病名は愛だった
もう泣かなくていいよと 小さな声でささやいて
まぶたに落ちる影を そっと指でなぞる夜
点滴の雫さえも 子守唄のリズムになって
ひとつ落ちるたびに 「だいじょうぶ」と数えてく
おやすみ 傷だらけの心
今日はもう戦わなくていい
痛みも後悔も 枕元に置いて
眠るあいだだけは ただの夢にしておこう
病名は愛だった
それならそっと包もうと 毛布みたいな沈黙で
言えなかったごめんねも 上手く言えないありがとうも
全部まとめて抱きしめて 胸の奥にしまいこむ
いつか思い出すときには 優しい色になりますように
おやすみ ほどけない絆
無理にほどかなくていい
少し苦しい結び目も 今はそっと撫でながら
「ここにいるよ」とだけ 伝えられたらいい
病名は愛だった
それでもまだ生きていく 二人分の鼓動で
同じ夢を見られなくても 同じ夜をくぐり抜けて
明日の朝日が昇るころ 少し笑えていますように
おやすみ 貴方の背中
もう自分を責めませんように
眠りに落ちるその瞬間だけは
どうか安らかな海で 揺られていられますように
病名は愛だった