戦中・戦後の巨匠、溝口健二監督の映画人生を描いた本に、「ある映画監督」があります。
実は高校時代の同級生に同姓同名の奴がいて、それゆえ監督の名前も覚えていたのです。     
 
溝口監督の映画は数えるほどしか見たことはないが、本によれば女性を、それも廓や売春宿で暮らす女たちの生活を描くと右に出るものはなし、とのこと。と聞けばなるほど思い当たる節はありまして、小津監督や黒沢明ではなかなかあの感じは出ないなあ。
溝口作品といえば田中絹江ですが、高貴な姫様から一転廓の遊女までの転落の様など、壮絶な演技・演出に脱帽でした。     57歳という若さで亡くなられているのですが、やはり身を切るような想いで作品を完成させていたのでしょうか。
 
今日は久しぶりに「山椒大夫」を見てみました。
森鴎外の小説で知られておりますが、「安寿と厨子王」のほうが知っている人は多いのでしょうね。
内容はもとより当時の映画の丁寧に作られていることに改めて感心しました。
衣装やセット、小道具に至るまで見事だと思います。 
 
時には古い邦画も良いですね。