最終日
4日間のツーリングも今日で終わりかと思うと少し寂しい
後ろ髪をひかれる思いから少しだけ寄り道をしてみた
厳美渓
平泉のインターからほど近くにある



義経もこの風景を見たのだろうか、いや見たに違いない
かの時代、西の朝廷、東の坂東とともにこの東北のいわば都となった平泉

義経が幼少より育てられた平泉

平家討伐ののち頼朝から逃れついた平泉


東北ツーリングのおりには常に寄りたいと思っていたが叶わず

今回初めて立ち寄ることが出来た


これより平泉インターより東北道にのる

帰りは常磐自動車道を経由

グーグルマップによると東北道経由よりも8キロ短く、30分余分にかかるようだ

いわきの手前、相馬辺りまでは一車線の対面通行だからか


常磐自動車道は田植えをおえたばかりの田園風景を左右に見ながら、広大な仙台平野を走る

やがて道は山間にはいり福島県となる  道路脇に立つ線量表示板はいまではもう見慣れてしまった

相馬のパーキングで食事をとる



うすっぺらな牛タンとチャーハンを食べながら「今回もまたコンビニ弁当ばかりだったな」

食事をおえバイクにまたがる
いつものようにキックの儀式をするがエンジンが掛からない
それどころか気配すらない
20回ほどやって汗だくになり休憩

こんなときは焦らずタバコでも吸うと良い…
と聞いたことがあるが生憎煙草はやらない
ベンチに座ってしばらくボーとする
初日と2日目あたりまではキック一発、調子は良かった
確か昨日の朝あたりから掛かりずらくなってきていた
考えられる原因をひとつづつ見つけ出しては「いや違う」と削除をしていく
点火系…突然死はないなぁ
燃料…キャブレターの詰まり?イキナリはないよなぁ
エアフィルター?そこで思い出したのが、ブローバイガスだった
このバイクは普段はブローバイガスを大気開放しているのだが、ロングツーリングでそれでは申し訳ない
というかちびっと環境問題なんて考えてしまったのだ(八幡平国立公園だし)
で、出発前にブローバイガスのパイプをエアクリーナーボックスに繋いだのだったが、その際キャッチタンクを経由しないで直接繋いだのだった
普通はそれでいい
だがこのXL500Sの純正エアクリーナーは湿式
短い距離ならまだしも千キロを超える距離を走っていればエアクリーナーボックスの中はブローバイガスに含まれるオイルでベチャベチャになるに違いない
そう考えると高回転でふけなくなってきていたな、なんて事も思いついて、ますます確信が持ててきた。そうとなればやることは決まった。

プラグを外す、案の定真っ黒。さっき食事前に満タンにしたばかりのタンクのフタを開けてプラグの先っちょを洗う。
エアクリーナーボックスを開ける、ベチャベチャ。中のオイルを拭き取ってひとまずエアクリーナーを外しちゃえ。
そしてブローバイのホースはボックスから外して開放しちゃうのだ。

さて、ドキドキしながらキック
1発2発…掛からずとも気配はある
3発めに「プッププ」といいながら架かってくれた

気がつけば先ほどから事の顛末を伺っていたであろうライダーが「良かったね」という顔でヘルメットをかぶろうとしている。軽く右手を挙げる。


3泊4日の八幡平と平泉を訪ねる今回のツーリングは終わった

ただただ遠かった


走行距離1718キロ
ガソリン67.48リットル
燃費約25キロ


土浦のあたりだったろうか。
前方を走るヤマハのGX250?の後ろにつく。3車線の道路をフルに使い互いに前後しながら4輪を抜いていく2台のバイク。
やがて谷田部のSAに入ろうとウインカーを出す彼は左に車線をとる。直進するこちらとの車間が徐々に詰まる。
2台のバイクが並ぼうとした瞬間、こちらの左手があがるのとほぼ同時に彼の左手があがった。


次はどこに行こうか。
東名高速を走りながらそんなことを考えていた。