆アハハハ・・・ワタシなんかじゃ無理だよねぇ/////・・・・さぁ、この際だから笑っておくれ☆」
「いやいや、笑ったりなんか!!・・・???」
その時、砂浜の近辺で花火が上がった。
「よーし!特大の操気弾だぁぁ・・・ハィィィィ!!!って・・・おい、恋華!ネズミ花火なんか俺の足元に投げるなよ・・・アチチチ・・・ちょっと、ホントに火傷する・・・アチチチ・・・・」
どうやら、打ち上げ花火を上げているのは、イ・ヤムチャらしい。
「みひろーーーーん☆こっちで花火やろう!ネズミ花火でエロエロ・ヤムチャをやっつけよう!」
恋華の声も聞えてきた。
「おっ!花火ですかぁぁ!今夜で旅行の締めくくり・・・どーんと花火で飾りますかぁ!」
実尋は、恋華の声を聴いて元気よく答えた。
「さぁ・・・いこ!新宿クン!!」
実尋はネロの手を引っ張って花火の上がっている方へと駆け出した。
花火の上がっている方では、旅行にきたメンバー達の話声が聞こえてきた。
顔は暗くて良く見えないが、声のトーンと独特の話し方をするメンバー達だったので・・・
大体会話の内容で、誰の台詞か解ってしまう・・・
「ちょっと、待て!いつから、俺はエロエロ・ヤムチャになったんだ!」
「だって、さっき・・・なっちーのお尻を触ろうと・・・」
「ちょっと!イ・ヤムチャ・・・ホントなの??アタシのお尻くらいなら////まぁ許すけど、実尋のお尻を触ったら・・・アンタ花火で焼き●ロスわよ!」
「ちょっと、待て!こんな所で(サイバイマンに抱かれたように)爆死してたまるかァ!誤解だ・・・暗闇の中で花火を探していたら、近くの何かを触ってしまっただけだ!」
「イ・ヤムチャ・・・それは、オレのケツだ・・・・」
「なにぃ!!プリンス(野郎)のケツを触っちまったのか!クッソ・・・早急に手を洗わないと・・・オカルト菌が移ってしまう!」
「誰が、オカルト菌だ・・・どアホ・・・勝手に野郎のケツを触って喜んでるんじゃねぇ・・・」
「俺が、いつ喜んだ!!事と次第によっちゃ・・・狼牙風風拳で・・・・ハィィィ・・・・!!・・・??む、何かを触ってしまった。」
「ハァ・・・どアホ・・・今度は、誰のケツを触った・・・・?」
「ハッハッハッハ!それは、俺のケツだ!どうやらイ・ヤムチャはシーズン3ではホモ疑惑がついた状態で紹介されてしまう事に決定だな☆」
「ちょっと~・・・お、お、大崎くんの清純なお尻を汚れた狼の素手で触ってんじゃないわよ!ネロが駄犬なら、アンタは駄狼(※ダロウ、駄目な狼という意味w)だわ!」
「おーい・・・ちょっと、恋華さん?新宿くんは、いつから駄犬になっちゃったのかな?な~んて・・・聞いてみたら愚問か?・・・ん?なんか触ったか?・・・柔らかいな////」
「キャ!ちょっと、何揉んでるのよ!!新宿くん??」
「あ・・・もしかして、神田さん??あ・・・ゴメン・・・つい、他のコかと・・・思って・・・」
「ちょっと、新宿くん・・・一体誰なら揉んでも許されると思ってるのよ・・・・」
「えっと・・・プリンス除闇のお尻かと・・・話の流れ的に同性のお尻ならセーフ・・・だよな?恋華?」
「私に同意求めてんじゃないわよ・・・だから駄犬なのよ・・・・」
「おい・・・言っとくが、俺は、ワザとじゃない・・・って、アチチ・・・さっきからネズミ花火を投げるのは辞めろ・・・高かったブランドの服に穴が開いてしまう!んん?」
「ちょっと、待て・・・なにかを踏んでしまった・・・」
「ワッハッハ☆イ・ヤムチャさん!踏んでしまったといえば、そりゃぁ・・・犬の●ンチしかないでしょう☆」
※さぁ、上記の暗闇の中でメンバー達の(カナリ特徴のある話し方をするので)どの台詞が誰の台詞か解ったかな?w
「え(汗)イ・ヤムチャが犬の●ンチを踏んだ??にげろーーーぉぉぉ!!」
メンバー達は一斉にイ・ヤムチャの周りから散って行った。
日中から(肝試しの件で命がけで逃げた為か)高速で走る事を身体に身に着けたメンバー達は、カナリ俊敏な動きを会得していた。
「お、おい・・・」
「ちょっと待てぇぇ!」
「ちょっと、待て・・・懐中電灯まで持っていくな!辺りが真っ暗じゃ、実尋さんを喜ばせる為の打ち上げ花火の用意が出来ん!!」
「暗闇に一人でいると、ミヒロンシーがでるぜぇ~」
「でるぜぇ~・・・除闇がまたビビってるぜぇ~」
「はぁ~どアホ」
こうして、俺達の二泊三日の夏の旅行は終わった。
最後の花火が終わる瞬間まで、みんなキラキラ輝いていた・・・
当初、気になる異性と親睦を深めよう!という目的だった夏の旅行・・・・
どーやら、渋谷は最初から知っいたらしい・・・
屋上で男子4人が話している所に、実は渋谷も居たらしい・・・
本人曰く、
「静かなる事、林の如く・・・ニンニン☆」
だそうだ・・・よーするに、息をひそめて潜伏していたらしい。
今回の親睦深める夏の旅行・・・みんなが、それぞれ自分の目的を果たせたかは・・・俺には解らない・・・
ただ、俺自身は・・・今回の旅行で解った事がある・・・・
それは、俺は・・・
やっぱり、渋谷が好きだったんだ!
それが、ようやく明確になった!
好きになっていた理由も解った!
渋谷実尋の見てくれや、ただ話しやすくて、明るいってだけじゃない・・・
アイツの生き方、アイツの考え方・・・アイツの今まで努力してきた事が・・・・
今回じっくり話す事でハッキリ解った!
だからこそ、今まで以上に好きである事に自信が持てる!!
そして・・・いままで、ずっと腑に落ちなかった・・・
「進路調査表」が書き直しになった件も、これでハッキリと解った・・・
アイツの目指す道は、就職でも、大学入試でも無い!
そんな「項目」に収まりきるような奴じゃねぇ・・・
直接聞いた俺自身・・・
目を閉じると・・・
いまでも、あの時聞いた言葉や、
その時のアイツの姿が一面に浮かんでくる
あんなにも純粋な言葉は、一生の内でも・・・そう聞く事は出来ないだろう・・・
アイツは・・・あの時、
海辺でたたずんで俺に、こー言ったんだ
「進路調査表・・・書き直しになる前はね・・・ワタシ、こう書いたんだ・・・
45話「心の優しい人の・・・お嫁さんになること・・・」
シーズン2完
つづき
46話はこちら
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シーズン3に、『秋の話へ』つづきます!
まだまだ鯖学☆は止まらない!!
※鯖学は、一年間続きます☆