ニューヨークのオフィスに着いたニックは自分の椅子に座っていつの間に眠ってしまい、昼前ごろジョーダンからかかってきた電話で目を覚ましました。
「昨日は先に帰ってしまいひどかったじゃない?」と言うジョーダンに、もはや、ニックはどうでもいい気持ちで、お互いにまたいつか会おうねと言って電話を切りました。それからギャツビーに電話してみると、お話し中で通じませんでした。何回電話しても通じないのでニックは心配して、時刻表を調べ、3時50分の電車に〇をつけました。
その間何が起こっていたかと言いますと、妻を黄色い車で引き殺されたウイルソンは、その車を運転していた男が、妻の愛人だったと思い込んで、仇を討ちに黄色い車を探してロング・アイランドへと歩いていきました。しかしながら、目撃情報によると一軒一軒のガレージを覗いていたわけではありませんでした。彼はギャツビーを知りませんでしたが、誰からかギャツビーの名前を教えられたのか、2時半には、ウエスト・エッグに現れて、通行人にギャツビーの屋敷への道を尋ねていました。
一方、ギャツビーは2時に水着に着替え、もし電話がかかってきたら(ディジーからの電話)、プールにいるからと執事に言い伝えました。執事は4時まで電話を待ち続けていましたが、電話はかかってきませんでした。しかし、もしこの時電話がかかってきたとしても、もうギャツビーはこの世にはおりませんでした。
ニックはこう考えました。ギャツビー自身、ディジーから電話がかかってくるなんて信じていなかったのではないか。
If that was true he must have felt that he had left the old warm world, paid a high price for living too long with a single dream.
後になって、ギャツビーの運転手は、銃声を聞いたが、大したことはないと気に留めなかったと言ってました。
ニックは駅からまっすぐ車を飛ばし、ギャツビー邸の玄関のステップを駆け上がりました。その様子に、運転手も執事も庭師も事態を察してプールへと急ぎました。
It was after we started with Gatsby toward the house that the gardener saw Wilson's body a little way off in the grass, and the holocaust was complete.